副業兼業プロ人材を講師として活用し、自社HPを活用したマーケティングを強化している「旭タカロン株式会社」
専務取締役 岩本慎一さん
2023/01/18 (水) - 00:00
副業兼業プロ人材を講師として活用し、自社HPを活用したマーケティングを強化している「旭タカロン株式会社」。副業人材活用に至った経緯や、どのように活用されているか等のポイントを同社専務取締役 岩本慎一さんにお話しを伺いました。
会社概要についてお聞かせください。
当グループは株式会社エー・ケー・テックと旭タカロン株式会社の２社で構成され、年間約50トンの不要になったスーツ・衣類・ユニフォームを反毛（綿）によみがえらせ（エー・ケー・テックの役割）、その反毛を利用して防音・吸音・遮音機能を要すフェルト部品にリサイクル（旭タカロンの役割）させる環境循環型ビジネスを展開しており原材料から製品納品までを一貫して行えるのが当社の強みです。
福岡県と大分県には大手の自動車組み立てメーカーが揃っています。物流の利点を生かしながら、今後のＥＶ化にも対応できるブランド価値のある企業を目指しています。
今回副業人材を活用に至った背景や課題はどのようなものだったんでしょうか。
2022～2024年度の中期経営計画の柱にそえたのは「営業マーケティング力強化」と「人財育成・採用強化」でした。その中で情報発信力（広報）が総じて弱く事業領域拡大施策や未来を支えていく若手人財の確保が大きなボトルネックとなっていました。
広報ができる社員育成のために、副業人材をと思われたきっかけは何でしたか？
たまたま昨年、大分県主催の副業人材セミナーを受け、副業人材の活用について知りました。
大前提として今後ＤＸをはじめ「ＩＴマーケティング力」は必須の社員スキルと考え新卒社員に副業人材の講師から「IT・WEBマーケティング」というテーマで講義を受けていただきました。
初めての副業人材活用で、人材紹介会社を使っていかがでしたか?
当社が何を目指し、どのような人材を必要としているか、また当社の課題や解決策をよく理解したうえで、全国から幅広い人材を紹介していただき、とても助かりました。
数人お会いいただいて、最後1人決めていただいた決め手を教えてください。
世の中の役に立ちたいという、地域振興のマインドがベースにあり、佐賀県を盛り立てようとする姿勢に「この人だ！」と思いました。
副業人材に参画いただいた際、どういった形で役割や業務内容を決められましたか?
「おまかせ」にせず、当社からベンチマークとしている他企業モデルの取り組みを例示しそれに対して、副業人材から「こういうステップでやるのはどうか」と提案があり、双方のコミュニケーションによって良いカリキュラムが作れたと思います。
プロジェクトや普段のコミュニケーションをどのように進められていますか?
プロジェクトの開始時に、佐賀県より大分県の当社に来ていただいて研修をしました。それ以降はオンラインで進めています。１度、顔を合わせているので、オンラインでも話しやすいですし、副業人材もコミュニケーションが取りやすいとおっしゃっています。
講習では、マーケティングの基本から始り、アクセス解析や数値から顧客の反応を読み取るなど、少しずつ専門的な内容へ進んで、最終的に自身で入力して情報発信できるまでを１期（半年）で終えました。「基礎土台」を学べたことは満足度が高いですね。世の中の変化はとても速いので、応用も含めてレベルアップしていければと思っています。
採用においては、企業を知っていただく広報の仕掛けが必須です。中小企業の魅力を発信して地域で採用し、地域のお役に立つという正のスパイラルのためにも、ホームページを活用していきたいですね。
副業人材の講習を受けた、担当者の実践により現れた成果を教えていただけますか?
採用面では、「ホームページを見て」という問い合わせが増えましたし、販売促進では、自動車業界以外の大手企業様から、今までなら想像ができなかったような相談が来るようになりました。ホームページの様々な仕掛けや表現の工夫が問い合わせに繋がっているのだと思うので、当社としても嬉しいですね。
Z世代と言われる人材のクリエイティブ、かつイノベーティブな発想がうまくクロスすることで、企業としての組織開発力のパワーが生まれるのだと実感しています。少しずつ着実に前進していきたいですね。
副業人材とのプロジェクトについて、今後の展望を教えてください。
来春3月に新入社員が2名入社するのですが、入社前から研修できないかと考えています。基礎の部分を12月からeラーニングで受講してもらい、入社後はできるだけ早く応用展開ができるような計画を粛々と進めています。
今後副業人材活用を検討される企業様へ、メッセージをお願いいたします。
成功の反対は失敗でなく何も取り組まないことです。
初めてのチャレンジには不安がつきものですが、まずはバイアスをはずし行動することが大切です。失敗しても軌道修正をして、またトライすれば新しい景色がきっと見えてくると信じています。そういった意味で副業の仕組みは、とても有益だと思っています。
