北海道共創パートナーズ(HKP)は、北海道に誕生した、これまでにないコンサルティング会社だ。北海道でナンバーワンのシェアを持つ北洋銀行と、株式会社日本人材機構が協力して設立。「伴走型支援サービス」といわれるコンサルティング手法や、現場でのリアルなやりとり、同社で働く魅力など、注目企業の素顔を、社長の岩崎俊一郎さんとコンサルタントの小鹿智史さんが明かしてくれた。
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北海道にひろがる、相談と信頼の輪
北海道共創パートナーズ(HKP)の特徴は大きく2つある。
1つは、業務内容の幅広さだ。地方企業の中には、戦略策定、組織制度設計、経営幹部の人材採用など、本来は経営企画部や人事部といった「本社機能」が担うべき分野に潜在的な課題を抱えている企業が多い。HKPはそうした地方企業の本社機能を代行・補完しつつ、顕在している経営課題の整理から、潜在的な課題の掘り起こし、解決策の検討・実行・フォローアップまでのサービスをトータルで提供している。
もう1つは、「伴走型」と呼ばれる支援スタイル。社員=コンサルタント1人ひとりが、経営者の伴走者となって、地方企業の持続的かつ自律的発展のために本質的な課題と向き合っているという。
今回インタビューした岩崎社長と小鹿さんはまさに、そんなHKPスタイルを開拓してきた二人だ。
―早速ですが、北海道共創パートナーズ(HKP)がどんな役割を果たしているのか、現状取り組んでいる事例を交えながらお聞かせいただけますか?
小鹿 智史(HKPコンサルタント)/
HKPの設立当初から関与しているサイン製造会社のプロジェクトをご紹介します。紹介する会社はサイン製造・設置のみではなく、大手テーマパークの造形物を制作している会社です。近年、テーマパーク市況は活況であり、積極投資が続いています。事業環境の好転により、その会社の売り上げは増加基調です。しかし、売上の増加に対し利益が伴っておらず、収益構造に課題を抱えていました。会長と社長はその原因を把握できずに悩む日々が続いており、北洋銀行の支店を通じて、「経営内容を客観的に見てほしい」というオーダーがHKPに入ってきたんです。分析を進めると、値付けと原価管理に問題があることが見えてきました。値付けは営業課長の決裁事項になっていたので、営業は受注したいがゆえに安易に値下げをして受注するという風潮がありました。しかし、その会社のものづくりは同業が簡単に真似できないことをやっているので、自信を持って値付けをしてくださいとアドバイスしました。
HKPコンサルタント 小鹿 智史
―具体的にはどのようにアプローチを?
小鹿 智史(HKPコンサルタント)/
原価管理といっても、社長が「やれ」と旗を振っただけでは機能しません。ですので、設計から営業、工場まで、全部の部門長を集めてプロジェクトチームを作りました。そのうえで我々から原価管理に必要なエッセンスを提案し、皆さんで話し合いながら細かいところをどんどん詰めていってくださいとお願いしました。最終的にはマニュアルを作り上げ、現在はそれに沿って動いています。プロジェクト着手当初から伝えていたのは、一気に精度の高い仕組みを構築するのは難しいので、状況を見ながら都度、マニュアルを修正していきましょう、ということです。また、このポジションを強化するには、こういう人も必要だよね、という意見も出てきたことでHKPの人材チームともコラボし、人材紹介契約を結び、実際に成約となりました。コンサルティングと人材紹介サービスが融合した好事例になりました。
―経営診断から、人材紹介まで、複合的に案件が出てきているんですね
小鹿(HKPコンサルタント)/
そこがHKPの面白いところで、いい傾向になってきていると思います。もう一段、さらに深く会社に関わってほしいということで、私が社外取締役として入らせてもらうことになりました。
―当初の利益面の課題も解決に向かっているのですね?
小鹿(HKPコンサルタント)/
我々が入る前の前期は赤字だったのですが、今期は経常利益ベースで黒字になりました。会長、社長ともに高く評価していただいています。経営者にかなり近い立ち位置で、経営者の悩みをなんでも受けとめて、それを解決していくことで信頼関係が作られていく、そんな象徴的な事例だと思っています。
汗をかけ。型にはまるな
―従来のコンサル会社のような「プログラムだけ作って終わり」ではなく、経営者の悩みに寄り添い続ける。そこがHKPの圧倒的な強みだと感じます
小鹿(HKPコンサルタント)/
経営陣との距離感が近いので、会長や社長、経理の部長クラスからも、しょっちゅう電話がくるんです。訪問回数についても一応、規約では月1、2回となっているのですが、実際はかなりの頻度で足を運んでいます。実はこの後も会うんですけれども。
―一方で、コンサルという形で突然会社に入っていった時に、社員さんたちがハレーションを起こすこともあるのではないでしょうか?代表は了解していても、現場の方はついてこられない…というような難しさについてはいかがですか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
そうですね。どこの会社でも「村社会」的なものはあると思っていて、地域の中小企業は、特にその傾向が強いかもしれません。外から来た人間に対して、はじめは「本当にちゃんとやってくれるの?」という目で見てくる。それは絶対あります。そのときに、北洋銀行とかHKPとか言っても、「ああそうですか」と言われるだけ。それを乗り越えていくためには、汗をかいて認めてもらうことしかないと思っています。最初は非常に厳しい目で見られていた経営者と、汗をかいてようやく信頼関係を作れたとします。ところが次に現場の人に会ってみると、ミーティングの時に遅れてくるとか、何にも話してくれない、というところからまたスタートになることもあるんです。その人たちとまた一緒になってやって、頑張ってるなと思ってもらえてようやく、向こうも乗り気になっていろんなことをやってくれる。そういう地道なことの積み重ねなんです。
―ある程度のフローみたいなものもあるとは思うのですが、型にはまったやり方があるわけではないのですね?
小鹿(HKPコンサルタント)/
そうですね。自分で開拓していく面白みもあります。コンサルティングは、担当者自身を信用してもらうことから始まります。岩崎さんもそうだと思うんですけれども、お客様からすれば、「岩崎さんだから発注する」という世界。HKPのスタッフ皆がそうだと思います。だからこそ、自身で発注を受けた案件の責任は重いですが、その期待に応えたいと日々汗をかいています。
岩崎(HKP代表取締役社長)/
社員の前に、経営者がまず本気になってもらうということも大事ですよね。
小鹿(HKPコンサルタント)/
そうですね。社長がその気になっていないと、コンサルティングで良策を提案しても組織が動かない。まず経営陣が本気になって、その温度感が社員に伝わっているか否かで、プロジェクトが成功するかどうかが決まるといっても過言ではありません。我々は、自分で提案したことが経営陣や職員に腹落ちされているか、もし何か動き出せないネックがあるならば、伴走して解決に向けて一緒に取り組むことを心掛けています。
多岐に渡る経営テーマを体験できる
―今の話でいうと、ハンズオンでやるというよりも、中の人たちに動いていっていただくという方がいいんですか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
基本的な立ち位置は「経営者の参謀」かなと思っています。
―先方にずっと常駐するわけでもないんですね?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
もちろん常駐もないわけでは無いです。それが望ましいケースであれば、今のHKPのメンバーは行く覚悟でやっていると思いますよ。
小鹿(HKPコンサルタント)/
確かに案件によっては、行くケースもあるかなと思います。ただ、今は我々のほうの供給が追いついていませんからね。
―ご自身のタスクコントロールもかなり難しいと思うのですが、1社あたり、何名でサポートに入るのですか?
小鹿(HKPコンサルタント)/
2人で入るケースが多いですね。慣れていない人がいる場合は3人で入ることもありますが。
岩崎(HKP代表取締役社長)/
でも、「あなたはこの会社の担当ね」という感じでひたすら1社のことをやっているわけではありません。各自が何社かを同時並行的に進めるような働き方なので、いろんな会社と日々接する機会があります。
HKP代表取締役社長 岩崎 俊一郎
―業界の特性に応じて、適したメンバーをアサインする、ということもあるのでしょうか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
こういうことをやってみたいという個人の希望も聞きます。業界軸なのか、テーマ軸なのか、業界もテーマも多岐に渡るので様々なチャンスがあると思います。例えば、テーマという点で言うと、調子が良い会社の売上を更に伸ばしていくようなこともあれば、調子が悪い会社の再生計画を一緒に作ることもある。その他、業務改善、組織改革といった様々なテーマがあります。そのような中でなるべく個人の希望を踏まえたアサインメントができるよう心がけています。
北洋銀行と日本人材機構によるシナジー
―北海道の産業界から感じる“HKPの存在に対する期待値”については、実際のところいかがですか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
おかげさまで、需要に供給が追いついていない状況です。HKPがお役に立てるような潜在的なニーズは、まだまだたくさんあると感じています。
小鹿(HKPコンサルタント)/
北海道の企業は、コンサルを利用したことがない会社が多いんですよ。身近な相談相手というと、税理士になってきますが、税理士の守備範囲も限られています。かといって信頼できるコンサルティング会社は北海道に多くはありません。その中でHKPは、北洋銀行と日本人材機構というバックボーンがあり、クオリティに関しても比較的安心感を持っていただけるというのはアドバンテージですが、受注後は当然ながら我々の頑張り次第なんです。
―北洋銀行の事業性評価、日本人材機構の伴走型支援、この2つがタッグを組んだことによって生じるプラスのスパイラルについて、具体的にどういった部分でお感じになっていますか?
小鹿(HKPコンサルタント)/
私は北洋銀行から出向しているんですが、銀行でやるコンサルには限界があると、今改めて感じています。考え方だとかスピード感、スキルもそうです。銀行の中にいると特段支障はないですが、コンサル業となると早い段階で限界が見えてきます。早期にHKPのビジネスモデルを軌道に乗せなければならない時に、日本人材機構さんのご支援は、本当に大きかったと思います。
岩崎(HKP代表取締役社長)/
正直、HKPに来る前は、地域の金融機関にあまり良いイメージを持っていませんでした。決められたことを粛々と、上の顔を見ながらやっていく、そういう誤った先入観を持っていましたが、実際HKPで銀行出向者の方々と一緒に働いてみて驚きました。 小鹿さんもそうですが、皆さんかなりアグレッシブで自身の成長に対して貪欲です。あとは志というか、気概があるなとも感じます。そういう方が特にHKPに出向されているということもあるのでしょうが、北洋銀行さんの人材の厚さというのは改めて、すごいなと思います。
責任と裁量が大きく、経験できる幅も広い
―そういった方達と働けるというのは、非常に魅力的なことですよね。他のコンサル会社などと比べてみて、成長感はいかがでしょう?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
僕は東京のコンサル会社で働いていたのですが、その時との違いで言うと、1人あたりの役割や責任が、HKPはかなり大きいと思います。それを楽しいと思えるかどうかは人それぞれですが、そのぶん、権限や裁量も大きく、成長スピードも早いということかと思います。
―役割や責任が具体的にはどのように大きいのでしょう?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
東京のコンサル会社の場合は、4、5人のチームで取り組むことが多いのですが、HKPは2人、多くても3人でチームを組みます。だから当然、1人あたりの役割や責任は大きくなります。しかもまだまだ会社としても立ち上げ期。これから来ていただく方もそういうタイミングでジョインしていただくことになるので、はじめからそれなりの責任や権限の中で活躍していただくことになります。
―1人ひとりが担う役割やインパクトも大きいということですね
岩崎(HKP代表取締役社長)/
はい。もう1点は、取り扱うテーマの幅広さです。僕はこれまで財務系と戦略系のコンサル会社を経験してきました。財務系のコンサル会社では当然、財務のコンサルしか取り扱いません。戦略系のコンサルは比較的幅広いんですけれども、財務系のことはあまりやりませんし、人材紹介等の人材サービスは行いません。その点、HKPでは、「経営者の参謀」という立ち位置なので、取り扱うテーマの幅は必然的に広くなります。コンサルの世界では近年、分業化、専門化が進んでいると言われますが、それとはちょっと真逆にあるといいますか。HKPが目指す「伴走型支援サービス」は、実はコンサルの「原風景」的なものなのかもしれません。
HKPに求められる人材像とは?
―1人あたりの責任や裁量が大きいとのことですが、入社直後の仕事面でのフォローについてはいかがでしょうか?
小鹿(HKPコンサルタント)/
ディレクタークラスの人が中心となってプロジェクトを進めていくので、いきなり、「はい、1人で行ってください」というのは、ないです。最初は研修期間もありますし、一緒に学んでいきましょうというスタンスですね。
―その経験の中で自分の引き出しが増えていけば、自ずと守備範囲も広がっていき、やがて1人立ちできるわけですね。社内の平均年齢は、どれぐらいですか?
小鹿(HKPコンサルタント)/
30代後半です。
―実際にどういった方が活躍していらっしゃいますか?活躍されている方の共通項があれば、ぜひお聞かせください
岩崎(HKP代表取締役社長)/
今いる社員を見渡すと、根が真面目で、謙虚で、でも冷めてなくて熱い想いみたいなものを持っている人が多い印象ですね。
小鹿(HKPコンサルタント)/
1つのプロジェクトを任されたら、うまくいかない状況が起こっても、最後まで粘って、なんとか終わらせられるような人たちですよね。逃げない人が多いと思います。それができなかったら任せられませんから。職場の雰囲気は非常に良いと思います。仲も良いですし、新しく入ってくる方は過度に心配しなくても良いと思います。
自分の成長を日々実感できる環境
―小鹿さんは入社されてどれくらいですか?またその後、自身のスキルアップにつながったと感じられるエピソードなどがあれば、ぜひお聞かせください
小鹿(HKPコンサルタント)/
私は創立時に入社したので、HKPで働き始めて2年になります。それまでは銀行で、法人営業や本部で事業承継、M&A、融資部では経営改善・再生系の審査業務を担当してきました。銀行員としてはいろんなことを経験させていただきましたが、HKPでは経営者の様々な悩みを聞くので、それに対応する業務範囲は圧倒的に広いと感じています。自分の守備範囲の悩みならすぐに応えられるのですが、守備範囲外の相談は、最初、どう対処すればいいか相当悩むと思います。そんな場面では先輩コンサルの近くで学びながら、1つひとつ自分の中に落とし込んでいくことが重要だと思います。その経験は次のプロジェクトで活き、自分の言葉として社長にぶつけることができるようになります。それが自信にもなるし、温度感が社長にも伝わって、受注にもつながっていく。そういうサイクルを自分で作っていくことで、自分自身もスキルアップしていくことができるんです。コンサルなので、一気に自分のフィールドが広がるということはありません。徐々にスキルアップできると思います。
―日々、自分の成長を感じられる仕事というのは、貴重ですね
小鹿(HKPコンサルタント)/
そうですね、なかなかないと思いますよ。銀行は与えられた業務やシステムの中でこなすというルーティン業務が多いので、自身の成長が止まっている感じがすることがあるんです。それがここに入ってくると、継続して成長していけるチャンスが与えられます。成長が止まるのも、続いていくのも、自分次第。自分の領域を広げることができれば、どんどん成長していける環境がHKPにはあります。
岩崎(HKP代表取締役社長)/
HKPが取り組んでいる地域の中小企業向けの「伴走型支援サービス」って、ありそうであまりないサービスなのかなと感じています。これをやったら絶対喜んでもらえる、というものでもなくて。今まさに伴走支援のあり方を模索し、日々ブラッシュアップしているような感覚でいます。東京から来て、いきなりお客様に伴走できるようになったかというと、決してそうではないんです。今まさに現在進行形で、もっといいやり方はないかな?と、日々サービスを改善しているようなイメージ。ですので、自分自身、2年前よりも今の方が確実にいい形で地域企業の経営者に向き合えている気がしていますし、それをもっともっと磨き上げていかなければならないと思っているところです。
―コンサルタントに求められる知識も幅広そうですね?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
ちょっと補足をしておくと、餅は餅屋という部分は当然あります。なんでもかんでも自分たちでやるわけではありません。当然、システムだったりとか、人事制度だったりという悩みに対して、我々も理解をして、どういう風にやっていかなければならないか、という基本の方向性までは一緒に考えていくのですが、あるところから専門性が必要な実務になっていきます。そこから先は、しっかりとした地元のアライアンス先を探して、一緒に協業していきます。そこのつなぎこみをきちんとしていくということが我々の大事な役割のひとつでもあります。HKPにいるメンバーが全てについて詳細に詳しい人間でなければならないということではありません。ただ、経営者が悩んでいることに対して、同じ目線で悩みをしっかりと理解して、どうすればいいのか?というところまで一緒に考える。その先は然るべき専門家につないでいけばいいんです。
HKPに求められる人材とは?
―需要に供給が追いついていないというお話でしたが、これから募集する新メンバーには具体的にどういったパフォーマンスを期待していらっしゃいますか?
小鹿(HKPコンサルタント)/
今絶対的に不足しているのは、会計・税務の専門知識を持っている人材です。一方で、最初は数字が分からなくても、リクルート出身の方とか、組織系のコンサルファーム出身の方でも徐々に数字の方に詳しくなっていくケースもあります。ですので、まずは自分のやってきたことに自信をもってアピールして欲しいですね。我々としても、その方が活躍できる環境づくりを考えながらアサインしていきたいと思っています。
岩崎(HKP代表取締役社長)/
地域の中小企業の経営と向き合っていくなかでは、最後は業績とか、その会社をどうやって持続させていくかという数字の部分、財務の部分が必要になってくるので、そこに関する最低限の素養は必要不可欠なのかなと思っています。決算書が読めないで経営者と対峙できるかというと、なかなか難しいと思うので。そういう意味では、会計士の経験や知識を持っている方は、前提条件としては理想的です。とはいえ、それはあくまでスタートライン。どうすれば経営者の深い悩みに応えられるか?どうすればお客様にもっと喜んでもらえるか?を楽しみながら考えることができるような人が向いているように思います。受け身ではなく能動的な人にとっては、かなり面白い仕事なんじゃないかなと思います。
小鹿(HKPコンサルタント)/
私も同感です。そういう能動的な人にどんどん来てほしいですね。それが会社の成長にもつながると思っているので。
東京から移住して感じる、生活品質の向上
―続いて、北海道での暮らしについてもお伺いします。岩崎さんは東京からこちらにいらっしゃったのでしょうか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
はい、僕はそうですね。
―東京と比べて、生活コストの面などを含め、北海道の暮らし心地はいかがですか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
家賃以外の生活コストはそんなに変わらないかと。個人的にいちばん良いと思うのは地味ですけど通勤時間です。僕は東京にいた時、通勤ラッシュがすごく嫌で、なるべく都心に近いところに住んでいたんですけれども、それでも満員電車に遭遇することもあって、嫌だなって思っていたんです。けれども今の通勤時間は、ドアToドアで15分くらい。通勤時間って毎日のことなので、その積み重ねは生活の質を考える上で馬鹿にならないと思います。
―ご家族で移住してこられたのですか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
はい。家族全員で北海道に来ました。こちらに来て、週末の楽しみ方も変わりました。車で20?30分行ったら、雄大な自然があるので、東京にいた時よりも、子供に対していい経験をさせてあげられているなと感じます。
―もともとこちらにゆかりがあった訳ではないんですか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
ゆかりはないです。ですから来る前は不安もありました。でも人生1回ぐらい、自分の知らないところに住んでみても面白いんじゃないかなと思ったんです。実際、飛び込んでみて、ひどい目にあったかというと、全然そんなことはなくて、むしろ豊かな生活がありました。
自分の将来像を考える中間地点にしてもいい
―東京には北海道出身の方も多いと思います。Uターンを考えている方にアドバイスなどありますか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
いつかは北海道に戻りたいけれども、北海道のどの企業に転職すればよいのかわからないという人は一定数いると思っています。そういう人にHKPに加わってもらうのは、非常にWIN-WINになるんじゃないかなと思います。なぜかというと、HKPでお客様と向き合っていると、場合によっては経営者の右腕を探してくれとか、こういう人材を探してくれというニーズが出てきます。最終的にその会社に「自分が行きます」というソリューションもあるんですよ。自分が北海道という地を舞台に、どういう風になっていきたいのか?ということを考える中間地点としても、HKPは非常にいい場所なんじゃないかと思っています。
―なるほど。HKPにはそういう「活用法」もあるんですね
岩崎(HKP代表取締役社長)/
HKPはバックグラウンドもしっかりしている会社。だからもともと北海道出身で、本州で活躍されている会計士の人とかにとってみたら魅力的だと思うんです。家族の事情などで北海道に戻ろうとした場合、独立するのか、どこかの企業に勤めるのかという選択を迫られます。でも独立までの助走期間として、HKPで5年とか10年とか、経験や人脈を蓄えるのもいいと思うんです。独立するにしても、ある程度、道内の会社やHKPと関係ができていたほうが、軌道に乗りやすいかもしれませんし。将来、民間の企業に勤めるにしても、HKPで経験を積んだほうが、自分に合う企業とマッチングする機会が多いですしね。
―都心で働いている方がいざ地方に転職したいと思っても、地方の企業にどうやってアプローチをすればいいのかがわからない。そこが高いハードルになってしまっているのではないかと感じるのですが、選考フローにおいて何か工夫はされていらっしゃいますか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
自社採用ではWEB面談もやっています。お客様の求人をお手伝いする際にも、対象が東京の人材だったりすると、パッとWEB面談を用意することもあります。
小鹿(HKPコンサルタント)/
今のところ、何回かWEB面談を行って、最終的に岩崎社長と直に会っていただく、という工程を考えています。最後は直接会って、お互いの人柄やフィーリングなどを確かめ合うことも大事だと思っていますので。
―移住者や転職者に対するサポート体制はいかがですか?
岩崎(HKP代表取締役社長)/
自分も含めて、東京から来ている人が、社内にたくさんいます。メンバーの半分くらいはそうじゃないかな。
岩崎(HKP代表取締役社長)/
同じような経験を持つ先輩がたくさんいるので、その人たちからのアドバイスが何よりのサポートになるはずです。新しい仲間を、メンバー全員、待ち望んでいます。我々の志に共感してくださる方はぜひチャレンジしてほしい。一緒に北海道を元気にしていきましょう!
株式会社北海道共創パートナーズ
「北海道のビジネスの触媒でありたい」を合言葉に、これまでの銀行・コンサルティング会社の枠にとらわれない新たなサービス・需要を創造するために設立。親会社は株式会社日本人材機構で、道内でトップシェアを誇る地銀・北洋銀行も資本参加。北海道の各地域に根ざしてきた地方企業の経営課題に対し、経営者との伴走を通じて、「財務」「人財」を中心とした幅広い解決策を提供している。
- 住所
- 北海道札幌市中央区南1条東1丁目2番地1 太平洋興発ビル4F(本社)
- 設立
- 2017年9月27日
- 資本金
- 4950万円
- 事業内容
- ①経営に関する問題点の調査・分析、改善案の企画・立案 ②企業戦略の立案、システムの構築および事業承継に関する支援 ③人材育成のための研修業務 ④有料職業紹介事業(01-ユ-300467)など