inahoが開発する自動野菜収穫ロボットが実証事業に採択 農業の人手不足と経営課題を解決
GLOCAL MISSION Times 編集部
2020/06/25 (木) - 07:00

自動野菜収穫ロボットを開発するinaho株式会社は「労働力不足の解消に向けたスマート農業実証」「イノベーション創出強化研究推進事業」「ものづくりスタートアップ・エコシステム構築事業」に採択されたことを発表した。

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農林水産省の調査によると、農業就業人口及び基幹的農業従事者の平均年齢は約67歳と言われており、農業従事者年齢構成比率における49歳以下の割合は僅か約10%となっている。

2015年に約150万人いたとされる農業人口が2030年には約半数となる約75万人にまで減少すると予想され、高齢化や後継者問題による労働者不足の解消、最先端の技術やITを導入した生産性の向上が求められている。
(農林水産省「平成30年 農業構造動態調査報告書」「農業労働力に関する統計」)

今回の実証事業に採択されたことによりinahoは、自動野菜収穫ロボットのサービス提供・運用を推進させ、ロボットの量産化における安全性、環境耐性、コスト低減に向けた試作開発や、農業大学校の学生向けに教材作成、講義、実習を行っていく。

inahoは自動野菜収穫ロボットとRaaS(Robot as a Service)※モデルで農業が抱える人手不足や経営課題の解決を目指すという。

※:RaaS(Robotics as a Service)とは、ロボットの機能を実現する制御用のソフトウェアをクラウド経由で提供するビジネスモデルのこと。

採択事業

1:労働力不足の解消に向けたスマート農業実証/国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
■事業概要
産地の労働力不足に対応し、強い生産基盤を構築するため、スマート農業技術の実証を緊急的に実施する

■実証課題名
自動収穫ロボットの導入による収穫作業の省力化及び自動化実証PRJ

■実証グループ名/代表機関名
自動収穫ロボットを活用したスマート農業実証コンソーシアム/inaho株式会社

■取り組み内容
自動収穫ロボットをアスパラガス農家へ導入し、収穫作業の自動化/省力化を通じて労働力不足の解消を図る

■inahoの役割
・収穫ロボットの導入、運用・調整(改良)
・収穫ロボットを軸としたサービス提供
・農業大学校の学生向けに教材作成、講義、実習
(教育機関:佐賀県農業大学校/実証地区:佐賀県、佐賀市、太良町)

2:イノベーション創出強化研究推進事業/国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
■事業概要
革新的な技術・商品・サービスを生み出していくイノベーションの創出に向け、「知」の集積と活用の場による研究開発事業の推進を目的に研究を委託

■試験研究計画名(取り組み内容)
アスパラガス生産に働き方改革を!改植技術「枠板式高畝栽培」を基盤とした省力安定栽培システムの開発

■研究代表機関名
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

■inahoの役割
・平畝対応の自動野菜収穫ロボットが枠板式高畝栽培システムでも利用可能となるよう画像診断システムを改良
・枠板式高畝栽培でもビッグデータの蓄積を進め生育診断技術を開発
※:共同研究機関・協力機関として農業関連団体・企業、生産者の計14者で研究グループを構成(代表機関を含む)

3:ものづくりスタートアップ・エコシステム構築事業/経済産業省
■事業概要
ソフトとハードの融合領域におけるスタートアップ(ディープテック系)のエコシステム構築を目的として、スタートアップが、製品の開発や量産化設計・試作の実証等を行う費用の一部を補助する

■プロジェクト名
野菜自動収穫ロボット量産化プロジェクト

■取り組み内容
自動野菜収穫ロボットの開発において、安全性、環境耐性、コスト低減の実現に向けた量産化設計・試作を行う

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