ここ10年の間に、年金が充分もらえるのかといった先々の暮らしの不安や、給料が上がらないことなどの理由により、副業によって収入を増やしたいと考える人はますます増えています。エンジャパンの2017年度調査によると、ダブルワークをしたことがある人は3232人中56％と、2008年の調査以降最高を示し、ロート製薬、サイボウズなど副業を認める企業も増加しています。今回は、収入を増やしたいと副業を始めるとき、種類によってどんな注意点があるかについてお伝えしたいと思います。
1.始めやすいのがアルバイト
まず、副業にはどんな種類があるか、見てみましょう。副業には大きく分けて①アルバイト ②販売系 ③オーナー系 ③投資系 ④Web系 の5つの種類があります。その中で最も取り組みやすいのがアルバイトでしょう。エンジャパンの調査でも、回答者の61％が「単発の仕事を希望する」と答えています。今はアルバイト求人のサイトをスマートフォンで探し、ネットで単発の仕事を得る、なども簡単にできます。筆者の知人にも、なかなか求人が集まらないと嘆いている飲食サービス業で夜のアルバイトとして週何日か副業をしている人を見かけます。
そんな中、注意しないといけない点は、労働時間増加による疲労です。労働基準法により1社で働く場合なら、働く時間が法律に定められた時間を超えないように就業規則が作られ、超えると所定外つまり残業になりますが、副業で複数の会社で働く場合は、合計の労働時間は当然多くなっていきます。休日や夜に仕事をし過ぎて健康を損ねないように自分自身で気をつけていくことが大切になります。
2.そこそこ収入になる販売系
次に、あまり元手が必要なく、比較的簡単に始められて収入が得られるのが「販売系」の副業です。以前はヤフオクなどのオークションに自分の持ち物を出品して売る、というパターンが多くありましたが、それだと出品してから値段を付けて競り落とされるまでの期間お金は入ってきませんし、中には期待していた値がつかないケースもあります。今は、スマートフォンのアプリに写真を載せて手持ちの品物や、自分で作ったものを売るパターンが最も多いでしょう。その場合は、買い手がつけばすぐお金が入ってきます。
注意する点は、発送する労力や手間がかかることや、本格的に継続して収入を増やそう、と考える場合に仕入れが必要になってくる点です。商品が売れる度に自分で送る必要がありますし、出品を続けて収入にしたい場合には、手持ちの物では足りなくなってきます。本業や普段の生活に支障が出ないよう、どの程度関わるかコントロールが大切です。
3.「投資系」はリスク覚悟
その次に興味を持つ人が多く、実際に行っている人も見かけるのが株取引や投資信託、FXなどの「投資系」の副業でしょう。本屋には「初心者のための」と名前がついた多くの投資本が並び、ネット上にもたくさんの情報が溢れています。少ない金額から大きく収入を稼ぎたいときには魅力的な副業ですよね。
ただし、投資系の難しいところは「誰でもいつでも安定した収入は得られない」という点です。株式投資で数百万の損を出し、売ってもさらに損になるだけなので仕方なく持ったままだというのもよく聞く話です。取り組むなら勉強をしながら、預けっぱなしにはしない、という姿勢が大切です。
4.「オーナー系」は資金が必要
また、最近増えてきているのが、マンション・アパート経営やコインランドリー経営などのオーナー系の副業です。金融機関が低金利で個人に融資するケースが増加しているここ2、3年で会社員が副業として携わるケースが多くなってきましたが、これも、注意が必要です。
2017年現在金融機関は、正社員として安定した収入がある人には、頭金があまりなくても融資を簡単にする傾向がありますが、正社員であっても継続的に仕事がある、という保証はありませんし、賃貸物件が空いてしまって収入が安定的に入って来ない場合もあるのです。経営の努力が必要なことと、ある程度手持ちの資金に余裕がないとローンが払えなくなるなど暮らしの助けになるどころか、かえって生活を圧迫するリスクがあることを頭に置いておきましょう。
5.「Web系」は地道にできる人向き
最後に「Web系」は、ブログなどを書いて、そこに広告を貼り、ブログにアクセスした人が広告をクリックすると1クリックいくら、というように収入が入ってくる方法です。資金も必要なく、ネット環境さえあればどこでもできるので、比較的始めるのは簡単なほうでしょう。しかし、ブログの場合、毎日更新する、などの地道な努力が必要です。もし、あなたが書くことが好きで、続けられる、IT系のスキルがある場合には向いている副業ですが、放っておいたままでお金が入ってくるわけではないので注意した方がよいでしょう。
このように、収入を得る副業といっても様々な種類があり、気をつけるべき点も多くあります。大切なのは、あくまでも副業なので、適度にコントロールすることと、それなりの努力は必要なのだと認識しておくことです。
