よくキャリアコンサルタントの筆者のもとにも「独立して自分でやりたい」という相談が来ます。今回は、そのように独立開業して成功するためには、まず何をすべきなのかについて役立つ情報をお伝えしたいと思います。
1．まず大切なのは目標を持つこと
第一に大切なのは目標を持つことです。「独立したい」という人によくあるのが、「何か自分でやりたい」というケースです。なぜ独立したいのでしょうか？独立して何がやりたいのでしょうか？漠然としている、という人は、この２つの質問について書き出してみましょう。
たとえば筆者が独立したときのことですが、きっかけは会社の事業再編で社内の自分のポジションが変わることになり、自分のやりたい「人材を育てる」「働く人のキャリアを支援する」という仕事が社内ではできなくなることでした。この場合、やりたかったことは「人材開発やキャリア形成の仕事」ということになります。みなさんにはそういった明確なやりたいものはあるでしょうか。
もし「〇〇はしたくないから」という回避する、避けることが理由の人は、そこからやりたくないことを消去していくのも１つの方法です。「では、やりたいことは何なのか」に行きつくまで多くのことを消去していってください。
2．お金が欲しいからが目的の場合
中には「お金を稼ぐために独立したい」という人もいるかもしれません。確かにそれも重要な目的の１つですよね。しかし、お金を得るためには「何の事業をして稼ぐのか」を考える必要があります。あなたの言う「お金を稼ぐ」はいわゆる不労所得のことでしょうか？長期的には労働をせずに収入が入ってくるようにしくみを整えることは確かにできます。ただ、多くの場合、ある程度の資金が必要です。あなたがそこにいくら資金をつぎ込むことができるでしょうか？不動産投資、株式投資、先物取引などには、非常に少なくても１００万以上、独立開業しこれ一本で稼いでいくとなると少なくとも数百万以上の資金が必要となります。
また、お金を得られるなら内容は何でもよいでしょうか？不労所得を得られる事業を始めるとしても、最初はコツコツとした勉強や調査が必ず必要です。あなたがその努力をできる、モチベーションが続くものを選ばないと、結局あまり稼げず成功しない、ということになりかねません。お金が目的の場合も、こういった資金の計画や、何のビジネスならよいのか、それはなぜか、どのように勉強や調査を始めていくかについて明確にすると、その内容が具体的に進められそうか、長期的な時間がかかりそうなのか、とても漠然としていて今のままでは絵空事になってしまうのかが分かってくるはずです。
３．やりたいことが見つかったら
では、どんなことで独立したいかが見つかった場合はどうでしょうか。「成功するために」次に行うことは、具体的な計画を立てることです。実は開業する、ちょっとやってみる、ということなら割合と簡単です。たとえば「自分の好きなビーズのアクセサリーをたくさん作ってスマホの販売アプリに写真を載せて売る」のを始めてみるのは、Ｗebビジネスが発達した現在すぐできることですよね。
しかし、仕入れにいくらかかっているのでしょうか？どの位の利益が出て、あなたの生活を維持していけるだけ、それ以上に売れるには毎月何個位製作し、どれ位売ればよいのでしょうか？そのためにどんな宣伝やブログ投稿などの活動をしますか？「成功する」というのは長期間一定の利益を出し続けることができることです。そこに向けて資金面、事業の内容面、マーケティング面と３年程度の長期的な計画をぜひ紙に書いてみましょう。詳細なものでなくてもよいのです。視覚化してみて、足りない部分を確認することから始めましょう。
４．コツコツ地道に行動する
その後に大切なのは「行動する」ことです。あなたが選んだものがどんなビジネスでも資金とマーケティング（販促活動）とビジネスの内容面を構築していくことは必要なので、「〇年後、〇か月後にはここまでにする」と目標を決めてコツコツ進みましょう。その事業で利益を出していくのに時間がかかるようなら、短期的に派遣などの仕事もやりつつお金を確保しながら進むことが必要な場合もあります。
筆者も最初は資格の勉強をして取得したり、研修の練習で話すことを何度も行ったりしながら単発のアルバイトなどもしていました。それでも、そこがメインになってしまうのではなく、やりたい仕事を増やしていくのが目標なんだ、と軸は明確にしながら行動していくことが成功には重要です。個人事業主の人は青色申告の控除も所得税が大幅に還付されるメリットがありますのでぜひ活用することをおすすめします。
独立開業して事業を続ける、ということは、組織内にいるときと違って、全ての責任を自分が負う必要があるということです。自由な反面責任は重くなります。開業の成功にはそのリスクを負えるだけの目標意識が必要なのです。
