顧客体験を起点に企業変革を前進させるデザインカンパニーの株式会社グッドパッチ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:土屋尚史、証券コード:7351、以下「グッドパッチ」)が運営するデザイン人材のキャリア支援サービス「ReDesigner(リデザイナー)」は、デザイナーのキャリアや働き方のトレンドを可視化する調査「ReDesigner Career Trend Report」を公開しました。
『ReDesigner Career Trend Report 』
https://redesigner.jp/contents/career-trend-report
要約
- ReDesignerがデザイナーのキャリアや働き方のトレンドを可視化する調査「ReDesigner Career Trend Report」を公開した
- デザイナーの年収のボリュームゾーンは400万円以上〜500万円未満である一方で、職種間の年収帯の乖離が広く、デジタルプロダクトデザイナーの年収が高い傾向であることが分かった
- 転職を決断したきっかけに大半が「スキルを伸ばすため」を挙げており、ビジネスにおけるデザイナーに求められるスキルの多様化に伴った、キャリア意識の変化が考えられる
- コロナ禍を契機に企業の勤務形態の多様化する中、満足度が高い働き方はフルリモート(週0日)もしくは週1〜2日。出社頻度が週3日以上になると満足度が急激に低下する
調査の背景
ReDesignerは2018年にデザイン人材に特化したキャリア支援サービスとして誕生して以来、多くの企業とデザイナーの間に立ち、採用・キャリア支援を通じて、企業におけるデザイン投資や、デザイナー自身のキャリアに向き合ってきました。
サービスを展開する傍ら、2020年以降、ビジネスにおけるデザインの役割の変遷をデータで明らかにするため、5回にわたり企業のデザイン投資を大規模調査した年次レポート「ReDesigner Design Data Book(以下、デザインデータブック)」を公開しています*1。調査を通じて、企業側のトレンドとしてデザインに求める役割の広がりやデザイナーに求めるスキルの変化、デジタルデザイン領域だけでも職種が多様化している実態が浮き彫りになっている一方、デザイナー自身のキャリアや年収、働き方などの変化については、企業側へのアンケート調査やReDesigner上の機能「デザイナータイプ診断*2」を活用した傾向分析のみでは測ることが難しい実態がありました。
また、企業とデザイナーの間に立つReDesignerだからこそ、デザイン業界を俯瞰して状況を把握し、デザイン業界の発展や、企業におけるデザイン人材の活躍の可能性を広げることができると考え、今回、ReDesignerに登録しているデザイナーへアンケート調査を行い、回答結果をまとめました。
*1:デジタルデザイン業界のトレンドを可視化する年次調査 「ReDesigner Desgin Data Book 2024」を公開(2024年6月27日)https://goodpatch.com/news/redesigner-design-data-book2024
*2:デザイナー向けキャリア支援サービスReDesigner、「デザイナータイプ診断」を提供開始(2022年9月15日)https://goodpatch.com/news/redesigner-designer-type
調査結果サマリー
【 年収のトレンド 】
職種間の年収差が大きく、デジタルプロダクトデザイナーの年収帯が高い傾向
- デザイナーの年収のボリュームゾーンは400万円以上〜500万円未満
- 職種による年収帯の乖離は大きく、グラフィックデザイナーの69.1%は年収400万円未満である一方、デジタルプロダクトデザイナーの半数近くが年収700万円以上に
【 転職動向 】
- 最初の転職は20代後半(25〜29歳)で行うケースが多く、70.7%以上が転職で「年収が上がった」と回答
- 転職経験者の半数以上が転職決断したきっかけ・理由に「スキルを伸ばすため」と回答。次いで「会社の将来に不安があった」「給与・待遇を上げるため」となっている
- 転職先として前向きに検討する企業群として、相対的に年収800万円以上のデザイナーは新規事業に対する関心が高い結果に(全体24.9%、年収800万円以上:37.3%)
【 リモートワークのトレンド 】
- 正社員・契約社員デザイナーのうち、フルリモート勤務は全体の31.3%
- リモートワーク頻度の満足度は、出社頻度が高くなるにつれ満足度が下がる傾向。フルリモートでは95.0%、週1〜2日程度出社は77.3%が満足と回答しているが、週3〜4日程度出社になると40.0%と一気に低下する
- 希望の出社頻度は週1〜2日が最多(43.0%)。次いでフルリモート(38.7%)、週3〜4日(14.6%)、週5日(3.7%)となり、出社頻度の低いハイブリッド勤務を希望するデザイナーが多いことが分かる
調査結果を受けて ReDesigner事業責任者 宮本 実咲
ReDesignerはデザインデータブックを通して、5年間企業のデザイン投資トレンドを追ってきました。一方でデザイナーのリアルに迫る調査は、今回が初めての試みとなります。
デザイナーと言っても、役割が多様化した結果、職種によってトレンドが大きく異なる結果となりました。中でも、デジタルプロダクトデザイナーの年収帯においては、48%の方が700万円以上と回答しており、他の職種と比べても高い数字となっています。
昨今、大手IT企業のリモートワーク事情がピックアップされることが多い中、デザイナーの声としては、週3日以上の出社は満足度が下がる傾向となりました。こうした満足度は企業へのエンゲージメントにもつながります。デザインデータブックの結果と照らし合わせると、デザイナーの採用や定着に苦戦している企業が非常に多く、企業側とデザイナー側、双方にとって、出社とリモート両方のメリットを生かした工夫の余地があると感じる結果となりました。
年次で調査を行い、発表しているデザインデータブックに続き、デザイナーのリアルな声を届ける本調査「ReDesigner Career Trend Report」も今後、定期的に行い、発表していきたいと考えています。
ReDesignerは、本調査の結果をReDesigner導入企業・デザイナー双方のユーザー体験向上に役立てるほか、企業におけるデザイン人材採用・育成の課題やデザイン人材のキャリア形成における課題に向き合い、デジタルデザイン業界の発展とデザインによる価値創造に貢献していきます。
調査結果レポート
レポート全文は以下のURLよりご覧いただけます。
出典:「ReDesigner Career Trend Report」
https://redesigner.jp/contents/career-trend-report
【レポート記載内容】
・回答者基本情報
年齢(年代)/所属(事業会社・クライアントワーク・フリーランスほか)/年代×所属/職種
・年収
年収レンジ/年収レンジ(年代別)/年収レンジ(所属別)/年収レンジ(職種別)
・転職動向
年代別経験企業数/転職による年収変化/年収変化×職種(事業会社・クライアントワーク別)/転職のきっかけ・理由/転職活動の不安/転職により実現したいこと
・キャリア動向
転職先の検討企業群(年収別・年代別)/転職先の検討事業規模(年収別・年代別)/転職先の検討事業領(年収別・年代別)/働きたい企業ランキング/興味があるキャリアパス(職種別)/転職検討時の企業研究手段(年代別)
・副業動向
副業経験/副業年収レンジ(本業年収レンジ別)/副業稼働時間(本業年収レンジ別)
・リモートワーク動向
リモートワーク状況/リモートワークの満足度/リモートワークの希望
・職種別トレンド
以下11職種別の年齢・年収レンジ
UIデザイナー/UXデザイナー/デジタルプロダクトデザイナー/コミュニケーションデザイナー/Webデザイナー/Webディレクター/グラフィックデザイナー/アートディレクター/クリエイティブディレクター/デザインマネージャー
■調査方法
【調査期間】2024年7月31日〜2024年8月15日
【調査方法】インターネットアンケート
【調査対象】ReDesignerユーザー
【有効回答数】406名