仕事の上で、上司とコミュニケーションを上手く取り、進めていくことは、物事を推進していく上で重要です。しかし、あなたが女性で部下の立場の場合、よく陥りがちなやり方があります。今回は、そんな、会社の中で、女性が部下の場合の上司への対応の注意点を紹介しましょう。
あまり話を聞いてくれない上司の場合
まず、「あまり話を聞いてくれない上司」の場合です。営業企画部でアシスタント事務の仕事をしているAさんの上司は、向こうから声をかけてくれることはあまりありません。いつも忙しそうで話しかけにくい雰囲気の人です。報告や相談をしていても、大抵は短い言葉しか返ってこないし、相談しても自分の意見や言いたいことをどんどん言われてしまうので、正直「もういいや」と話したくなくなってしまいます。
こんな上司の場合、どう対応するとよいでしょうか?コツは、この上司のコミュニケーションタイプを理解しておくことです。この人は、どちらかと言うと「タスクや物事の達成」に対して興味がある人なのではないでしょうか。自分が責任を持って、担当している仕事の目標をやり遂げることに一番の関心があり、あまり「部下の気持ちがどうなのか」や「誰かの役に立ちたい」「人に喜んでもらいたい」など「対人」という点については関心が深くないタイプではないかと推測されます。あなたも、割り切って
・話すときには、なるべく数字や今の結果について話す
・通常の業務や進めている仕事については自分のやりたいように行い、必要な報告だけ簡潔にする
ほうがよいでしょう。もちろん、重要なポイントポイントできちんと伝えることは必要ですが、度々の詳細な報告はこの人にとっては要らないことなのです。
話を聞いてくれる上司の場合
では、結構話を聞いてくれる、相談に乗ってくれる上司の場合は、特に気にせず悩みを話してもよいのでしょうか?実は私が会社員だった頃、この状況で失敗をしたことがあります。一般的に女性は男性よりも「自分の話を聞いて欲しい」と思う場合が多いものですが、私も話を聞いてくれる上司だったのを良いことに、社内の人間関係の悩みや、仕事の問題について気持ちを率直に話していました。しかし、後で人づてに聞いたところによると、その上司は「俺に何をして欲しいんだよ。相手を異動させて欲しいということなのか??」と困っていたとのことです。
女性が右脳の働きが活発で話を聞いて欲しい、コミュニケーションを取って欲しいと思うのと同様、男性は女性よりも左脳の働きが活発と言われ、困っている悩みを聞くとすぐ「その問題をどう解決したらよいのか」と解決策を考えるほうに頭が行きがちなのです。話を聞いてくれる上司だと思い、気を許して何でも話してしまうと相手も困るでしょう。女性の部下はその点を意識して様々なことを伝えるほうが得策です。
女性なのを気にして強く言えない上司の場合
次は「女性だということを気にするあまり、どう接したらよいかわからず困っている上司」の場合です。こういったタイプの人は、男性の部下に対しては、肩をたたきながら大きな声で励ましたり、ときには叱ることもあるかもしれませんが、セクハラやパワハラへの社会の目が非常に厳しくなっている今、女性をどのよう扱ったらよいかわからないのです。注意したり、叱ったりすることも強く言えず、なるべく接する機会を避けたりしている場合もあるでしょう。
もし、あなたの上司の男性に対する態度と女性に対する態度がこのように大きく違う場合、「ラッキー」と思うのはちょっと危険です。表面上の態度と思っていることは違うかもしれません。また、あなたを避けているので、男性陣にしか必要な情報が入って来なくなる場合もあり得ます。自分から積極的に声をかけ、時には注意もして欲しい、どこがだめなのか、改善すべき点は言って欲しい、などと伝えるのがおすすめの方法です。
上司を上手く操縦するためには
一般的に男性の上司にはプライドが高い人も多く、特に女性には負けたくないと内心思っていることも多いものです。そんな上司のプライドは尊重し、相手の自尊心を傷つけるような言い方はしないようにしましょう。中には頼んでもなかなか動いてくれない、自分の方が仕事がデキるのではないかと思える上司もいるかもしれませんが、相手を立てておいたほうが得策です。私の経験も含めて、ですが、女性はどうしても目の前の目標や仕事に意識が向きがちです。しかし、仕事とは長期的な視点も必要ですし、その会社でずっと仕事をしていきたいのなら特に、短期的に相手をやり込めて、「なぜできないんですか?」「自分のほうが優秀です!」と相手を攻撃することがメリットにならない場合も多くあります。時には自分が一歩引いて、相手の言い分を聞き、相手にも納得してもらえるような話の持って行き方を工夫することも大切でしょう。ぜひ、いろんなタイプの上司がいるんだ、と頭に置き、対処の仕方を考えていきましょう。