夫が転勤 女性のキャリアチェンジのおすすめ方法
渡部 幸
2017/05/13 (土) - 08:00

せっかくやりがいのある仕事をしているのに、夫が全国転勤のある企業に勤めていて、今回地方都市に転勤の辞令が出た! 決して珍しい話ではなく、共働きの夫婦によく聞くケースです。そんなとき、あなただったらどんな選択をしますか? 今回は、夫の転勤によって別の土地に転居するかどうか悩んでいる女性が、自分のキャリアを積んでいく方法や注意点についてご紹介したいと思います。

1.転勤先へ異動や一旦休職の制度を調べる

まず、1つの方法は、なるべく今の会社を辞めずに夫の転勤先に一緒に付いて行くことが可能かどうか制度を調べることです。女性活躍推進が進む社会情勢の中で、企業の中でもできるだけ今いる人材が辞めずにキャリアを積んでいくことができるように、様々な制度を整えている所も増えてきました。自分の会社の中で、夫と同じ土地に異動させてもらうことができるかどうか、上司に相談してみてはどうでしょうか。また、海外赴任などの場合、一旦休職、または退職し数年後戻ってきたときに復職できるという制度がある企業もあります。異動は難しい場合には、その選択肢も相談してみましょう。

最近は、同一企業でなくても、全国の地方銀行同士では「地銀人材バンク」があり、同業種の中で再就職ができる仕組みも整ってきています。あなたの業種でもあるかもしれませんので、調べてみましょう。また、正社員だけではなく、契約社員やパート社員でも、全国の49のコープ(日本生活協同組合連合会)では再就職し、キャリアを継続できる仕組みがあります。あきらめずにまずは探したり、相談したりしてみましょう。

2.夫が単身赴任する場合の注意点

次に、辞めて赴任先に自分も一緒に行くのと同じぐらいよくあるのが、夫だけが単身赴任するケースです。子どもの進学の問題もあって夫1人が転勤先に行くことも多いものです。この場合、女性は仕事を続けられてキャリア継続の点からは特に問題はないのでは、と思うかもしれませんが、注意すべきポイントはやはりあります。

1つは子どもが保育園に行っているケースです。共働きの夫婦が2人で一緒に住んでいる場合には、朝と夕方の送り迎えのどちらかは夫に行ってもらえる、急病のときも、自分が行くことが難しい場合は夫に何とか頼む、など協力しながら日々過ごせますが、夫が遠くにいて自分1人がすべてを行わないといけない、というのはかなり負担が大きいものです。実際に肉体的な大変さの上に精神的な疲労も重なり倒れてしまった女性のケースも聞きます。できるだけ、時短勤務や在宅勤務などがあれば活用する、お迎えにお金を払ってでも他の人に頼むなど、疲れがたまらない方法で切り抜けるよう工夫しましょう。

次に子どもの中学受験や高校受験なども重なり、夫婦のコミュニケーションが少ないとストレスが生じやすくなり、更年期の症状が出やすい年齢だとより仕事への影響も出てくる場合があります。こんな時は「もういっそ辞めてついて行ってしまおうか」と思うかもしれません。身体の不調が続くようならもちろん健康を優先したほうがよいですが、SkypeやSNSなど今は顔を見て話せるIT技術もたくさんあります。なるべくITも活用しつつ密にコミュニケーションを取るように努力しましょう。我慢せずに相談したいことは赴任先に行ってでも伝えることが時には必要です。

3.一緒に行く場合の今後のキャリアへの準備

最後に、一旦退職して一緒に夫の転勤先に行く場合についてです。転勤先でも再就職をするほうが、長い人生の仕事のキャリアを考えるともちろんよいと思いますが、これからも何回も転勤がありそうだ、という人もいるでしょう。そういう場合、どこに行っても通用するスキルを身に付けていく、その専門性を活かした仕事に就けるようにすることをおすすめします。例えば、どの地方に行っても仕事がある日商簿記検定や給与計算の資格や、医療事務の資格を取る、などです。

また、IT系のスキルもおすすめです。今はクラウドを使ってフリーランスで仕事を得たり、在宅ワークでPCを使って仕事をすることも可能な時代です。学んだスキルを活用して企業に就職するのではなく、個人でどこに行ってもフリーランスとして仕事をしていくのも1つのやり方です。通信教育や、学校に通う、ネットを使うなど、せっかく仕事を辞めて少し空いた時間ができたときだからこそスキルを学んでおくと後々役立つはずですし、パートや派遣の仕事でもよいので、仕事に就けるなら経験を積みましょう。

このように、夫の転勤によって仕事を辞めるか辞めないか、一緒に行くか行かないか、決断をせざるを得ない女性は数多くいます。しかし、どちらにしても、仕事のキャリアをあきらめる必要はありません。長期的な視点で、あなたにとってプラスになるように努力し、働きたいという気持ちを持ち続け、行動していけば、きっとキャリアは継続していけるはずなのです。

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