「仕事が多すぎて残業になってしまう。もう少し時間が短く終わる仕事はないものか」「職場の人間関係が嫌だ。会社を辞めようかな。」など何かが不満か、「もっと自分のやりたい仕事に就きたい」など何かしたいことがあって転職を考えている人も多いことと思います。筆者のもとにも、転職しようかどうしようか、決断に悩んでいる人がよく相談に来ますが、あなたの今の状態は、「決断」しても大丈夫でしょうか?今回は、そんな転職を迷っているときに必須なストレスのチェックについてお伝えします。
1.なぜストレスチェックが必須か
ストレスチェックとは、文字通りストレス状態をチェックすることで、法改正により企業ではチェックを実施することが義務づけられています。数十問の質問に答えることで、あなたの今のメンタルの状態を簡易的に認識し、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐことを目的とするものです。
では、どうして迷っているときにはストレスチェックが必須なのでしょうか。それは、退職・転職という人生の中での大きな出来事を決断する場合、ある一定の安定したメンタルの状態でないと決断を誤る可能性があるためです。ただし、本当に今の状況がつらく、留まることで状況が全然改善する見通しがないのだったら、休むために辞める、転職というよりも退職の決断をすることは必要でしょう。ストレスチェックをすることで、そんなあなたの心の状態や今の環境について気づくことができるのです。
2.ストレスチェックの具体的なやり方
次に、どのようなことをチェックするのか、どうすればチェックできるかお伝えしましょう。様々なストレスチェックがありますが、一般的には「自分の仕事の状況」「最近1ヶ月の状況」「周りの人たちとの関係」についての数十問の設問に答えていくものです。例えば、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」に対して「そうだ」「まあそうだ」「ややちがう」「ちがう」のどれかを選択する、「最近ひどく疲れている」に対して4つのどれかを選択する、「上司と気軽に話ができますか?」に対して「非常に」「かなり」「多少」「全くない」のどれかを選択する、といったような内容です。あくまであなたの主観ですが、現在の状況をあなたがどのように捉えているのかが認識できます。今、ネットでも様々なストレスチェックを受けることができるようになっていますが、厚生労働省が委託しているポータルサイト「こころの耳」https://kokoro.mhlw.go.jp/では、5分でできる診断も掲載されていますので、試してみるとよいのではないでしょうか。
3.ストレスレベルによって決断するかどうか決める
では、実際にチェックを行ってみて、あなたのストレスレベルはどうだったでしょうか。様々な診断結果の言い方がありますが、ストレスが非常に高い状態か、やや高い状態にあるか、ストレスは低い状態にあって人生を楽しんでいるか、やや低めの状態にあるか、普通の状態にあるか、といったことが分かるはずです。
もし、あなたが転職するかどうかの決断をするなら、普通からやや低い、低い状態の時をおすすめします。この状態であれば、自分でより客観的な視点に立つことを意識し、いろんな情報を集めて、将来自分がどのようになっていれば満足かも考えながら選択することが可能なエネルギーがあるからです。逆に、ストレスが非常に高い状態で、すぐにでも休息しないと危険、という結果だった場合も仕事を休んだほうがよいでしょう。もしかしたら、その場合は決断できない自分がいるかもしれません。決めるにはエネルギーが必要です。一旦休職し、休養してから決断しても遅くないのではないでしょうか。
また、ストレスがやや高いになった人は、一歩未来の自分を思い浮かべてみましょう。仕事の状態をこの先改善することも可能でしょうか?自分の気分や気持ちのありようを変えることもできるのではないでしょうか?周りの人に相談してみてはどうでしょうか?心理の専門家に相談してみるのはいかがですか?何かの行動で変化を起こしてみると、事態は変わってきます。辞めることを決断する前に一度試してみることをおすすめします。
ストレスチェックは、企業に言われたからする、というのではなく、自分自身のために役立ててもよいものです。ぜひ転職を悩んだときには、活用してみてください。