起業する場合「自分で判断する仕事がしたい」「収入を増やしたい」などいろんな理由がありますが、「自分の好きを仕事にしたい」と思う人も多く存在します。今回は、そんな人に人気のカフェの開業について、注意するポイントや成功の方法を紹介しましょう。
本当にやり遂げたいのか気持ちを確認しよう
カフェの開業は、幅広い年代の人に人気の高い起業の1つです。自分自身が居心地がよい空間で、好きなコーヒーやお茶、スイーツなどの一品を提供し、来てくれるお客様にもその空間を楽しんでもらう。とてもやりがいを感じたり、やってみたいと思ったりする人が多いのでしょう。定年でリタイアした後に「これからは自分のしたい仕事をしたい時間にするんだ」と思って始めるという人の話もよく聞きます。
しかし、「自分の思いばかり」「自分がやりたいという気持ちばかり」で行うと、成功するのが難しいのも事実です。実際に始めてみると、自分がこだわりたかった空間などという部分ではなく、チラシをつくって撒くとか、従業員のパートさんのシフト調整とか、役所への届け出とか、カフェ経営というのは、小さな細かい作業の連続です。休みを取れば、その分家賃だけが出ていくし、借金もかさむかもしれない。開業すると本当に大変なことが多いでしょう。それでもあなたはやってみたいでしょうか？ 自分の気持ちを確認しておくことが大切です。
「やりたい」よりも「何が求められているか」が大事
次に、最も大事な視点である「お客様に求められていることのほうが重要だ」ということを常に忘れず行動するという点がポイントです。カフェを開きたい、と思う人には「こんなコンセプトのカフェをやりたい」「自分が大事にしたい空間は、こんな空間だ」というようなこだわりがあることが多いものです。
せっかく自分がやりたいことを起業して行うわけですから、自分に合ったこだわりも必要ではありますが、それよりももっと重要なのは立地や周辺の競合店がどうなっているか、どんなものがお客様に求められているのか、よく調べることです。多くの人が「自分が好きなこと」をすごくアピールして伝えようとしますが、「お客様のニーズ」に合わないとその店には人は来ません。自分が店を出そうと思う地域で、さまざまな年代の人にアンケートを取りましょう。この付近なら１杯いくらのコーヒー店に人が入っているか、飲みに行きましょう。また、知り合いの人でもよいので、どんなカフェに行こうと思うか、多くの人に意見を聞いてみてください。
お金をかけすぎない
次に大切なポイントは、開業のための資金を調達することと内装にお金をかけすぎないことです。開業するために、いくら資金が必要か、しっかりと計算しているでしょうか？ 一般的には、カフェの開業には500万円～1000万円の資金が必要だといわれています。その資金は、貯金で賄うことができそうですか？ 大丈夫ならよいのですが、カフェという業態は特に、自分が望んだ空間にしたい、と内装にお金をかけがちです。集客に効果的なのは、どちらかというと「立地」です。立地にお金をかけるのか、内装にお金をかけるのか、よく考えてみてください。
また、自己資金でお金が足りないようなら、資金を調達する必要があります。親や兄弟などから資金を借りる、または、贈与してもらう、という方法もありますが、金融機関からの調達の方法がありますので、資金を外から確保したい人は参考にしましょう。初めて開業する場合は、都市銀行などに行っても融資は難しいので、日本政策金融公庫という政府機関から借りるとよいでしょう。創業時には非常に借りやすくなっていますし、一定金額までは無担保保証も可能です。もちろん、自分の貯金で賄えればよいのですが、難しければ金融公庫に行って相談してみてください。
試験的にやってみる
最後に、おすすめの方法は、「試しにやってみる」ことです。強い気持ちがなく、趣味的にちょっとカフェをやってみたい人にもおすすめですが、カフェで働いた経験はないけれども真剣にやってみたい、という人にとっても、まずは「レンタル」で試してみることは、非常に価値があります。
今、社会には多くの「レンタル」のしくみがあります。カフェの機材を１日だけレンタルしてやってみる、ということもできますし、週末や店の定休日だけカフェをやってみる「レンタルカフェ」もありです。1回、2回でもよいので、集客を計画的に行って試してみてはどうでしょうか？ また、自宅を使って自分の空いている曜日だけ行うことができそうならそれも考えてみてはいかがでしょうか。
試しにやってみる点のよい所は、資金がほとんどかからないということです。できるだけ経費をかけずに、まずはカフェがどんなものなのか、どんなことを用意する必要があるのか、お試しで実感してみてはどうでしょう。きっとカフェ経営についての多くの気づきや発見があるはずです。そこから継続的な成功のポイントが見えてくるでしょう。
