島根県の東部に位置し、松江市に次いで、2番目の人口を抱える出雲市。縁結びで知られる出雲大社をはじめ、古事記や日本書紀にかかわるスポット、歴史・文化遺産の他、日本海や宍道湖など豊かな自然にも恵まれています。そんな出雲市の魅力や移住への施策などについて、出雲市 経済観光部 産業政策課長の原靖弘さんにお話をうかがいました。
―自治体の概要・特徴を教えてください。
出雲市は平成17年(出雲市・平田市・佐田町・多伎町、湖陵町、大社町)と23年(斐川町)に市町村合併し、人口約17万4千人。海、山、川、湖、平野、森林と全ての自然に恵まれた住みやすいまちです。もともと平野部だったのですが、合併によって海や山間部が増え、出雲大社や出雲空港も市内になりました。出雲市は神話のイメージが強く、神話にまつわるスポットが多く点在しています。
出雲大社と全日本選抜駅伝競走「出雲駅伝」
―移住者にとって、どのような点が魅力なのでしょうか。また移住者からの反応があれば教えてください。
利便性が良いだけでなく日本の原風景が見られ、半分都会で半分田舎のイメージがあると移住者の方から言われています。子育て世代からは、適度なバランスで子どもたちが自ら考え、工夫して遊べるところがいいという意見があります。人と人のつながりが強い地域で、野菜などを近所からいただいたり、逆にあげたりと、田舎ならではの付き合いがあるのも特徴です。
特徴的な移住施策としては、出雲市では早い段階から、独身女性の移住定住に力を入れていて、引っ越し費用や家賃、就労する際に必要な経費の助成などを行っています。
―自治体の魅力や、自慢できるものはありますか?
日本海に沈む夕日がとても美しいので、ぜひ見ていただきたいです。
出雲大社の正門まで続く神門通りには、出雲名物やお土産さんが並んでいるのですが、市街地に入ると昔ながらの商店街や大型ショッピングモールがあって買い物には困りません。美味しいものがたくさんあって、皆さん、出雲そばを食べて帰られますよ。
稲佐の浜と夕日
また、出雲大社の「縁結び」ということで、目に見えないご縁が出雲には宿っているのかな?と思っています。何かいいことがあれば“大社さんのおかげだね”と言うのが口癖のようになっていますね。これも出雲市らしさかもしれません。
―産業の特徴を教えてください。
昔から製造業が盛んで、特に鋳物業の企業が集積しているのが特徴です。工業的なものばかりでなく、農業も盛んで県内一の農産地です。出雲大社の近くではブドウ農園もあります。
近年はIT産業の進出が活発になっており、平成27年に市内のIT企業20社が連携して「チーム出雲オープンビジネス協議会」を結成し、各企業の得意分野をPRしながら共同受注する仕組みを作りました。元請、下請けという関係ではなく、対等に受注していくのが特徴で、安定したリソースの供給が可能です。定例会を開催して、経営者が集まる機会が多いですし、若手社員の勉強会や地元高校生への支援などにも積極的に取り組んでいます。
若者に出雲の未来を担っていただくために、地元の産業分野の良いところを知っていただこうと、地元企業が集まり製品や技術をPRする「いずも産業未来博」も好評です。
―自治体の課題があれば教えてください。
少子高齢化が進んでいて、現場の労働力不足が懸念されています。合併によって市の面積が大きくなったということは、中山間地域の人口が特に減っているということですから、そこの活性化が課題です。
出雲市では進学や就職によって市外へ転出する若者が多いので、人材確保のため、県外でイベントを開催したり、市内の企業の若手社員と学生の交流などにも力を入れています。
出雲市は出雲縁結び空港、河下港、山陰自動車道などを備えた交通の拠点だ
―まちづくりへの想いをお聞かせください。
子供たちに「やっぱり地元がいいなあ」と思ってもらえるような市にしたいですね。
まちづくりは誰かがやってくれることではなく、ひとり一人が想いを持つことで、気持ちが伝わり広がっていくものだと思います。
―最後に、移住を考えている方へメッセージをお願いします。
出雲市の人や産業、文化、歴史の力を私たちは「出雲力」と呼んでいます。出雲力を生かしたまちづくりをしようと、出雲市では2029年までの8年間の「出雲市総合振興計画」を策定しました。未来を担う若者のために、市の強みを活かしながら頑張っていきたいと思います。
移住を考えている方がいれば、どんな形でもよいので出雲に来ていただき、少しでも知って、好きになっていただきたいですね。出雲市はポテンシャルが高いまちですし、ほどほどに田舎で、住みやすい所です。出雲の神様が皆さまを誘ってくれるのではないかと思っていますので、ぜひお待ちしています!
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いずもな暮らし(https://izumonakurashi.jp/)