トラストバンクが「企業版ふるさと納税」企業アンケート調査を実施 約8割が制度の利用意向ありと回答
GLOCAL MISSION Times 編集部
2020/04/07 (火) - 07:00

ふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を運営する、株式会社トラストバンクは「企業版ふるさと納税」について、全国の企業規模300名以上の大企業に勤める、企業版ふるさと納税の導入における決定権のある、会社員・会社役員・経営者の400名を対象に調査を実施した。

【調査結果サマリー】
◆企業版ふるさと納税の認知度は約8割。一方、改正内容を知っている企業は約5割
◆2020年4月の法改正後、約8割が利用したい、利用に興味があると回答
◆地方自治体との関係構築や地方創生事業に興味を示す企業多数
◆プロジェクトの「社会的意義」の訴求が寄付を集める鍵に
◆改正後も利用意向のない企業へは「利用するメリット」の訴求が課題

企業版ふるさと納税とは

国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対し、企業が寄付を行った際に税額が控除されるという制度です。正式名称『地方創生応援税制』といい、寄付額の最大約6割が軽減され、実質的な企業の負担は約4割まで圧縮されます。地域創生を活性化する狙いがあり、2016年に開始されました。2019年度で終了予定だった本制度は、2020年4月1日より制度の期限が5年延長されると共に、税額控除の割合はさらに約3割拡大して最大9割となり、企業は実質約1割の負担で自治体に寄付できるようになります。

調査背景:活用が進まない現制度の課題発掘

2018年度の寄付実績は34億円前後*と、個人版ふるさと納税の5127億円の受入額に対し、まだ活用例が少ない企業版ふるさと納税制度。そこで、本制度に対する企業の現在の認知度や認識について明らかにすると共に、4月からの制度改正内容についての理解や地方創生事業への興味関心、自治体やプロジェクトを選ぶ基準といった意向を把握することを目的に、調査を実施しました。
*内閣府「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の寄付実績(平成28年度、29年度、30年度)について」より制度の

認知度は約8割。一方、4月の改正内容までを理解している企業は約5割

企業版ふるさと納税について知っているかを聞いたところ、「知っていた」(54.0%)「なんとなく知っていた」(24.8%)を合わせると、計78.8%と、約8割の人が本制度を知っていたという結果になりました。一方で2020年4月から適用される改正内容については、「改正の内容までは知らなかった」(41.2%)、「全く知らなかった」(11.5%)と、約半数が知らないという結果に。

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法改正後、約8割が企業版ふるさと納税の利用意向あり

法改正後、実質最大1割負担で活用できる企業版ふるさと納税を利用したいかを聞いたところ、「利用したい」、「利用を検討する」で56.8%、「未定だが興味はある」も合わせると79.8%と、約8割が利用意向や利用することへの興味を示しています。改正により実質最大1割負担で利用できる企業版ふるさと納税への興味があることが伺える結果となりました。

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企業版ふるさと納税利用の動機、約6割が地方自治体との関係構築と回答

法改正後に企業版ふるさと納税について利用したいと回答した人を対象に、企業版ふるさと納税についてのメリットを聞いたところ、「地方自治体との関係構築」と回答した人が61.2%となり、約6割が企業版ふるさと納税の利用の動機として自治体との関係作りをメリットとして考えていることが分かりました。自社の知名度向上やブランディングより、寄付する先の地方自治体との関係が、自社のメリットと考える企業が多いことが分かる結果となりました。

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約8割の企業が地方創生事業に興味を示し、自社のメリットに繋がると回答

次に、企業のリソースを活かし、地方創生事業に取り組んでいくことに興味はあるかを聞いたところ、「興味がある」、「どちらかというと興味がある」と答えた人は79%。約8割にのぼる企業が地方創生事業への興味を示しました。また、地方創生事業に取り組むことは、自社および自社の事業・サービスの知名度向上や、売上・利益の拡大など、自社のメリットに繋がると思うかを聞いたところ、地方創生事業は自社のメリットに「繋がると思う」「どちらかというと繋がると思う」と回答した人は計79.3%となり、企業の地方創生事業への前向きな姿勢を表す結果となりました。

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プロジェクトの「社会的意義」の訴求が寄付を集める鍵に

企業版ふるさと納税で寄付先の自治体を選ぶ際の基準については、50%が「プロジェクトの社会的意義」と回答しました。自治体が企業から企業版ふるさと納税において寄付を集めたい場合、社会問題の解決や社会的意義への共感をいかに得られるかが鍵になると考えられます。

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企業版ふるさと納税で寄付したいプロジェクトジャンル、1位は「環境保全」

企業版ふるさと納税で自治体に寄付したいプロジェクトジャンルについての質問では、半数以上の企業が「環境保全」(54.5%)と回答。生産活動、特に製造業を中心とする企業にとって環境問題は社会に直接的に影響を及ぼす問題であり、社会的責任を感じやすい領域であることが伺える結果となりました。次いで「災害」(44.3%)、子どもの教育(43.0%)と続きます。

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改正後も利用意向のない企業「利用するメリットを感じられない」が37%

改正後も企業版ふるさと納税を「利用する気がない」、もしくは「利用したいが難しい」と回答した人を対象に、その理由について聞いたところ、37%の人が「利用するメリットを感じられない」と回答しました。個人版ふるさと納税のように、寄付のお礼として返礼品がもらえるといった明らかなメリットがないことが要因と考えられます。次いで「自治体のプロジェクトに魅力を感じない」が23.9%となり、自治体がいかにプロジェクトの必要性や共感を得られるかが課題として浮かび上がる結果となりました。

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10,000人以上の従業員を要する会社の75%が改正後の企業版ふるさと納税制度を利用したい、利用を検討すると回答

企業規模別の分析では、法改正後、企業版ふるさと納税の利用意向について、従業員数10,000人以上の会社で「利用したい」(46.7%)「利用を検討する」(28.3%)の回答率を合わせると75%となり、全体の平均値56.7%という数値と比較すると顕著な結果となりました。規模の大きな企業の方が同制度への利用に前向きな姿勢を示しています。

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10,000人以上の従業員を要する会社の方が地方創生事業に前向き

地方創生事業への興味を問う質問では、従業員数10,000人以上の会社の6割(60%)が「興味がある」と回答しました。平均値41.4%という数値と比較すると顕著な数字です。地方創生事業が自社のメリットに繋がるかを問う質問においても、「繋がると思う」の回答の平均値が40.2%のところ、従業員数10,000人以上の会社では 63.3%と、規模が大きい会社の方が、地方創生への取り組みに積極的な姿勢を持っていることが伺える結果となりました。

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企業版ふるさと納税、普及には企業へ「利用するメリット」「プロジェクトの魅力」の訴求が課題 -自社の技術やノウハウを基に、企業が自治体にプロジェクトを提案するサービスが登場

2020年4月の改正に合わせ、トラストバンクでは企業版ふるさと納税事業を本格展開します。本事業は、企業から自治体への地域創生に寄与する「事業提案」から、自治体の事業に必要な「資金調達」まで一気通貫のスキームを提供するものです。本制度の普及課題である「利用するメリット」を訴求し、「プロジェクトの魅力」開発に取り組むことで、官民一体となった地域活性を促していきます。

トラストバンクが提供する企業版ふるさと納税サービスの一気通貫スキーム

1) 企業による地域創生パッケージの提案:
企業版ふるさと納税では、自治体が地方版総合戦略に基づいた地域創生プロジェクトを立案し、内閣府から認可を得る必要があります。本スキームでは地域課題を解決する高度な技術やノウハウを有する企業が地域創生パッケージ(プロジェクト)を自治体に提案します。トラストバンクは、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」の運営で築いた全国85%超を占める1,500を超える自治体とのネットワークを活かし、企業が提案する地域創生パッケージに関心のある自治体を募ります。企業側の参画については、親会社であるIT コンサルティングの株式会社チェンジ(本社:東京都港区、代表取締役:福留大士、以下「チェンジ」)と連携し、同社の大企業や官公庁を中心とする2,500社・団体を超す顧客基盤を活かします。

2) ネットとリアルを通じた資金調達:
トラストバンクが運営する「ふるさとチョイス」では、月間最大2億超のPV数(2019年12月)、年間約2,000億円の寄付金を全国自治体に届けています。また、寄付金の使い道を明確にし、クラウドファンディング型で寄付を募る「ガバメントクラウドファンディング®(GCF®)」を発案、提供しています。企業版ふるさと納税では、専用サイトを設けて企業からの寄付を募るだけでなく、自治体がGCFを活用して、企業版ふるさと納税対象のプロジェクトの事業費を個人版ふるさと納税でも集められるようにします。また、ネット上のプロモーションだけでなく、ふるさと納税の企業向け説明会や全国の地域に根差した営業チャネルなどのリアルな働きかけも行っていきます。

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【調査概要】
1.調査の方法:インターネット調査
2.調査の対象:全国の30歳~69歳の男女、かつ以下条件に当てはまる方
■職業:会社員、会社員(管理職)、会社役員、会社経営者
■勤め先の企業規模:従業員数300人以上
■企業版ふるさと納税について最終決済権のある立場
3.有効回答数:400名
4.調査実施日:2020年3月13日(金)~3月16日(月)の4日間

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