転職掛け算でキャリア資産を増やす!スキル転用が容易な業界・職種
滝田 元子
2017/06/09 (金) - 08:00

転職をする際にはいくつかの注意点があります。同じ職種でも、同業界と異業界では内容が異なりますし、異職種に転職する場合も考え方が違ってきます。自分が身に付けた能力が、転職先企業でも活用できるかどうかが“応募”の判断ポイントです。これが整理できていれば募集条件を見た時に「自分が応募して受かる可能性が高いか」がおおよそ分かります。

キャリア資産を整理して自分自身の活用方法をアピールする

転職をスムーズに進めるためには、積み上げたキャリア資産を次の仕事でどう活かすか、分かりやすく伝えることが重要です。「私の身に付けたこんな能力は御社のこんなポジションで有効ですよ」「こんな問題を解決できますよ」など、自分自身の活用法もセットでアピールするのが有効です。スキルも知識も時代と共に陳腐化するリスクはあります。しかし獲得したスキル・能力を丁寧に整理し、足し算、掛け算をすることで、ベテランならではの力を発揮できる場面は必ずあるでしょう。

筆者は将来の可能性を広げるために、学ぶ意欲も能力も高い20代では異なる2つの職種に就くことをオススメしています。同じ会社でも店長と営業、SEと企画など、距離の離れた2つの仕事をものにできれば、その先のキャリアの選択肢がグンと豊かになります。すなわち、将来の変化に柔軟に対応できるということ。不透明な未来へのひとつの対処法です。

どの世代、どの企業でも、もはや安定した雇用が約束されているわけではありません。自分のキャリアは自分で考え、行動し、作っていく。そのためにも企業の規模・職種・業界との親和性の観点で見直してみる。スムーズなキャリアチェンジに必要な視点です。

業界×職種で転職難易度を判断。あなたが活きるのはどのパターン?

今回は転職がまだ漠然としている時に、業界や職種をどう捉えるかについて考えてみましょう。

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●即戦力として活躍しやすい「同業界×同職種」
年代問わず中途採用では、「同業界×同職種」の転職が「即戦力=経験者採用」で一番多く求められています。

欠員補充のケースでは育成に時間をとられず即戦力となる経験者が求められます。スキルが活かせる、業界人脈が活用できるなど双方にメリットのある転職です。

例えば大手広告会社の営業職から中堅広告会社の営業職というケース。東京の大手企業から長野の中堅企業に転職したとしても、土地の事情さえ理解できればスキルはそのまま使えるのが魅力です。社風や職場環境、土地になじめばすぐに活躍できる人材になれます。

●「異業界×異職種」。仕切り直しの未経験転職
未経験からもう一度チャレンジするケースです。20代の転職なら、全くの未経験から挑戦する「異業界×異職種」でもほぼ問題ないでしょう。第二新卒を含む20代は社会人としての基礎ができているうえ、まだ一つの色に染まりきっていないところも魅力です。自分のやりたいことが見えているのなら、真剣な企業選択ができるチャンスと言えるでしょう。

●軸足を決めて「異業界×同職種・同業界×異職種」という選択
30代からは経験を活かしながらこれからの希望をかなえるという、折り合いの付け方が重要です。業界が未経験か、職種が未経験かで難易度は若干変化しますが、どちらか一方が同じならば、転職企業を探しやすいでしょう。

異業界への挑戦を考えてみましょう。同じ営業職でも不動産業からIT業への転職では、かなり仕事内容が異なります。ベースとなるIT業界の知識習得に時間がかかるのがネックです。30代以降の方は自分がいた業界と近い業界、なんらかの接点がある業界から選ぶと良いでしょう。ビジネス知識や用語など共通項目が多いと、転職後もスムーズになじめます。

営業職では、スキル転用の観点から「営業方法」で探してみるのもひとつの手です。

誰に→ 個人か法人か、新規顧客か既存顧客か、法人なら経営者か担当者かなど
何を→ 形があるものか無形のサービスか、低価格か高価格か
どう売るのか→ ルート営業か提案営業か、対面か電話・ネット営業か

実際に多くの転職者が活躍している、金融業界リテール営業⇔生保損保業界個人営業のケースを見てみましょう。どちらも個人を相手に広義の金融商品を扱うの仕事なので、親和性が高くなります。ベーシックな金融知識は共通ですから、ビジネス場面で使う言葉も比較的近いはず。そういう意味でも、共通用語も多く、ビジネス上の関係が深い業界はマッチング度が高いでしょう。

●「同業界×異職種」。業界は同じで仕事をチェンジ
ビジネスプロセス上の前後の職種は、なじみやすいのがメリット。メーカーなら製造、生産管理、営業、代理店の販売など。生産管理の人が同業他社メーカーで営業職に転職するというイメージです。営業職からスタッフ職への転職も比較的スムーズだと言えます。

30代からは身につけた知識とスキルを生かしながら、少しだけ視点をずらして活躍できる場を見つけるのがいいでしょう。

タイミングと柔軟性がキャリアチェンジの成否を左右する

中途採用は採用ニーズが確定してから求人活動を開始するのが一般的。自分が転職を考えるタイミングでどんな企業と出会うかは、 “偶発的”要素も入ってきます。
景況など不確定要因に左右されるので、理想の条件での転職はあまり期待できません。偶然の出会いも楽しみながら、その時々の人材の需給ニーズで柔軟に転職活動を進めていくのがよいでしょう。自分の経験が生かせるか、社風や職場はどうか、自分の価値観に近い人たちがいるか、なども重要です。

気になる会社が見つかったら、即アクション。少しの勇気と行動力が、実は一番重要な成功ポイントなのです。

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