福岡県大牟田市と沖電気工業株式会社(以下OKI)は、大牟田市における人口減少にともなうさまざまな課題の解決および市民サービスの向上を図ることを目的とする包括連携に関する協定を締結したことを発表した。
両者は、平成28年に倉永校区において健康づくりのモデル事業を実施した経緯もあり、今後も本協定に基づき、大牟田市のまちづくりをより一層推進していく。
「まち・ひと・しごと創生法」が平成26年11月に制定され、それ以降多くの地方自治体で人口ビジョンや地方版総合戦略を策定し、地域活性化のための施策を展開している。
大牟田市では、昭和30年代以降、生産年齢人口を中心とする市外流出が続いており、高齢化率は35.1%(平成29年4月1日現在)と全国平均より20年先を行く状況にあった。
そうしたなか、有明海沿岸道路・九州新幹線・三池港の広域的な交通ネットワークの形成をはじめ、多くの企業誘致や環境リサイクル産業などの新産業の創出・育成、市民との協働のまちづくりや地域認知症支援体制の構築、英語教育やESD(注1)(持続可能な開発のための教育)など特色ある教育を推進するなど、今後もまちが発展し続けるために必要となる基礎づくりを着実に進めていた。
一方、OKIは、市町村防災行政無線システムや消防指令システムなど、長年地方自治体向けにシステム提供をした実績を踏まえ、自治体やパートナー会社と共創による地域活性化や雇用創出、地域内移動、防災・減災など、快適で豊かな生活の実現につながるソリューションを提供し、地方自治体が抱えるさまざまな課題解決を支援する取り組みを行っていた。
過去にも大牟田市とOKIは、大牟田市におけるまち・ひと・しごと創生総合戦略および人口ビジョンの策定を進めるなか、平成27年6月以降、人口減少が地域に与える影響の分析や事業展開におけるICTの活用について意見交換を行っていた。そのなかで、平成28年2月から同年5月には、倉永校区においてICTを活用した健康づくりのモデル事業を実施している。
今回の両者による連携協力に関する協定の締結により、今後、具体的な事業展開や実証実験・モデル事業の実施に向けて、意見交換を行いながら取組みを進めて参ります。さらにその成果を踏まえながら、連携を強化していくという。
注1:ESD(持続可能な開発のための教育:Education for Sustainable Development)
平成14年に日本が提案した新たな教育理念。環境、人権、平和などの世界的な課題を自分の問題としてとらえ、自分なりに考え、身近なところから行動し、持続可能な社会づくりの担い手となる人間を、初等中等教育の段階から育成すること。
【大牟田市について】
大牟田市は、福岡県最南部にある人口約11万7千人の都市であり、明治時代以降、三池炭鉱と石炭化学コンビナートの隆盛とともに急速な発展をとげ、わが国の産業・経済の発展に大きく貢献してきました。三池炭鉱は平成9年に閉山しましたが、平成27年7月、日本の近代化を支えた三池炭鉱宮原坑、三池炭鉱専用鉄道敷跡、三池港は、世界的にその価値が認められ、「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録されました。市内には、化学工業や製造業、医療・介護関連業、2つのショッピングセンターなど多様な産業が集積しており、夏の風物詩おおむた「大蛇山」まつり、県南地域唯一の動物園など魅力ある地域資源に溢れています。また、地理的には、九州のほぼ中心に位置し、鉄道や幹線道路、港などの公共交通アクセスも充実しています。
平成29年3月1日に市制100周年の大きな節目を迎え、「人が育ち、人でにぎわい、人を大切にする ほっとシティおおむた」の実現に向け新たな一歩を踏み出しました。
大牟田市ホームページ:https://www.city.omuta.lg.jp/
【沖電気工業株式会社について】
明治14年に創業した日本最初の通信機器メーカーであり、日本で初めて電話機の開発に成功して以来、国産初のコアメモリーを採用したコンピューター発売、世界初の紙幣還流型ATM開発、国産初のVoIPシステム市場投入など情報社会のインフラを支える商品を提供してきました。現在、OKIグループは「情報通信」「メカトロシステム」「プリンター」「EMS」などの事業分野において、常に社会の発展に寄与する最先端の技術・商品、サービスをお客様にお届けし、世界の人々の快適で豊かな生活の実現への貢献を使命に事業を展開しています。
OKIホームページ:http://www.oki.com/jp/