仕事でもそのほかのことでも、自分自身で目標をもち、それを叶えるために努力するというのは、人生において大切なことです。今回は、その目標を叶えるために必要な問題解決の方法について、実践心理学であるNLP(神経言語プログラミング)のやり方を取り入れて紹介していきます。
目標と問題を認識することが第一歩
まず、あなたが何をしたいのか、何がほしいのか、目標を明確にすることと、そこに対してどんな現在の位置にいるのか、何が問題なのかを認識することが最初のステップになります。
そこで、自分にこんな質問をしてみてください。「何が問題なのですか?」「そして、何がほしいのですか?」 たとえば、「人前で上手く話せない」ということが問題で、ほしいもの、つまり目標は「人前ですらすらと話せるようになる」だとします。
次に、問題と思ったことに対し、こんなふうに質問していきます。
「そのことがどのようにあなたの問題なのですか?」
「その状態になることで、あなたが得られているものもあるのではないでしょうか?」
これは、あなたにとって、それが本当に重要な問題で、本気で変えたいのか自分に問いかけるということです。もしかしたら、この問題をもっていることで、あなたが人前でプレゼンするようなことをやらなくて済んでいたり、上手くいかなくても「やっぱり苦手だから仕方ないな」と思えたりしているかもしれません。「人前で上手く話せない」あなたの現状を変える、ということは、もう自分に言い訳はできない、得ていたものは手放す、という向き合い方になります。
「何がほしいですか?」と自分に問いかけることは、「本気であなたの行動や思い込みを変化させたいということですね? それはあなたにとって問題なのですね?」と自分に聞いているという意味なのです。
自分がほしい理想の姿とのギャップを明確にする
「本当に変えたい」と思ったとき、次にすることは、自分の目標とするもの=なりたい姿と、現在の自分の姿との間にどのようなギャップがあるか、明らかにすることです。
再び自分に聞いてみてください。
「いま現在のあなたの状況はどのような状態ですか?」
「人前で話している場面をイメージしてみてください。そのとき、どんなものが見えて、どんなものが聞こえて、どんな気持ちがしますか?」
それと同じように、自分がこうありたい、理想の状態も「見えるもの」「聞こえるもの」「自分が感じる気持ち」をイメージし、その間にどんな違いがあるかを自分で明確に認識してみましょう。
たとえば、
・現状では、緊張して汗だくで手が震えている自分自身が体験しているような感じがする。あまり興味がないような、聞いている人が何人か見える。自分の自信がなさそうな声が聞こえる。内側からも「まただめだ」という自分自身のつぶやきが聞こえて、イヤな気分を胸のあたりで感じる。
・なりたい状況では、何人かの前で堂々と話している自分の姿が見える。正面の人の目を見ながら笑顔で大きな声で話している。気持ち的には、よし、上手くいってる、という満足感、やる気を胸のあたりで感じている。
こんなふうに、理想と現状をイメージし、その「差」を明確にしてみてください。メモしてみるとよいでしょう。
ギャップを埋めるために行動する
ギャップが分かったら、現状をなりたい状態にどう近づけていくか、自分ができることは何かを考え行動していきます。どんな行動が必要でしょう? または、どんな能力や、気持ち、姿勢が必要でしょうか?
思いつくかぎり、書き出してみましょう。
・自信をもって話している人の態度や話し方、目線、準備などをよく観察して真似る。
・練習を何度もする。身内に聞いてもらう。
・話しているところを動画に撮り、ある程度緊張に慣れる。
また、出てきたものに取り組んでいきましょう。あなたは、本気で自分の問題を変えていきたいのですよね? そうであれば、変える行動をしていくことが重要です。
「できなかった記憶」の認識を変えてみる
最後は、「でもできない」のように自分の行動を制限するような思い込みが出てきた場合の対処の仕方です。「できない」と思ってしまうのは、以前に同じような失敗をしたことが記憶に鮮明に残っているからでは? しかし、あなたの記憶に残っているのは「自分の認識や思い込み」であって、事実ではないはずですよね。その認識を少し動かしてみましょう。こんな質問を自分にしてみてください。
・以前できなかったことは、努力しても永遠にできないものなのでしょうか?
・ほかの人ができたことは、自分にもできると思いませんか?
・やり方を変えれば、結果が変わると思いませんか?
質問によって自分の物の捉え方の視点が変わったのではないでしょうか? このように自分の考え方が変わると、行動が促進されるはずです。目標を叶えるのに重要なのは、現状を変えて行動できるように、自分の捉え方や認識も変化させていくことなのです。