奈良県、宇陀地域公共交通活性化協議会(以下「宇陀地域協議会」)、奈良交通株式会社(以下「奈良交通」)、ヤマト運輸株式会社(以下「ヤマト運輸」)は、過疎化や高齢化が進む中山間地域等におけるバスの生産性向上と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的として、路線バス・コミュニティバスで宅急便を輸送する「客貨混載」を10月1日より実施する。
本事業は、本年10月1日から来年3月31日まで6ヵ月間、奈良県内の2つの地域(天川地区・奥宇陀地区)で社会実験として行うもので、路線バス・コミュニティバスで宅急便を輸送する「客貨混載」は奈良県では初めての取り組みとなる。
なお、天川地区については奈良県の予算事業「公共交通基本計画推進事業」により実施し、奥宇陀地区については奈良県の予算事業「安心して暮らせる地域公共交通確保事業」を活用して、宇陀地域協議会が実施する。
近年、全国の中山間地域等で過疎化や高齢化が進む中、奈良県内においても過疎化や高齢化が進んでおり、住民の生活交通手段である公共交通の維持・確保・活性化が課題となっていた。
本取り組みにより、地域のバス路線網が維持され、安定的に路線バス・コミュニティバスを利用できることで、地元住民の生活基盤の維持・向上につながる事が期待されている。
また奈良交通は、路線バス・コミュニティバスの空きスペースで宅急便を輸送することで、バス路線の生産性が向上し、バス路線網の維持につながる新たな収入源の確保が見込まれ、ヤマト運輸は走行距離と時間が削減され集配時間も拡大されるという。今後は社会実験の結果を踏まえ、本格実施への移行を検討していく。