フリーランスIT人材のマッチングサービス「フリエン」「チョクフリ」を展開するアン・コンサルティング株式会社(本社:東京渋谷区、代表取締役:久利鋭一、以下「当社」という)は、2022年4月22日(金)~4月25日(月)に「企業の業務アウトソーシングとフリーランスの可能性」をテーマとしたインターネット調査を行いました。
■調査背景
慢性的ともいえる企業の人員不足の解決方法の一つに、外部パートナーへの業務アウトソーシングがあります。採用コストをかけられない、採用しても育成するリソースがないなどの問題を抱える企業にとって、業務アウトソーシングは効率のよい方法です。さらに昨今、官民で働き方の多様化に向けた施策が推進される中、会社に勤めながら副業・兼業をする人や、フリーランスとして働く人が増えており、これからは企業が「個人」に発注するケースが増えると考えられます。企業とフリーランスをマッチングする当社は、今後のフリーランスへのニーズを把握するために、企業がアウトソーシングしたい業務領域や、フリーランスに求められることなどを調査しました。
■調査概要
1. 調査方法 :インターネット調査
2. 調査機関 :アン・コンサルティング株式会社
3. 調査対象者:全国の20歳~69歳の男女、企業経営者・役員または会社員で、外部パートナーへの業務委託や採用において決定権がある、または選定に関わる立場にある方
4. 有効回答数:500サンプル
5. 調査実施日:2022年4月22日(金)~4月25日(月)
<調査結果抜粋>
●企業の“人的リソース不足”の要因は「適切なスキルを保有している人員不足」70.5%が最多。次いで「適正な知見を保有している人員不足」47.8%で「業務量に対する人員数不足」46.9%を上回った。
●業務委託(フリーランス)を活用する理由 1位「専門スキルが高い」62.2%、2位「コストが抑制しやすい」49.6%、3位「人材を確保しやすい」45.9%。フリーランスの専門スキルの高さや経験・知見を自社に応用してもらいたいと期待している?
●今後外部パートナーにアウトソーシングしたい業務は「マーケティング」21.5%が最多。SNS活用など新しい手法へのアドバイス・実行のほか、外部パートナーならではの客観的な意見を活用したい意向が見られる。
●外部パートナー選定で重視すること 1位「費用の安さ」63.4%、2位「対応スピードの早さ」61.6%、3位「対応の柔軟性」60.8%。しかし、一つだけ選ぶとしたら「提案レベルの高さ」26.2%を求めていることが判明。
Q1. あなたの会社で人的リソース不足となっている要因についてあてはまるものをすべてお答えください。(複数回答、n=500)
企業が外部パートナーに業務委託をする背景には自社の人的リソース不足がありますが、“人が足りない”と感じる要因を聞くと、最も多い回答は「業務に対して適切なスキルを保有している人員の不足」70.5%でした。次いで「業務に対して適正な知見を保有している人員の不足」47.8%が「業務量に対する人員数の不足」46.9%をわずかに上回る結果となりました。このことから、人員の“数”が足りないというよりも、特定の業務に対して自社が必要とする“スキル”や“知見”を持った人材がいないことが課題であることがわかりました。
人的リソース不足対策としてのアウトソーシングの活用状況を聞きました。これまでに活用した経験のあるアウトソーシングは回答の多い順に、1位「人材派遣」73.2%、2位「業務委託(法人)」67.4%、3位「業務委託(フリーランス)」33.2%となりました。その中で現在も活用している割合は「人材派遣」59.0%、「業務委託(法人)」57.2%、「業務委託(フリーランス)」27.0%でした。
Q3. あなたの会社で「業務委託(フリーランス)」を活用している理由をお答えください。(複数回答、n=135)
※現在「業務委託(フリーランス)」を活用している方
Q2【現在も活用しているアウトソーシング】で「業務委託(フリーランス)」を回答した方へ、フリーランスを活用する理由を聞いたところ、1位は「専門スキルが高い」62.2%となりました。Q1の【人的リソース不足の要因】で「業務に対して適切なスキルを保有している人員の不足」が最多であったことからも、企業はその時々で必要な業務に対して適切なスキルを保有する人材を求めていることがわかります。その中で、高い専門スキルを持った個人(フリーランス)に業務を委託し、彼らが持つ経験や知見を自社に応用してもらいたいと考えているのではないでしょうか。
Q4. あなたの会社で現在外部パートナーにアウトソーシングしている業務をお答えください。(複数回答、n=500)
現在外部パートナーにアウトソーシングしている業務TOP3は1位「社内インフラ関連」23.4%、2位「財務・会計・経理」20.6%、同率3位「サイトやSNSの構築・運営」「クリエイティブ制作」19.2%でした。
Q5. あなたの会社で今後外部パートナーにアウトソーシングを活用したい業務をお答えください。(複数回答、n=307 )
※今後アウトソーシングを活用したい業務はないと回答した方を除く。
現在はしていないが、今後外部パートナーにアウトソーシングを活用したい業務TOP3は1位「マーケティング」21.5%、2位「クリエイティブ制作」15.3%、3位「サイトやSNSの構築・運営」14.3%となりました。「その他」では「システム開発」、「DX化へのコンサルティング」などが回答されました。
Q6.現在外部パートナーに「マーケティング」をアウトソーシングしている、または今後したいと回答した方にお聞きします。具体的にどのような業務を依頼したいですか。(自由回答、n=156)
●主にSNSなどWebマーケティング分野でのマーケティング活動。
●外部の方にSNSマーケティングをお願いし、リードを増やしたいと思っている。
●カスタマーリレーションに関するKPI設定、ツール開発および効果測定についてのアドバイス。
●デジタルトランスフォーメーション関連のアウトソース。
●市場動向調査にかかわるデータ収集と分析業務。
●コロナ後の市場動向を適切に読み当社の商品のマーケット分析を行ってもらいたい。
●自社でできていない、得た情報の適切な把握と対応。
●外部のフラットな視点でのマーケティング。
●新しい発想が欲しい。
今後外部パートナーにアウトソーシングしたい業務1位の「マーケティング」について、具体的に依頼したい内容を聞いたところ、SNS活用など比較的新しいWebマーケティング手法についてのアドバイスや施策実行を依頼したいという回答が多く挙げられました。また、取得した市場データや顧客データの分析や活用について、外部の視点からの客観的な意見を活かしたいといった声も多く、社内では見えない“気づき”を外部パートナーに期待していることもうかがえます。
Q7. あなたの会社で外部パートナーを選定する際に重視することをお答えください。(複数回答、n=500)
その中で最も重視することをお答えください。(単数回答、n=500)
外部パートナー選定で重視することを複数回答で聞くと、1位「費用の安さ」63.4%、2位「対応スピードの早さ」61.6%、3位「対応の柔軟性」60.8%が上位となりました。しかし、回答した項目のうち最も重視することを聞くと、1位は「提案レベルの高さ」26.2%となりました。企業が外部パートナーに最も求めているのは“提案力”であることが明らかとなり、今後フリーランス人材が活躍するためには、自身の経験や知見を活かして、クライアントが気づかずにいた課題や解決手段を提案する力が重要であることがわかりました。
<総括>
今回フリーランスに発注する企業側が「フリーランス」についてどう考えているのか、今後の活用方法について意識調査をしたところ、自社の人的リソース不足の要因として、「適切なスキルを保有している人員がいない」との回答が約7割にのぼりました。今後アウトソーシングを活用したい業務は「マーケティング」が最多で、DXやSNS対策関連など専門的知見が問われ、変遷も速いマーケティング領域については、社内での適任な人員確保が特に難しいと感じていることがうかがえる結果となりました。今後スキルや経験を持った「フリーランス」の活躍の場が拡がる職種の一つかもしれません。
「フリーランス」は社内での教育の必要はありません。他の現場で豊富な経験をしているため、保有しているスキルを即戦力として活かすことができるのです。以前はセキュリティ面などでフリーランスへの業務委託を躊躇していた企業も、世の中でフリーランスの活用事例が増えたことで不安が減り、企業側のメリットについても理解が進み、フリーランス活用に対する意識が変化してきているのではないでしょうか。
当社創業のきっかけは「フリーランスという働き方を普及していきたい」という思いからでした。
フリーランスという働き方の認知度が高まった今、これからは企業にはより安心してフリーランスを活用していただけるように、また、働く人々にも新しい働き方の一つとして「フリーランス」を前向きに検討いただけるよう、サービス向上に努めて参ります。