知ると役立つメンタルに働きかけるストレス解消法とは
渡部 幸
2019/03/19 (火) - 12:00

日々生活をするうちに、知らず知らずにたまっていくストレス。イライラやモヤモヤをいつまでもため込んでおくことは、心身に影響を及ぼします。ストレスを軽減する方法、解消する方法には食事を取り入れる身体に働きかける方法、運動など様々なバリエーションがありますが、今回は、自分のこころ、メンタルに働きかけるいくつかの方法をご紹介しましょう。

1.熱中できること、好きなことをする

まず、1つめは「自分が熱中できる、好きなことをする」です。趣味の絵を描く、プラモデル作りをする、音楽を演奏する、など、自分の好きなことに没頭して時間を忘れるぐらい熱中すると、イライラしていたことは吹っ飛び、すごく楽しくなる経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。これは、1つのことに集中し、熱中して行うと、脳の中でドーパミンという脳内物質が分泌されるためと言われています。特に、音楽を聞く、などではなく、能動的に自分がやりたいことを行うほうがストレスを忘れるには効果的です。今回は運動を入れていませんが、好きなことがスポーツの場合、もちろんこの中に当てはまります。ぜひ、自分が熱中できる好きなことをする時間を作りましょう。

2.非日常の世界へ行く

次は「日常から離れて非日常の世界に行く」ことです。山登りをしたとき、大きな海を見たとき、海外旅行に行って日本とは違う街並みを見たとき、日帰りでも温泉や、緑いっぱいの自然に触れられる場所に行ったときなど、自分の存在の小ささに気づき、そんな自分の悩みなんて本当に小さいことだな、と感じたことのある人も多いと思います。いつも慣れている日常と離れた世界に行くと、自分が当たり前だと捉えている視点が変化することが多いのです。ストレスを感じるときは、自分が「こうに違いない」「こうでないとおかしい」という考えにフォーカスしすぎているので、その考え方の視野を広げるのに役立ちます。

3.他の人に相談する、他の人の支援を受ける

3つめは「他の人に相談し、サポートを受ける」ことです。人間は、悩みを独りで抱え込んで話さないでいると、さらにイライラや落ち込みなどの感情が続いてしまい、脳内で安心ややすらぎを感じるのに役立つ物質であるセロトニンが使われてしまうと言われています。専門家の心理カウンセラーやコーチではなく、身近な家族や友人、信頼できる上司などにストレスになっている悩みを話すだけでもよいのです。話すだけで、問題が整理されたり、カタルシス効果というスッキリ感が味わえたりする人も多いでしょう。「自分は1人ではなく、心配してくれる周りの人がいるんだ」という気持ちを感じることもストレスを軽くするのに役立ちます。

話すときには、あなたの話を否定したり、すぐ意見を言ったりせず、じっくりよく聞いてくれる人を選ぶと、よりよいでしょう。もし、周囲にそういう人が見つからない場合は、プロのカウンセラーやコーチ、こころの電話相談室などの公的なサポートも使ってみてはいかがでしょうか。ため込んでいるよりも、新たな解決方法やこころの持ち方への気づきがあるはずです。

4.自分の思い込みや陥っている視点を変える

次は「自分が思い込んでいる考え方や、陥っている見方を変える」ことです。2や3を行うことでも変化が大いに期待できますが、自分自身に質問をしてみることで、小さなある一面しか見えなくなっている自分の捉え方を変化させることができるようになります。例えば、次のような質問を自分にしてみましょう。

・あなたにとってそれは大きな問題なのでしょうか?
・あなたが今行っているやり方以外にもやり方はありますか?
・もし、あなたが今行っている方法をやめたら、失うものはありますか?
・もし、あなたが今行っている方法をやめたら、どんなものが得られますか?
・あなたのやり方は、他の人にとっても、いつでも正しい唯一の方法でしょうか?
・もし、あなたが違う方法を試してみるとしたら、どんなものがありますか?
・その違う方法を試すことで、あなたにどんなプラスになることがあるでしょうか?
・その違う方法を試すことによって、何かあなたにマイナスはありますか?
心の中で答えてみるのでもよいですし、紙に書き出してみるのもよいでしょう。ちょっと違った気づきが得られるのではないでしょうか。

5.自分を認め、自分のよい所を見つける

最後は「自分を承認する、自分のよい所を見つける」ことです。ストレスを感じているときは、どうしてもできない自分、ダメな自分に焦点を当てがち。でも、きっと「上手く行っている自分、できている自分、他の人から見てもいてくれてよかったと思ってもらえている自分」もいるはずです。「自分のこんなところが好き」「自分の強みはこんなところ」と思うことをできるだけ書いてみましょう。1日3つ、よかったこと、上手く行ったことを手帳にメモするのもお勧めの方法です。

いかがでしたか?ストレスを感じたときに、一杯お酒を飲む、などいつも決まった方法しか取っていなかったかもしれませんが、バリエーションを知っておくと、状況によっていろいろと試してみることができます。ぜひ、実際にやってみてくださいね。

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