自分が働く意味、この社会に生きている意味を見つけたいと、多くの人が自己実現のために起業し独立しようとします。中でも特に女性に多いのは、好きなことを仕事にしようとする人。今回は、そのような起業独立したい女性がよく陥ってしまう3つの落とし穴、注意ポイントについて解説していきたいと思います。
1.マーケティングを考えていない
まず第一の落とし穴は、マーケティングを考えずに進めてしまう、またはよく分かっていないままにしてしまうことです。筆者も経験がありますが、ITの技術スキルがない場合もあり、ホームページをどうするか、ブログをどうするか、どこに宣伝のお金をかけるのかかけないのか、よく分からずにどんどん時だけが過ぎてしまう人もいるのです。分からない場合は、・マーケティング専門のコンサルタントの本を読む・起業についての支援セミナーに行ってみる、という所から始めていくとよいでしょう。女性のための小さな事業の起業支援塾なども安価に自治体で行っているところが多くありますので、全く知識がない人は参加してみてはいかがでしょうか。
また、ホームページやブログ、メルマガなどの文章についても、作っただけは効果的にならないので、読んだ相手に響く内容にしていくことが必要です。起業していく場合には、どんな商品でも「文章で効果的に伝えられるスキル」は必須になってきているのが現在のマーケティングの手法と言えます。ぜひビジネスで使える文章の書き方を勉強してみるか、プロに作成を依頼するか、考えてみましょう。
2.自信がついてから、といつまでも事業化しない
第2の落とし穴は「いつまでたっても事業として始めない」というものです。確かに1のように何も販促活動を考えずに走り出すのはやめたほうがよいですが、例えば、自宅でネイルサロンを開きたいとネイルの学校に行って技術を学んだ、起業塾にも行ったし、経営に役立つように簿記も習った、自宅の部屋に場所を作って必要な備品も調べた、ホームページも作成するところを決めて内容を考えて依頼をすれば進むようになっている、という状況なのに、ずっとホームページの文章をどう書くか迷っていて進まない。また、ネイルを自分で仕事にするにはまだ自信がないため、知り合いの人に無料で練習台になってもらっている段階、というような人たちです。
確かに初めてのことで、独立して一人でやっていくのは勇気がいるでしょう。しかし、多くの事例で、独立起業して成功する人の特徴は「行動しながら修正して進んでいく人」だということが言われています。物事が完成することを待っていては、時間が過ぎてしまいます。まずは試してみて、それから不具合を軌道修正していけばよいのです。このネイルサロンを開きたい人の場合も、とりあえず問い合わせページを入れたホームページかブログを作り終えて、近所にチラシを配布するなどで始めてみることがまず大切ですね。
3.ビジネスとして集客してみたが安定せず、後悔して組織に戻ろうとする
3つめは、起業してビジネスを始めてみたけれど、なかなか集客が上手く行かず、収入が安定しないので、あきらめて再就職の活動をしようか悩む、というものです。こうなる前にもっと原因を探るべきでしたが、こうなったら、まず振り返りを行いましょう。どんな人でも起業していきなり上手く行くことはそうそう多くはありません。1,2年は不安定な収入が続くこともよくあることです。そのために、続けていく資金を確保してあるか、確認しましょう。資金難の場合は、収入のために派遣など他の仕事も行うことが必要かもしれません。ただし、どちらが自分のやりたいことで、どちらが本業なのかは見失わないようにする必要があります。
「やっぱり企業の中の社員でいたほうがいいや」と後悔する人もよく見かけますので、起業独立したい人は、ぜひ準備の段階で、資金は充分確保できているか、充分でないならいつまでにどれだけ必要で、どう調達するのか、何年後までに事業を軌道に乗せたいのか、そのためにどう実行していくのかについて計画を立てて考えることをお勧めします。きっちりした事業計画書でなくてもよいので、必ず文書で明文化してみてください。その際に、途中で大変なことがあってもやっぱりやってみたいか、自問自答してみましょう。「それよりも安定がいいなあ」と思う人には起業は向いていないと言えます。趣味の範囲内で好きなことを行っていたほうがいいのか、でもやってみたいのかを考え、決断しましょう。
こんな時には、起業コンサルタントやビジネスコーチ、以前に自分も起業し事業を行っている人などに相談するのも1つの方法です。自分1人では気づかない視点も分かるかもしれません。他の人とのネットワークも有効に使って解決していくとよいですね。