武雄市の子育て総合支援センターでは、子育てについての悩み相談や情報の収集・提供、交流広場の提供など、子育てしやすい環境づくりのための充実したサポートを展開しています。「人と人をつなげるのが強み」と語る、同センターの川久保さゆりさんに武雄市の子育てサポートの魅力についてお話しいただきました。
■まず、川久保様の自己紹介からお願いいたします。
武雄市出身です。もともと教育に携わる仕事をしたくて、武雄市内の公立保育所で保育士として勤務していましたが、勤務していた公立保育所が2014年に閉所したことで、現在は子育て総合支援センターで、保育園との連携事業を担当しています。保育に関わるようになってから、その奥深さと面白さを実感しています。
■子育て総合支援センターは何を目的としている場所なのでしょうか。
センターのテーマは、「ひとりよりふたり、ふたりよりみんなで子育て」、そして「ひとの子も我が子と同じ愛のシャワーを」です。
人とふれ合い、子育を安心して楽しんでいただくのが一番の目的です。具体的には子育ての悩み相談、情報収集と提供、親子同士をつなげる交流の場です。武雄市は転入者が多く、知り合いがいないなかで子育てをしている方が多いんです。ですから、お悩みがある方だけの支援だけではなく、子育て中の方を孤独にさせないメンタルサポートが重要だと思っています。子育て総合支援センターは人をつなげるプロ集団。誰でも利用できる、子育てをいっしょに楽しめる場所です。実際、毎日通って、当センターが日常の一コマになっているケースもあるんですよ。私たちも、「家みたいなところだから、いつでも来ていいですよ」とお伝えしています。
■子育て総合支援センターで受けられるサポートを教えてください。
妊娠期や子育て・孫育て中の方、地域の子育て・孫育てに関係する方ならどなたでも利用できます。
開館時間は、9時~18 時(ひろばの利用時間は17 時まで)で、日・祝・年末年始はお休みです。
毎年、子育てサポーター養成講座を開催し、子育てサポーター・ファミリーサポート協力会員・だっこボランティアとして、子育て中の保護者の方の応援をしてくださる方を募集・養成しています。こうした形で市民の方に育児に参加していただくことで、地域とのつながりが生まれています。
「子育てサポーター」は公共の場所でのお子さんの見守り、寄り添いなどをする有償ボランティアで、「だっこボランティア」は市役所での手続き中にお子さんの面倒を見てくださるボランティアです。
ファミリーサポート事業では、協力会員と利用者のマッチングをして、お子さんの一時預かりや、園や学校、施設から習い事、児童クラブから自宅までのような送迎サービスなどを提供しています。
■未就学のお子さん向けの「イベント」にはどのようなものがありますか?
「赤ちゃん登校日」といって、地域の親子さんが学校に出向き、小中学生とのふれあいを楽しむ日があります。小中学生は赤ちゃんを実際に抱っこして、純粋に幼い子どもをかわいいと感じ、愛情を育んでほしいと思っています。保護者の方にとっては、将来、赤ちゃんが通う小学校の様子を知ることができますよね。
大きなイベントとしては、年に 2 回、子育て総合支援センターとケーブルワンスポーツパークで実施する「子どもフェスタ」があります。今年度のテーマは「カラフル~色とりどりのヒト・モノ・コトに寄り添って~」でした。
「赤ちゃんコーナー」や手作りの遊具を集めた「こどもゆうえんち」などワクワクする遊び場のほか、駐車場で警察車両や消防車、高所作業車など、働く乗り物の試乗体験など、大人の方でも楽しんでいただけたと思います。
また、お子さんの成長の喜びを“しあわせのおゆずり”と捉え、リサイクル服が並ぶ「しあわせおゆずりコーナー」もあります。単なる「リサイクル」でなく、言葉を少し変えるだけで、温かな気持ちになりますよね。おゆずり服は常時センターに置いているので、気に入ったものがあれば持って帰っていただけます。
■子育て総合支援センターの利用者さんには、どのような方がいますか?
主に、未就園の0~2才の子どもさんとその保護者の利用が多いですが、土曜日には、園に通っている子とその保護者の利用もあります。子育て総合支援センターを知っていただくきっかけの1つになっているのが、併設している保健センターで実施されている5か月児離乳食教室です。
また、出産後、センターに来ていただけるように、ママが妊娠中のときからお知らせしている、1 歳未満のお子さんと保護者を対象とした「赤ちゃんひろば」についても、知っていただくきっかけの1つです。
出産後、日中は赤ちゃんと2人だけで過ごしている方や、自分の育児に不安を抱えているママは少なくなく、生後2カ月の赤ちゃんを連れて来る方もいらっしゃいます。ここで親同士がつながり、おしゃべりや育児の悩みを話したりすることで、友だちづくりやリフレッシュになればと思っています。
赤ちゃんひろばは予約制で、大まかなプログラムは決まっていますが、赤ちゃんの月齢を見て、手作りのおもちゃで遊んだり、はいはいレースをしたり、臨機応変に企画し、親子に楽しんでいただいています。
■子育ても多様性が求められるなか、男性の利用者さんも多いのでしょうか。
男性の利用者さんは年々増えていますね。2024年からパパの育児推進事業のひとつとして、「ザ★男会(ざだんかい)」という活動を始めました。「宇宙一ゆるい座談会」というサブタイトルが付いています。主体的に子育ての楽しみを見つけていただけるように、パパ同士でおしゃべりをする場を提供したいと考えています。
最近では、「パパの体改造計画 」という筋トレの企画を実施し、膝の上に子どもをのせてできるトレーニングなどをしました。
■子育て総合支援センターから移住希望者さんにメッセージをお願いします。
武雄市は自然豊かでありながら、商業施設や図書館などが充実していて、日常生活に困りません。そして、何よりも人のやさしさや温かさを感じ取られる場所なんです。
子育てサポーターさんは、声掛け名人で市役所内だけでなく、町中でも子育て中のパパやママを手伝ってくださいます。そういうやさしい方がいるのが武雄市の魅力だと思います。
子育て総合支援センターを詳しく知りたい方はコチラ
https://www.city.takeo.lg.jp/benri/kosodate/003716.html