福岡県嘉麻市において、市民による本格的な持続可能型地方創生を行うべく、全国でも新しい試みである市民会社「株式会社かま」が設立された。
嘉麻市が市町村合併した2006年の人口は4万5千人、2010年では4万2千人、現在の2017年においては3万7千人となっており、人口減少が喫緊の課題とされていた。
「株式会社かま」の創立のきっかけは、2016年9月に始まった福岡財務支局主催の「九州の未来力2030~地域金融ワークショップ」。「地域金融×地方創生」がメインテーマであり、九州北部の地域金融機関、民間企業等より、2030年の将来を担う現役メンバー30名が招集され、毎月1回、計5回のワークショップにより、持続可能型地域に向けた様々なアイデアが提言された。今回のプロジェクトも、その提言の中のひとつとなっている。
【20年長期計画による実施事業(一部抜粋)】
■他の自治体の希望の星になる
嘉麻市をサンドボックス(実験場)とし、規制緩和・特区を実現し、できるかできないかではなく、実証実験を行う。嘉麻市と同じような何の特色もない他の地域でも、同じことがまねできるよう、地方創生の実用化マニュアルを作成する。
■自動運転等、あらゆるイノベーション実証実験を嘉麻市で行う
実験を通じて、インバウンドを発生させ、新しい技術を街に蓄え、多くの雇用を生み出す。
■地元金融機関とともに、「キャッシュフロー・コンサル・分析・株式管理・M&A・再投資」を学ぶ
■再生可能エネルギー事業を行う
太陽光発電事業に限らず、あらゆる再生可能エネルギー事業に取り組み、効率化を促進し、エネルギーに困らない街にする。
■地域通貨を実施する
最新技術であるブロックチェーン等を用いて、フィンテック事業を確立する。
■地元金融機関のメリットを作る
事業性評価ができる。金融機関が地方創生に携われる。本業の資金繰りやコンサル業務が十分に生かせる。新しいターゲット(市民会社)を育て、高額な長期融資が実施できる。
市民会社には多くの小規模事業者・中小企業がかかわっており、いち早い情報が入手でき、さらなる個人と企業への営業が可能となる。今までになかった、「地方創生には地域金融機関の力が必要であること」を内外に理解させることができる。
■ライドシェア・カーシェアリング事業・福岡空港から嘉麻市までの相互交通 相乗り 乗り場確保
・筑前大分駅・桂川駅・天道駅から嘉麻市までの相互交通確立
・手軽に350円ほどで市内を行き来できる仕組みを作る
・宅配にも活用
・病院の送迎
創立にあたり嘉麻市 赤間市長は、「地方創生の早期達成のため、嘉麻市においては新しい施策を数多く打ち出しており。行政一丸となって、取り組んでいるところです。株式会社かまの活動に期待します。」とコメントしている。
【企業概要】
商号 :株式会社かま
所在地:〒820-0202 福岡県嘉麻市山野875-2
代表者:代表取締役社長 有田 栄公
WEB:http://kama.co.jp