大分大学の学生が授業で提案した玖珠町の活性化プロジェクトが、本年度から始動する段階に入った。これは、文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」の一環。大麦で生産・加工・販売をする「6次産業化」の事業を展開し、地域の産業振興や雇用創出を図ることを目的としている。地元の生産者や飲食店、玖珠美山高校や別府大学、行政も参画し、地域ぐるみで地方創生を進める。
大分大学は2016年度、学生が地域の課題解決策を考える「地域ブランディング」の授業を実施した。ここで学生が、「大麦の商品化による過疎地域の創生」を提案。みそや焼酎といった県産品のベースとなる大麦の魅力に着目した。アイスクリームなど加工食品の開発を進める中で、大麦の生産拡大と加工・製造拠点の育成、販売促進や観光振興、教育に結び付けるという内容だった。
今月中にも玖珠町で大麦の収穫を開始する予定だ。学生は地元生産者の協力を得て、加工用の原料麦を確保。さらに、商品を開発する過程で、他大学に所属する食や栄養の専門家・学生が協力する。販売を担うのは、地元の飲食店など。
大分大学の授業は16年度、大分市や日田市など複数の自治体の課題解決を議論した。COC+の事業は、卒業生の県内就職率の向上や、地域の雇用創出を目標として掲げる。
事業を推進する機構の梶原敏明統括コーディネーターは「多くの住民を巻き込みながら取り組みを進める中で、新たなアイデアや動きも出てくるはず。大学生が地域の魅力を掘り起こし、地域とともに成長する形を目指す」と述べている。