2017年、政府は働き方改革の一環として、モデル就業規則に副業を容認するような内容を入れようと検討しています。今後多くの企業で副業を認める方向性がますます進むでしょう。今回は、賢く副業をするやり方として向いている「2つの方向性」を紹介します。
「副業をしたい目的」を明確にしよう
まず、方向性を決めるために大切なことは、あなたが「副業をしようかな」と思ったのはなぜなのか、目的をはっきりさせることです。
最初に「やってみよう」と思ったときには、どんなことのために「やろう」と考えたのでしょうか? お金が目的でもよいですし、スキルをつけるためということが目的でもよいのですが、思ったことを書き出してみましょう。そこから、どんな副業があなたに向いているのか、どんな方法があるのかが見えてくるはずですので、明確にしましょう。
「何となくやってみたいから」と思う人は、違う仕事もお試しで短期間体験してみたらよいと思いますが、「何となく」のままだと長く続かない恐れがあります。どちらかといえば下記の1と2のどちらなのか、自分で認識しておきましょう。
1.収入を少しプラスすることが目的の場合
まず1つ目の方向性は、月5万程度に留めるなど、収入を少しプラスすることを目的とした副業です。この場合、休日や夜に空いた時間を使うような形で行うようになるかと思いますが、大切なことは、本業や自分の身体に影響がでないように注意することです。
一般的に、多くの人が、手っ取り早くお金になることをすぐに始めたい、と思う場合、土日や夜の時間に居酒屋やコールセンターなどのアルバイトをする、ということを考えるのではないでしょうか。派遣やバイトを見つけて勤務する、というのは確かにひとつの方法なのですが、気をつけないと労働時間が非常に多くなってしまい、休む時間が取れなくなってしまいます。
どうしても生活上ダブルワークの収入が必要だ、という場合はやむを得ませんが、休日を確保できず、体調を崩して結局両方の仕事を退職してしまった、という人を私はたくさん見てきました。人には休養が必要なのです。「月5万までのちょっとしたプラスでよい」と線引きを明確にし、それ以上の無理はしないように自分でコントロールしましょう。ほかの会社に勤務する場合には、どうしても「ここも出勤してくれないか」などの要請は起こってくるようになります。自分ではっきりと「これ以上はやらない」という制限を伝えられない人には、勤務する形ではない副業のやり方をお勧めします。
働く時間を本業のほかにそれほど取られず、少しの収入をプラスできる方法には、「クラウドソーシング」や「中古品や不用品の販売」などがあります。ネット環境とPCがあれば、自分のできるスキル(例:PCでの入力作業、ブログを書く、など)をクラウドに登録して、仕事の依頼を受ける、人手が欲しいという仕事に申し込みをするなどの形で業務を請け負うことも可能です。また、使わなくなった洋服や小物などをアプリで販売するのもお金を得られる方法です。自分で管理をする意識はやはり必要ですが、行う時間の制限を決めて、少しずつトライしてみるのはどうでしょうか。
2.独立やスキルアップが目的の場合
2つ目の方向性は、長期的に今の会社を辞めて独立したい、もっとスキルをつけたい、などの目的やモチベーションをもって、ある程度時間を費やしても行う副業です。この場合、どんなことがやりたいかは決まっていますか? 決まっていない場合は、まず、自分の得意分野ややりたいことは何なのか、自分に問いかけて調べるところから始める必要があります。
また、やりたいことが決まっている場合も、最初は収入がそれほどすぐに得られなくても勉強のつもりでやってみたいのか、時間がかかってもやってみたいことなのかを自分に質問してみてから行うようにしましょう。もしかしたら、最初は「仕事をする」という選択ではなく、「将来のために勉強する」という選択になるかもしれません。それでもやってみたいと思うなら、目的に向かって進んでいけばよいでしょう。
長期的な目的に向かう場合は、ほかの会社にプラスで勤める選択肢もあり得ます。本業の会社からの許可がもらえるなら、ほかの会社に短時間勤務する形も検討しましょう。ただし、本業の会社には将来退職して独立したい、などの考えが伝わらないように気をつけないといけませんね。人に相談する場合も、社外の人にするように注意しましょう。
いずれにしても、副業をする、ということは、ある程度その仕事にも労力がかかりますので、本業や体力に影響が出ないように注意する必要があります。収入を少し多くするためが目的なのか、自分のやりたいことに携わるためが目的なのかを明確にし、無理のない範囲で行えるよう準備することが重要なのです。