「働き方改革」は政府の重要政策の一つに位置づけられており、2019年4月1日より、働き方改革関連法案の一部が施工されました。企業のなかで、残業をできるだけ減少させることが求められているため、働く側にとっては、限られた時間でできるだけ仕事の効率を上げる必要があります。ここでは、仕事の質を上げるために役立つ方法を紹介しましょう。
朝の時間を有効に使う
まず1つ目は、朝の時間を有効に使う方法です。朝起きたら、まず、脳の働きを一旦止め、休息させるマインドフルネスを呼吸法などで行い、脳の活性化を図ります。通勤中の車内ではスマホをただ見ているのではなく、頭の中だけでよいので、「今日の1日をどう過ごしたいか」意図を設定し、仕事の段取りを考える時間として有効活用するとよいでしょう。車通勤の人も同じように活用できますね。
人の脳というものは、自分が意図した方向にその思考がフォーカスされ、アンテナが張り巡らされるものです。「今日は、スイスイと物事が進んで楽しい日にする」と設定するのと、「今日も1日大変だよなあ。嫌だなあ。」と思ってしまうのとでは、1日の過ごし方が変わってくるのです。さらに、通勤中に歩く時間がある人は、無心に速足で歩くとよいでしょう。運動にもなりますし、ストレスの解消にもなります。
出社し午前中に行うこと
会社に着いて、始業の時間になったらゆっくりコーヒーを飲む、朝食を食べる、などの余計な時間は取らないようにしましょう。それは、朝起きて家で行うか、始業前に行うことです。
通勤時間中にある程度考えたものをもとに、1日の段取りを決めます。重要なのは、「やらないこと」を決めることです。計画を立てても、イレギュラーなことも入ってくるかもしれないので、何もかもきょう行っていたら時間が足りなくなってしまいます。「きょうすぐやること」と「この1週間ではやること」と「もう無駄なのでやらないこと」を分けましょう。
メールチェックは1日3回朝と昼食後と16時、など時間を決め、その時間以外はチェックしないようにします。午前中に「きょうすぐやること」を即始めるようにしましょう。タイマーをセットするなど、1時間集中し業務を行います。1時間集中したら5分休憩、のように、休憩時間は長々とは取りませんが、人はずっと集中し続けるとかえって効率が落ちますので、適宜ブレイクを入れるようにします。
お昼以降のポイント
次に、お昼以降のポイントです。昼食は、野菜や肉魚などのタンパク質も多く取ってバランスのよい食事がおすすめです。食べる順番も重要だというのをご存知ですか? 炭水化物を先に多く食べると血糖値が急激に上昇し、眠気が襲ってきます。野菜から先に食べるようにすると防ぐことができます。
バランスのよい食事だったとしても、昼休みの時間の最後の10分くらいで可能ならデスクや戸外などで昼寝の時間を取ると、午後は頭がスッキリします。昼寝は会社全体で推奨しているところもあるほど、午後の頭の働きによい影響を与えます。昼休みではなく、午後の1回目の休憩のときでもよいので、ぜひ試してみてください。
また、業務のなかで、ときに他のメンバーと話をする時間も必要ですよね。朝書き出した「すぐやること」に、打ち合わせ、話し合いなどが必要なら時間を取っておきましょう。メンバーから相談などの話しかけがあった場合、すぐに対応すること難しければ「〇時からでもいい?」と時間を設定するようにします。打合せなどは、最初に時間を決めて20分、というように必ず時間内で行うようにしましょう。最近は、会社によっては効率的に速く終わらせ、頭も活性化する、ということで、立ったままミーティングを行うところもあります。なかなか会議が終わらない、というような会社は、検討してみてはいかがでしょうか。
そして、どうしてもこの日じゅうに終わらせないといけない仕事はできるだけ速く終わらせ、余った時間があれば、「1週間以内にすること」に設定した内容に時間を有効活用するようにしましょう。
マネジメント職の場合
最後に、自分がマネジメント職の場合に必要不可欠なポイントについてです。その場合は、自分だけが取り組んでもなかなか効率化にはつながらない恐れがあります。「このような時間の使い方をしていかないと、残業なしに仕事を終えることは難しいのだ」ということを部署全体に伝え、どうすれば効率的にできるかをみんなで考え共有するようにすることが重要です。一度効率化、活性化をテーマにした会議を開いてコンセンサスを取る必要があるかもしれませんね。
また、マネジメント職でない人も、周りがこのように納得して動いてくれないと、なかなか残業なしに仕事を終わらせることは難しい場合があるでしょう。上司に「部内でこういったコンセンサスを取りたい」と自分から提案するのも一つの方法です。
いかがでしたか?「働き方改革」とは一見組織で働く人たちに優しい改革のように思えますが、実は働く側にも多くが要求される改革です。仕事の質を上げつつ速く終わらせるように意識し、終業後の時間は自分の時間として、充実した人生にしていきましょう。