株式会社fruor(本社:東京都港区、代表取締役 CEO:喜多村 若菜)が運営するオンラインキャリア相談サービス「ミートキャリア(meetcareer)」では、2021年利用者の相談内容から、コロナ禍の働く人のキャリアの悩みや傾向を「サステナブル転職」「スキルアップ副業」「大人の自己分析」の3つのキーワードにまとめました。
2021年キャリア相談動向 3つのキーワード
①「サステナブル転職」…… 持続可能な働き方とキャリア
②「スキルアップ副業」…… スキル発掘ニーズ高まる
③「大人の自己分析」…… 30代で行う価値観の整理
①「サステナブル転職」…… 持続可能な働き方とキャリア
2020年から続くコロナ禍でキャリア=生き方を考え直す人が多く、相談件数は増えています(グラフ1)。中でも「働き方を変えたい」という相談が多く、2021年はミートキャリアの強みである「ライフステージをふまえた長期的なキャリア形成」についての相談に加え、「転職活動」についての相談が増えました。
キーワードは「持続可能(サステナブル)な働き方とキャリア」。単なる「年収アップ」転職ではなく、長期的に生活と仕事を持続していくことを考えて「柔軟な働き方ができる会社に転職したい」「何歳になっても働けるスキルを身に着けたい」「自分の強みが活かせる仕事をしたい」と転職を考える人が多くいます。
働き方では、相談者の多くが「在宅勤務が選べること」を条件に挙げています。柔軟な働き方は感染対策の観点だけではなく、自分らしい生活と仕事を持続したいという観点から、強い希望があることが伺えます。キャリア面では、社外でも通用する経験が積めるかという観点も会社選びのポイントになっています。
コロナ前→2021年は3.2倍に コロナ前後での月間平均相談件数比較
<キャリア相談利用者の声>
- コロナ禍で育休取得。元職場に在宅勤務で復職したいと伝えたが、断られた。自分のスキルが活かせ、働き方も合う会社に転職したい(30代)
- 仕事はお金のためと割り切って現職を続けてきたが、自粛生活をする中で自分に海外で働くことへの憧れが眠っていたことに気づいた。どう実現するか迷っている(20代)
- 長期的なキャリアを考え、家庭との両立が可能な仕事に転職したい。何歳になっても転職に困らないよう自分の強みを伸ばしたいが、自分の強みがわからないので整理したい(30代)
②「スキルアップ副業」 スキル発掘ニーズ高まる
コロナ禍で「会社(組織)に依存しないキャリア形成をしたい」と考える人が増え、副業への関心が高まりました。2021年はさらに企業の副業解禁が進み、副業マッチングサイトなどのサービスも広がったことで、ミートキャリアの相談でも「副業に関心がある」という声が多数聞かれるようになりました。特に収入面だけではなく、スキルアップややりがいを得る目的で副業したい人が多くいます。
一方、「副業をしたいが、自分にどんなスキルがあるかわからない」という相談も多く、副業に踏み出せない実態もあります。そこで、ミートキャリアでは2021年春より、キャリアカウンセラーと1対1のメールで3カ月間、キャリアの棚卸をして個人の持つスキルを見える化し、小さな副業を実践してみる「テキストプログラム副業チャレンジ編」を開始。たくさんの反響があります。
2021年8月にdodaが社会人15,000人に対して行った調査によると、現在実際に副業をしている人は8%とまだ少数ですが、検討中の17.8%を加えると4人に1人に上ります(グラフ2)。自分の強みを可視化する必要があると感じる人は多く(グラフ3)、今後、自身の強みやスキルを可視化した上で、その力を発揮していこうと考える人たちが増えると予想されます。
グラフ2 副業をしている8%、検討中18%
グラフ3 96%が「自分の強みを可視化する必要がある」
③「大人の自己分析」 30代で行う価値観の整理
キャリア=生き方を考え直す過程で、転職前に限らず、自分の価値観を見直したいと自己分析に取り組む人が増えています。ミートキャリアでは、キャリアカウンセラーと1対1のメールで3カ月間、自分の強みや大切にしたい価値観を言語化する「テキストプログラム自己分析編」の受講者が30代を中心に増えています(グラフ4)。
背景には「自分が人生やキャリアでどうしていきたいかわからない」人が約8割に上る、いわゆる「キャリア迷子」の実態があります。特に、10年程度の社会人経験を積んだ30代は昇進や転職、出産といった働き方やキャリア形成に変化のある“転機”が訪れる頃です。転機や社会の急速な変化を経験する中、30代でキャリアの方向性に迷い、価値観を整理したいと考える人が多いようです。
自身の価値観や強みを知ることは、キャリアを自分でつくる“キャリア自律”の一歩であり、人生100年時代やVUCA(予測不可能)の時代を生きる武器となります。今後、学生の就活時だけでなく、社会人になってからも定期的なキャリアのメンテナンスとして「大人の自己分析」の必要性が増すと思われます。
グラフ4 30代を中心に自己分析編の受講者数増える
2022年予測 企業は個人の「キャリア自律」を支援する存在に
社外でも通用するキャリアをつくりたいと考える人は増え、2022年も「サステナブル転職」 「スキルアップ副業」 「大人の自己分析」の傾向は続くと思われます。そして、柔軟な働き方や個人のキャリア自律を支援する企業が支持されるようになるでしょう。
ミートキャリアでは2021年、法人向けの社員キャリアカウンセリングサービスの導入や問い合わせが増えました。今後、社員が自社で力を発揮しつつ、社外も含めた自律したキャリアを選択することを後押ししたり、社員が社外で副業をすることをポジティブに捉える動きが加速すると思われます。
ミートキャリアは働く人が気軽にプロにキャリア相談ができる環境をつくり、誰もが自分らしい働き方を実現できるようサポートして参ります。