昨今、転職採用現場は空前の売り手市場といわれています。思ったように採用で人材を確保できない企業が多くありますが、どのようにしたら転職の採用で人材を確保できるか、今回は、最近効果的になってきている手法を紹介します。
1.リファラル採用
まず、かなり広まってきているリファラル採用という手法です。これは、昔からある「紹介」をもっと進化させた形のものですが、役員などの「縁故」という方法と混同しないようにする必要があります。
ポイントは、いま在籍している社員や従業員に「会社としてはこういう人材が欲しい」ということをしっかりと伝え、知り合いでマッチする人はいないか、いたら紹介して欲しいと広く募集するという点です。
紹介される側も、知り合いからこの会社での仕事の話、やりがいや大変な点、待遇の話、環境の話などを聞いた上で応募するので、お互いのマッチング率も高くなりますし、信頼性も増します。知り合いからの紹介だということで、内定を辞退される、入社後すぐに退職してしまうというような問題もかなり軽減されます。
仕事の一環ではなく、社員にお願いする形で行っている企業も多いですが、最近では、よい人材が採用できれば、社員にインセンティブを与える制度を導入する企業も出てきました。これもよい人材の紹介を促進する1つの方法になるでしょう。
2.年齢制限の考えを撤廃する
2つ目は、自社の中での年齢制限の考え方を撤廃することです。法律上の問題があるので求人票には明記していなくても、求人を募集する際、社内では「他の人とうまくやっていくには、このぐらいの年代の人が望ましい」といった考えがあることが多く、「教えやすく組織に溶け込みやすいように20代から30代前半ぐらいの若手にしたい」などとよく会社側は思うものです。
しかし、20代や30代前半などは、募集している企業が非常に多いので、より人材不足の年代です。応募者数が多いのなら年齢を書類選考の大きな選択肢にすることもあり得ますが、もっと上の年代にも適切な人材がいるのではないでしょうか。この年齢の思い込みを外すことによって、よい人材を確保できている企業は昨今たくさんあります。
30代後半以上50代ぐらいまでは選択肢に入れ、歓迎している点を求人にも伝える、人材が欲しい部署のメンバーにもよく状況を理解してもらい、採用面接にも参加してもらって年齢ではなく、その人自身がどうか、という視点で選抜するようにする、という手法を試してみることをおすすめします。
3.普段から発信を続ける
3つ目は、地道な方法ですが、ブログやSNSで自社のビジネスや仕事内容の情報発信を普段から続け、「今後人材募集をする場合には連絡する」という名簿を確保する方法です。これは、技術者やデザイナー、企画職などの専門職には特に有効な方法です。普段から興味をもってその業界や仕事の情報を検索し、見てくれる人がいる場合は、あなたの企業の発信が新しいもの、読んでみたいものだと感じると、潜在的な応募者になりやすいのです。
普段の情報発信を読んでくれているということは、ある程度自社の仕事の内容や方針、風土などにも理解があるという前提になりますので、ミスマッチも少なくなります。どちらかというと、通年で複数の募集を出す必要がある企業に向いているでしょう。求人があった場合の連絡希望者は登録できるようにしておくとすぐ活用できます。
4.直接スカウトメールを送る
最後は、スカウト採用の工夫を紹介しましょう。スカウトについてはすでに使っている、という企業も多いかもしれませんが、ここでの手法の工夫は、紹介エージェント会社は通さない、という点です。転職サイトなどでこちらから目をつけた人に直接積極的にスカウトメールを送ってみるのです。
確かに、手間や時間はかかる方法です。しかし、紹介会社を通してではなく、企業が直接スカウトで連絡する、それも、その人が志望したいと思っているという仕事の内容についてのスカウトの場合、応募者側も選ばれたことに応募してみようか、とより前向きになりやすいというメリットがあります。
紹介会社のスカウトは、正直数を打てばよいと考えている節もあり、その人が登録している内容にマッチしていない職種での勧誘や、あまり内容を読んでいないと思われるメールも多数来るため、応募者はウンザリしている部分があります。自社で直接スカウトを送る際には、登録内容や志望を読んで「この人なら会ってみたい」と思う人だけに連絡をすることが成功のポイントとなります。
まとめ
この記事を読んで「そこまで労力をかけるのは大変だ」と考えた人もいるかもしれません。しかし、何度も広告を打つとコストが非常にかかりますし、実際に採用した人に短期間で退職されてしまうリスクを考えれば、試してみる価値はあるのではないでしょうか。人材が確保できていないのであれば、いままでと同じやり方を続けていても状況が変わらない恐れがあります。方法を変えてみることで結果の変化も起こしてみてはいかがでしょうか。