20代、30代の女性からの相談で多いものに「結婚の予定があるけれど、将来のキャリアを考えたら両立できる仕事に転職したほうがいいのだろうか」という悩みがあります。今の仕事が忙しく続けていけないのでは、という不安から来る相談です。今回は、女性が仕事と家庭・育児を両立させるには、現在の仕事を続けるべきなのか、辞めるべきなのか両方のメリット・デメリットや役立つ情報をお伝えします。
1.続ける場合のメリット
基本的にはそれぞれは相反していることが多いので、一方のメリットはもう片方のデメリットでもある、という点が多くなっています。
まず今の仕事を続ける場合「昇給してきた収入はある程度そのまま得ることができる」というメリットがあります。転職する際同じ業界や職種の仕事に変わるか、キャリアチェンジするかにもよりますが、この場合は両立を念頭に入れるので、職種を変更しようとすることが多いでしょう。すると、未経験の職種ということになり今まで積み重ねてきた能力を使っての転職ではないので、収入は下がりがちになります。
また、「育児休暇が取りやすい」というメリットもあります。「今の会社では休みを言い出しづらい」と思っている人がいるかもしれませんが、転職し新しい環境ですぐに「育休が取りたい」と言うほうが要望しにくいのではないでしょうか。現在の会社と転職する会社の規模や業種によって状況は様々でしょうが、女性活躍推進の機運が高まってきている現状、社会の情勢もどんどん変化してきています。数年前よりも、自分から声を上げれば、育児休暇については法律的にもちろん権利がありますし、気持ち的にも取りやすくなってきていると思ってよいでしょう。
2.転職する場合のメリット
では、転職のメリットはどうでしょうか。1つに「自分で働き方を選べる」ことがあります。この悩みを抱えている多くの女性のみなさんは、仕事が忙しい正社員で、転職する場合「残業が少ないなど働く時間が短く両立がしやすい」職場を選択したい人がほとんどでしょう。人材紹介エージェントや、転職求人サイト、人材派遣会社などを使って働き方を吟味するのではないでしょうか。現在の仕事より時間がきっちり終わる仕事や、楽になる仕事を自身で選ぶことはできるでしょう。
また、今の仕事の内容に満足していない場合「やりたいことを仕事にできる」というメリットもあります。もちろん実際にその仕事に就けるか、という問題はありますが、やりたいことに向かって活動するチャンスは出てきます。
3.どちらでも必要なのは計画性と楽観性
仕事を続けるにしても、転職するにしても、必要なのは「先を見越しての計画性」と「なんとかなるさの楽観性」の両方だと筆者は考えます。計画性という意味では、ぜひすぐ数か月先や1年先だけではなく、3年先、10年先、20年先のキャリアをイメージしてみてください。「今の仕事が大変でとても両立できない」と思っているかもしれませんが、例えばみなさんは、子供が生まれたら一旦仕事を辞めて育児に専念し、その後仕事を再開したいですか?それとも育休を取って復帰し、仕事を続けたいと考えていますか?今は多くの女性から「仕事は続けたい」という声を聞きます。その場合、パートタイムや派遣の働き方よりも、やはり正社員のほうが育児休暇は取りやすいのが現状です。契約社員、パートタイム、派遣でも一定期間働き続ければ取得ができますし、実績がある企業もありますので、転職する場合には、そういった状況も調べて判断するようにしたほうがよいでしょう。
さらに、現在の会社での先輩たちの状況がどうだったのか調べ、周囲の人に相談するなど巻き込んで、とりあえず「なんとかなるさ」と楽観的に考えるのも長い目で見れば1つの方法です。辞めることはいつでもできるのです。また、自分が仕事上必要な人材だと思ってもらえれば、会社も辞めないで復帰して欲しいと環境に配慮してくれる変化も置きやすくなります。今の会社での異動や在宅勤務などの仕事の仕方の変更も含め、キャリアを積み続けていける方法を試してみることをお勧めします。
4.パートナーを傍観者にしない
最後に重要なのは、みなさんのパートナーとよく話し合い、自分事だと意識してもらうことです。これまでの話で、何となくパートナーである彼は置き去りにされていませんか?家事や育児をするのは女性だけのような考え方になっていないか、一度立ち止まってみましょう。「彼のほうが仕事で忙しいから悪い」と思っているのかもしれませんが、家庭を営んでいくのは2人の役割ですよね。育休を取るのも、自分だけではなく、男性にも考えられることです。早いうちに、子どもは欲しいのか、何年後位がよいと思っているのか、その際2人でどう仕事を配分していくのか、などについて思っていることをぜひ話し合っておくとよいでしょう。
いかがでしたか?実際に仕事と家庭や育児を両立させている女性に話を聞くと、いい意味でみなさん抜けている所は抜けています。完璧に思い通りにしなければならない、と考える必要はないのです。「なんとかなるさ」の楽観主義も取り入れてみましょう。