知らないと損するかも?独立開業時に使える助成金・補助金とは
浅賀 桃子
2017/06/12 (月) - 09:00

独立開業を考えるにあたり、切っても切り離せないお金の問題。資金調達の手段を多く知ることは、独立開業を成功させる上で求められるといえます。さまざまな助成金・補助金がありますが、独立開業から時間がたってしまうと使えなくなってしまうものもありますので、知らないと損をする可能性も否定できません。独立開業時に使える助成金・補助金に焦点をあててご紹介します。

助成金・補助金の特徴

助成金・補助金の支給元は、国や地方公共団体です。融資とは違って返済義務がないお金であることが大きな特徴といえるでしょう。また、どちらも支払時期は「後払い」であることにも留意しましょう。

それでは、助成金と補助金の違いは何か、気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
助成金は、交付の主目的が雇用・労働環境の改善となっています。国や公共団体が示す受給要件を満たしている場合は原則すべての方が受け取ることができるお金です。つまり、受けられる会社等の数に制限がないということです。公募期間も基本限定されておらず、年中利用することができます。ただ、財源が雇用保険料からになりますので、雇用保険に加入していない会社は申請ができないことに注意しましょう。

一方補助金は、交付の主目的が経済・地域活性化となっています。要件を満たしていたとしても審査の結果受給できなくなる場合があります。審査では補助金を利用することでどれだけ社会に役立つ事業展開が行えるかなど、補助金を受けることの必要性を書類で示すことが必要になります。つまり要件を満たしていても、書類の記載内容によって交付を受けられるかどうかが決まるということです。また、助成金と異なり大半のものが申請受付期間が決まっており(数週間から1ヶ月程度)、受付期間を過ぎると獲得することができなくなります。

独立起業時に活用できる助成金・補助金

・地域雇用開発助成金
雇用機会が特に不足している地域(※1)と厚生労働省が認めた地域の事業主が、その地域に事務所を新設し、居住する求職者等を雇い入れる場合に助成が行われます。

・創業補助金
新たに創業した人が受け取れる可能性のある「創業補助金」。創業時に要した経費の一部を最大200万円まで受給できるというものです。平成29年度は5月8日より公募が開始されており、6月2日17時まで受け付けています。日本政策金融公庫や銀行など外部資金の調達がある場合は、対象経費の半額、最大200万円までの助成となります(外部資金調達がない場合は最大100万円)。5月8日以降に対象地域(※2)で創業し、事業実施完了日までに従業員(アルバイト可)を1名以上雇い入れた者が対象となります。採択数は150件が予定されています。

・各地域限定の助成金・補助金
各地方自治体が創業・起業支援として打ち出している施策も見逃せません。いくつかご紹介しましょう。

<香川県三豊市>
平成29年4月から30年2月まで、市内で開業し新たな事業活動を促進する個人および法人に対し、「みとよ創業塾」受講や市税滞納無しなどの要件を満たしていることを条件に補助対象経費の3分の2以内を上限に補助金を支給する「創業支援事業補助金」制度があります。

<兵庫県>
平成28年4月から30年2月までの間に、県外から兵庫県へ住民登録し、新たに起業するU/J/Iターン起業家を対象に、事業立ち上げ・移住に係る経費の一部を助成する「ふるさと起業・移転促進事業助成金」制度があります。助成の上限は200万円で、募集期間は29年9月28日までとなっています。また、女性起業家を対象とした同様の助成金として「女性起業家支援事業助成金」や、シニア起業家(平成29年4月1日時点で満55歳以上)を対象にした「シニア起業家支援事業助成金」もあります。

<福井県鯖江市>
鯖江市内で起業・創業する際の設備投資に係る経費につき、創業塾受講認定することを要件に、補助金額20万円を限度に支給する「創業スタートアップ支援事業補助金」があります。平成29年4月3日より募集がスタートしており、補助金ということで予算額に達すると受付が終了してしまいますので、検討されている場合は早めに専門家へ相談されるとよいでしょう。

いかがでしたか。特に各地方自治体からは案外多くの助成金・補助金の募集がかけられていることがわかるでしょう。
先述の通り助成金・補助金は後払いのため、開業資金として確保する目的ではほぼ利用できませんが、事業運営上使える資金を増やすという目的で積極的に活用されることをお勧めします。また、特に補助金は予算額に達した場合当初の予定公募期間よりも前に受付を締め切る可能性もありますので、最新の情報をインターネット等で確認しつつ、チャンスを逃さないようにしたいものです。

※1地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース) 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/chiiki_koyou.html
※2 平成29年度創業補助金
http://sogyo-shokei.jp/sogyo/

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