「人の印象は30秒で決まる」「見た目8割」などなど、就職や転職の本には印象について、必ずと言っていいほど記載されています。人間の情報は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚から情報を得ていきますが、その内訳は視覚80％以上と大きく締めています。その視覚から入る情報である「見た目」「外観」を自分で意識していますか？
そもそもアピアランスって何なのか？
この用語、人事の間ではよく聞く言葉。外観、外見、容姿、見かけなどのことで、コンピュータの画面表示スタイルからファッションまで、様々な場面で用いられます。
人事仲間と「この用語って本当に便利ですよね。いろんな意味を含みますよね」なんて話をしたことがあります。 「アピアランスがいい」というのは、つまりパッと見た感じの雰囲気、話の仕方や人に与える印象が良い、ということを指します。これも人によって感じ方が様々ですので、なかなか万人に受ける印象とは何なのか・・・という定義をするのは難しいかもしれません。
しかしビジネスの場において、この「印象」は必ず問われるものです。
これは、年齢的に20代の若さがあれば、初々しさと元気の良さで、ごまかせるかもしれません。
しかし、このアピアランス、年を重ねれば重ねるほど意識しなければ滲み出てくるものです。
なぜなら、生き方そのものが表れてくるからです。
「印象」を良くする努力、意識していますか？
外見は心の鏡。心は外見の鏡。
私は、化粧品会社時代に何千人と数えきれないくらいの女性のメイクアップをしてきました。人間の心理と外見と行動には密接なつながりがあると実感しています。先ほどまで元気がなかった方に、美しくメイクアップを施すことで、自信を持つことができ、行動が変化する。という実例。また、男性においてもブランドの品を持つことによって、自分の見られ方が変わり、それによって自分に自信がつく、という話を聞いたことがあります。
逆に、成功体験が重なっていくことで、自信につながり、見た目が変化していくということもある話です。
「たまごが先か？鶏が先か？」ではないですが、外見が心持ちを変化させるのか？心持ちが外見を変化させるのか？
私はどちらもあり得ると思っています。つまり、自分の気持ちの持ち方次第で自分は変えられる、という意味です。見た目を少し工夫するだけで自信がつくのであれば、積極的に行って、やがて良い成果、結果に結びつけば、本物の自信につながると思います。
いずれにおいても、見た目を少し良くするということは、ただ過度に装飾することではなく、自分を良く知ることが大切です。自分がどういう色や形が好きなのか。どういう服装をすると元気に見えるのか。自分自身が素敵に見えることとはどういうことなのでしょうか。改めて自分の外見と向き合ってみましょう。
もう一つは、鏡に映る自分をよく見て、この人と一緒に働きたいか。と考えてみることです。
自分のコミュニケーションがもたらす結果は、相手の反応です。自分が発した言葉や態度が、結果として相手の言葉や態度に現れます。
どんなにしゃべっている内容が素晴らしくても、「しゃべり方、姿勢、服装、気持ちの持ち方」を受けて、相手の反応は変わってきます。
話をしている内容よりも、最初のパッと見た印象、挨拶。それだけで「話をしてみたい！」と相手に思わせられるかどうか。自分の内面的な部分と向き合うだけではなく、外見的な部分とも向き合ってみる。それも自己分析の一つだと思います。
どんなにアピアランスが良くても、実体験のない発言は見抜かれる。
落とし穴として一つあるとすれば、外見も心持ちも素晴らしくいいけれども、実は見聞きしただけで自分の実体験が伴っていないパターン。どうも話をしている内容が、本人の実体験ではなく、単なる受け売りであり、頭でっかちなだけ、という場合。これは一発で見抜かれます。
アピアランスを一時的に取り繕うだけではなく、日々、自分の外見内面と向き合い、また日々、目の前の仕事と真剣に向き合うことが、結果として「あなたの印象」になるのではないでしょうか。
改めて、
自分が相手にどんな印象を与えているのか？
自分の見た目は、どんな風に人に映っているのか？
自分の話は、本当に実体験に基づき、深い思考の元に発言されていることなのか？
周りの人の意見も聞きながら、自分なりのちょっとした工夫と意識で、変えることができます。
自分を魅せること。それは結果として自分自身を良く知ること。これは自ら身に着けることができるものです。「転職活動のために」ではなく、日々の仕事を通じて、常にそれを意識することができれば、いざという時にも最大のパフォーマンスを発揮できるのではないかと思います。あなたはいかがですか？
