もし、あなたが女性で、自分でビジネスを始めようと思ったとしたら、小さくできることから少し始めるか、しっかり収入を得て自分の生活ができるぐらいを目標に始めるか、どちらで考えるでしょうか? 今回は、両方のやり方について、メリットや注意点を紹介しましょう。
小さく始める場合
一般的に男性と違って女性の場合、高い収入を得られるようにビジネスを広げていきたいという目的で起業する人よりも、自分のやりたいことをやりがいをもって、自己実現をしていくために起業したい、という人が多いといえます。結婚していて、ほかに生活に必要な収入を得ることができる夫がいる場合は、特に、リスクを避けるという意味で小さく少し始めてみる人のほうが多いでしょう。
いまは、小さくちょっとだけ気軽にやってみる方法がたくさんあります。たとえば、自分のホームページまでつくらなくても、メルカリなどのアプリを使って、自分の作品を出品して販売をする方法もありますし、パン教室、お菓子づくり、カリグラフィーなど自分の教えられるノウハウを使って自宅やマンションの共有スペースなどで教室を開く方法もあります。エステの技術などを学んで、週末だけサロンを借りて行う方法や、ノウハウを使ってコンサルをしたり、CAD、翻訳などのスキルを使ってクラウドなどで仕事を得て作業をする方法などもあります。
場所は自宅でなくても、いまは時間貸しのスペースが気軽にネットで借りられるようになっていますし、地域によっては公共のスペースも使える場合があります。家賃を出してずっと借りるとなるとコストが高くなりますが、そうでなければ、すぐ、簡単に始められて資金も少なくてすむのが最大のメリットといえるでしょう。
しっかりビジネスとして行う場合
しっかりビジネスとして行う場合には、前にお伝えしたようなものだけではなく、商品を仕入れて在庫を持つビジネスの場合もあるでしょうし、店舗を構えるものもあるでしょう。事業内容がもっと多岐に渡ります。がんばりによっては大きく事業が広がる可能性もありますが、ある程度の資金と、場所を借りる契約を結ぶことや、材料費、光熱費、販促費などの経費がかかる、というような注意点があります。また、どのように集客をしていくのか、営業のやり方を工夫する必要があること、など労力や準備がもっと大切になります。せっかく場所を借りたのに、全然発注が来ないとなると、経費ばかりがかさみ、払えないというようなことになりかねませんので、集客プランをしっかりと考え、行動していくことが重要になります。
この場合、比較的起業短期間で、収入を稼げるビジネスにしていくことができるのは、会社員として行っていた以前の仕事のノウハウやネットワークを使えるタイプの仕事です。もし、あなたの行うビジネスがそういう仕事の場合には、見込める仕事を計算の上、しっかりビジネスを最初から志してもよいのではないでしょうか。
起業の目的を自分のなかで明確にして決めよう
このように、小さく始めることと、しっかりビジネスとして行うことには、メリットもデメリットもがありますが、子育てをしながらワークライフバランスを見て、ということなら小さく始めるほうがよいのではないでしょうか。しっかりビジネスとして覚悟を決めて起業する、という場合、自分の事業なので、「毎日5時までに仕事を終わって…」というような働き方は難しいでしょう。
ただし、好きなことを週末に趣味の延長上で、というようなかたちだと、収入は本当に少ないままに終わる可能性もあります。ある程度お金を稼ぎたい、そのビジネスできちんと自活していけるように収入を得たい、ということなら、途中からしっかりビジネスとしてどう活動していくか、戦略を立てながら進めるほうがよいでしょう。
小さく始めるために役立つスペース貸しがあるように、いまはバーチャルオフィスや起業した人のネットワークがつくれるレンタルオフィス、ネットで送受信ができるFAX、クラウドなど1人や2人などの少人数でビジネスを展開していきたい人に便利な方法がたくさんあります。自分のホームページをもち、ネットから集客をするかたちで販促ももっと進めていく、SNSも活用するなど営業方法も以前よりもやりやすい方法が出てきています。ぜひ活用してみるとよいでしょう。
起業してしっかり自分の足で立てるビジネスにしていくためには、社会の中でのその事業の果たす役割を明確に目標とする、「志」も必要です。自分のやりたいことを、空いている時間で少し長く行うというかたちでちょっとだけ小さく行いたいのか、独り立ちして社会に役立つ存在として存続していきたいのか、根本的な起業の目的をもう一度整理してみると答えは出てくるのではないでしょうか。