株式会社クリエイト(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井崎貴之)は、全国のUターン・Iターン(以下、U/Iターン)をして地方就職している20代~40代の男女500名を対象に、「Uターン・Iターンによる地方就職事情調査」を実施しましたので、その結果をご報告します。
本調査では、地方就職をしたきっかけや、時期、不安に思っていたこと、満足度などについて調査。約4人に1人が入社3年未満のうちにU/Iターン就職をしていたことや、20代の8割以上が地方就職に満足していることが明らかになりました。また、補助金・助成金についても約4人に1人が受け取っていることが判明。合計金額はおよそ30万円以上50万円未満でした。地方就職者の実情がうかがえる調査結果となっています。
※地方:三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)を除いた地域
Uターン:一度生まれ育った場所以外で勤務したのちに、再び出身地に戻って働くこと
Iターン:生まれ育った場所で勤務したあと、出身地以外の場所に移住して働くこと
調査結果 トピックス
1.約4人に1人が入社3年未満で地方に転職!6割以上が「早めにした方がいい」
早めが良い理由「地域に馴染むのに時間がかかる」「早くから仕事を始めた方が出世もしやすい」
U/Iターン就職のきっかけ Uターン「住み慣れた土地で働きたい」Iターン「実家から離れて自立したい」
2.約8割が地方就職に不安があった。不安に思っていたこと1位「給料が少ない」
一方、20代の8割以上が地方就職に「満足」と回答!
満足している点1位 Uターン「実家または実家近くに住める」Iターン「給料」
3.約4人に1人が国・自治体・民間企業などからの補助金・助成金を受け取っている!
合計金額はおよそ30万円以上50万円未満
4.地方就職して驚いたエピソード10選!「同じ県でも方言が違う」「野菜が玄関前に置いてある」
1.約4人に1人が入社3年未満で地方に転職!6割以上が「早めにした方がいい」
まず、U/Iターン就職をしたきっかけについて調べました。Uターンは、「住み慣れた土地で働きたい(37.4%)」が最多で、次に「実家から通勤したい(19.5%)」という回答が多く、地元の居心地の良さを理由にUターン就職を決めた人が多いことが分かりました。一方で、Iターンでは、「実家から離れて自立したい(17.5%)」が最も多く、Uターンとは真逆の結果に。「自然豊かな環境で働きたい(12.9%)」や「恋人・パートナー・友人がいる、離れたくない(12.9%)」といった回答もあり、地方ならではの環境や人間関係がIターン就職をした理由の一つになっているようです。
続いて、U/Iターン就職したタイミングについて尋ねると、「入社10年以上15年未満(14.6%)」と、一定キャリアを積んだ後に転職する人が多くいました。しかし、「入社1年未満(11.4%)」という回答も1割を超えており、「入社3年未満」でデータを見ると、およそ4人に1人が入社3年未満という早い時期からU/Iターン就職を経験していることが分かりました。また、UターンとIターンで比較すると、UターンはIターンよりも早いタイミングで行動に移していることがうかがえました。
では実際、U/Iターン就職は早めにした方が良いのでしょうか。尋ねてみると、U/Iターンどちらも6割以上が「そう思う」「どちらかというとそう思う」と回答。早めにした方が良いという意見が多数派でした。年代別に見ても、20代から40代まで「そう思う」「どちらかというとそう思う」を回答した人の割合はほぼ同数という結果に。社会人歴が長く経験も豊富な40代の人からしても、早めに始めた方が良いと思っていることが分かりました。その理由には、「地域に馴染むのに時間がかかるから」「早くから仕事を始めた方が出世もしやすいから」「家庭を持つと自由にできないから」といった意見が挙げられました。
<早めに始めた方が良いと思う理由>
・早ければ早いほど選択肢が増える(27歳男性・栃木県)
・経験になるから(25歳女性・富山県)
・仕事の慣れや気力を考えると、若いに越したことはない(43歳男性・栃木県)
・早くから仕事を始めた方が出世もしやすいから(47歳男性・宮城県)
・地域に馴染むのに時間がかかるから(47歳男性・静岡県)
・女性はとくに結婚、出産等の時期がかぶると大変なので(36歳女性・鳥取県)
・年齢重ねてからの転職は条件が悪くなる(44歳女性・香川県)
・家族が増えると自由がきかなくなる(41歳男性・北海道)
反対に、早めにする必要はないと思っている少数派に理由を聞くと、「ある程度キャリアを積んでからの方が良い」「いつでも始められるから」といった意見が目立ちました。
<早めに始める必要はないと思う理由>
・社会人1年目は大変なことも多く心が折れかけるので、ある程度基礎スキルが固まってからの方がいい。ただ若い方が適応力もあるので、遅すぎるのも良くない(27歳女性・佐賀県)
・ある程度キャリアと実績を積んでから地方で能力を活かした方が良いと思う(48歳女性・山形県)
・田舎に帰ると収入が減る可能性があるので、都会で十分貯蓄をしてきた方が良い(49歳男性・青森県)
・自分が好きな時にした方が良いから(36歳女性・静岡県)
・その気になれば、いつでも始められるから(44歳男性・大分県)
2.約8割が地方就職に不安があった。不安に思っていたこと1位「給料が少ない」
一方、20代の8割以上が地方就職に「満足」と回答!
次に、U/Iターンで地方で就職することへの不安について調査しました。その結果、地方就職に不安を抱えていた人は約8割にも及ぶことが分かりました。不安に思っていたことについては、各年代とも「給料が少ない」に票が集まり、それぞれ約半数の人が給料の低さを不安視していたことが明らかになりました。また、20代では30代・40代に比べて「職場で人間関係を上手く築けるか(38.9%)」や「企業の知名度が低い(30.6%)」という点を気にする人が多いことも判明しました。
様々な不安を抱えていたことが分かりましたが、実際に地方就職してみてその実情はどうだったのでしょうか。地方就職に満足しているかを聞いたところ、全体の7割以上が「とても満足している(18.0%)」「満足している(56.8%)」と回答。なかでも、20代の満足度は8割を超える結果になりました。
U/Iターン別に満足している点について調べると、どちらも2番目に「職場での人間関係」という回答が挙がりました。また、不安に感じている人が多かった「給料」については、Uターンでは5位に、Iターンでは1位という結果に。就職前に抱えていた不安は解消されているようです。また、「生活にかかるコスト」という回答も多く、地方就職の大きな魅力の一つであることがうかがえました。
3.約4人に1人が国・自治体・民間企業などからの補助金・助成金を受け取っている!
合計金額はおよそ30万円以上50万円未満
満足度の高かった地方就職ですが、地方就職時は転居や新生活の準備に何かとお金がかかるもの。そこで、国・自治体・民間企業などからの補助金・助成金を受け取った人がどれくらいいるのか調査しました。その結果、約4人に1人が「受け取った(24.0%)」と回答。Uターンは26.1%、Iターンは19.9%が補助金・助成金を受け取っていることが明らかになりました。
受け取ったおおよその合計金額は、「30万円以上40万円未満(17.5%)」「40万円以上50万円未満(17.5%)」という回答が最多でした。U/Iターン別に見ると、Uターンは「30万円以上40万円未満(19.8%)」、Iターンは「40万円以上50万円未満(23.5%)」という回答が多いことが分かりました。
4.地方就職して驚いたエピソード10選!「同じ県でも方言が違う」「野菜が玄関前に置いてある」
地方就職は、自分が知らなかった、気が付かなかった新たな文化・風習に触れられる機会でもあります。最後に、地方就職して間もない頃に驚いた、その地域ならではの文化・風習について聞いたところ、生活を一変させる出来事や人との距離感の近さが垣間見えるエピソードが寄せられました。
<地方就職して驚いたこと>
・同じ県でも方言が違った(29歳女性・長野県)
・交通系ICカードが使えない(30歳女性・山口県)
・カープを知ってることが常識(38歳男性・広島県)
・冬は除雪作業が生活を一変させる(39歳男性・北海道)
・社員食堂で讃岐うどんのメニューがある(40歳男性・香川県)
・怒っているような話し方だけど、本当は優しい人が多かった(45歳女性・茨城県)
・同僚の名前を苗字ではなく、下の名前で呼ぶこと(49歳女性・沖縄県)
・飲み会に行く前に皆一旦家に帰る。直接会社から行かない(47歳女性・鹿児島県)
・野菜が玄関前に置いてある(47歳女性・茨城県)
・阿波踊りの時期は交通規制があるほど混雑する(37歳女性・徳島県)
■調査概要
・調査テーマ:Uターン・Iターンによる地方就職事情調査
・調査方法:WEBアンケート調査
・調査対象者:全国の20代~40代男女 500名
Uターン・Iターンをして地方就職している有職者
・調査実施日:2023年3月24日~28日
・調査主体:株式会社クリエイト
・調査機関:株式会社ネオマーケティング