金融庁は、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と、地元企業の成長に貢献する地方銀行に対し重点投資する仕組みづくりに向けて協議を始めた。GPIFによる長期投資を通じて、地域経済の活性化に取り組む地銀の後押しをする狙いだ。
討論の中身は、GPIFが上場する地銀の株式を運用する際に、環境や社会、起業統治などの要素を反映した指数を活用できるか否か。上場地銀は地域経済への波及効果が大きいため、新たな切り口で投資判断することが目的とのこと。
地元企業の成長や資産形成につながらない事業、たとえばアパートローンやカードローンなどといった事業により、一部の地銀は急拡大している。しかし、GPIFが採用する指数に地域経済への貢献が反映されれば、こうした事業で一時的に収益を伸ばしたところで、投資対象外となる。
一方で、地域の創業支援や事業再生に貢献している地銀は、投資を受けやすくなる。
金融庁は、地銀に対し、顧客企業の成長や個人の資産形成にどれだけ貢献しているかを指標で開示することで取引銀行を選ぶ判断基準を提供。
機関投資家に対しては、企業の持続的成長促進につながる投資について、行動指針の策定を要求。
地域経済の活性化につながる金融行政を進めている。