福島民報社は、福島県民の日である8月21日(水)に、福島県と連携し福島の地元紙である福島民報を県民の手から手紙として全国に届ける「おくる福島民報」を発行いたしました。昨年に続き、福島民報の新聞を手紙サイズに折りたたみ、特別なラッピング紙面で包み、郵送できる仕組みを採用しています。また、新聞の包み紙となる表紙面は、福島の4つの地域別で、それぞれの地域の象徴をイラストにした4タイプのデザインを用意しました。
今年の「おくる福島民報」は”イメージの復興”をテーマとして掲げました。昨年度は”里帰り”をテーマに、様々な理由で県外に出てしまった人に里帰りして欲しいという思いを込めましたが、今年は「福島=震災」というイメージが未だにある中で、県外の人にも福島の魅力を伝えたいという思いから今年のテーマを設定いたしました。
そこで、福島県のイメージおよび復興について県内在住または県外在住の1,000人に対し、福島県のイメージや復興に関する意識調査を実施いたしました。調査結果として、福島県民の3人に2人は「県内と県外では福島県のイメージにギャップがある」と感じていることや、県外の人の過半数以上は福島に対して今なお「震災・被災地・原発被害」というイメージを持っていることがわかりました。
さらに、県外の人の8割以上の人が福島県のイメージを決めているのはテレビ番組の影響が大きいと感じていることがわかりました。この結果を受け、福島の魅力を誰よりも知っている地元紙だからこそできる取り組みとして、福島のイメージを形成する上で最も大きな影響力を持つ全国のマスメディアやWEBメディア合わせて約300社に向けて、福島民報から当日の特別紙面を直接郵送いたしました。この取り組みは全国に向けて福島の今、福島の魅力を届けたいという想いから実施が決定いたしました。
また昨年度は、日本で最も歴史と権威があるといわれる総合広告賞「広告電通賞」での総合賞での選出や「カンヌライオンズ 2019」にてダイレクト部門でブロンズ賞に選出されるなど、本取り組みを多くの方々に知っていただく機会がございました。県民の想いが伝わるよう引き続き推し進めてまいります。
意識調査結果
福島民報は「おくる福島民報」の発行にあたり、福島県のイメージおよび復興について県内在住または県外在住の 1000 人に対し、福島県のイメージや復興に関する意識調査を実施いたしました。
①3 人に 2 人の福島県民が、福島県民が抱く福島県のイメージと福島県外の人が抱く福島県のイメージにギャップがあると感じている
「福島県民が抱く福島県のイメージと福島県外の人が抱く福島県のイメージにギャップがあると感じることはありますか」という設問に対して、福島県民の 70%以上が「そう思う」「ややそう思う」と回答しました。
②過半数以上の福島県外の人が福島に対して 震災・被災地/原発被害というイメージを持っている
「”福島県”といえば何を思い浮かべますか。」という設問に対し、福島県外の人の 60%以上が「震災/被災地」または「原爆被害」と回答しました。さらに、「桃」や「猪苗代湖」などの特産品や観光地については 70%以上の福島県民が思い浮かぶと回答しているのに対し、福島県外では約 20~30%の人からしか選ばれていないということが判明しました。
③80%以上の福島県外の人が福島県のイメージを決めているのはテレビ番組の影響が大きいと回答
「福島県に対して震災・被災地や原発被害などのイメージを持っているのは、何の影響が大きいですか。」という設問に対し、80%以上の福島県外の人が「テレビ番組」であると感じていることが判明しました。
「おくる福島民報」とは
福島民報と福島県は、福島県民の日(8 月 21 日)に県外にいる県民宛に故郷の新聞を、購読者の手から贈ることができる「おくる福島民報」を 2018 年より実施しております。
2011 年の東日本大震災から 7 年。福島では、未だに 33,404 人の県民が県外へ避難したまま(復興庁 全国の避難者等の数調査 2018 年 8 月)帰れない状況が続いており、避難以外の理由でも福島を離れる県民も数多くいます。本プロジェクトはそうした県外に暮らす福島県民が、新聞を通じて、地元の情報に触れ、故郷を思い出す機会をつくりたいという思いから始まりました。
「おくる福島民報」には、福島県内を4つのエリアに分け、それぞれの土地をイメージした包装用の特別紙面が添付されております。それぞれの特別紙面は、会津地方をイメージした”磐梯山&猪苗代湖”のデザイン、県北をイメージした”桃”のデザイン、県南をイメージした”松明あかし”のデザイン、浜をイメージした”フラガール”のデザインを用いて福島県外の人に”本来の福島”を思い出していただけるようにいたしました。
<表面デザイン>
<裏面デザイン(メッセージ記入側)>(※2018 年度版)