国土交通省は、復興支援道路として整備を進める東北中央道「相馬福島道路(総延長約45キロ)」の用地取得の状況などを公表した。
一部で2020年度の開通を予定している霊山インターチェンジ(IC、仮称)―東北道・福島北ジャンクション(JCT)間の用地取得率は、今年3月末現在で約91%となった。
20年度の全線開通を目指して整備が進められている相馬福島道路全体の用地取得進捗率は、約97%、主要構造物の完成率は約55%、トンネル掘削進捗率は約85%、橋の上部工着手率は約65%となっている。
これらは、福島市で開かれた第7回復興道路会議の場で示され、出席者が相馬福島道路を核としたまちづくりなどについて意見を交わした。
伊達市は、市内に整備される4つのインターチェンジを利活用。霊山高原構想や多機能型複合施設、保原新工業団地(仮称)などの整備で、地域経済の活性化、定住人口の拡大などを図る。
相馬市では、既に開通した阿武隈東道路の効果で、鮮度や品質を保ったまま福島市方面に配送することが可能に。これにより、地場産業の漁業の復活・再生と海産物の販路拡大を目指す。
桑折町は、「21世紀の追分推進プロジェクト」を策定。相馬港や仙台空港に直結する物流基盤を高い次元で確立し、南東北の物流連携を拡大、広域的な地域経済発展の拠点形成を目指す。
福島大笹生IC周辺に新工業団地を整備する福島市は、全国トップクラスの企業立地優遇制度などを紹介するセミナーを都内で開催。米沢方面も含めた東北中央道、相馬福島道路の効果を最大限にアピールし、企業誘致を進める。