フリーランスや副業人材の活用を促進!地方にこそ必要なDX化とは?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2021/10/30 (土) - 12:00

2018年、経済産業省は『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』というレポートを発表し、2025年には少子高齢化やDX化の遅れで、12兆円以上の経済損失が出ると予測しました。

このようなレポートもあって、現在IT業界ではDX化が急ピッチで進んでいますが、DX化は地方にこそ必要なことなのです。今回はDX化が地方に必要な理由とそのステップ、人材活用の促進などについて考えていきます。

経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」とは?

冒頭のレポートの題名に記された「2025年の崖」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?このレポートは、経済産業省が主催する「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」が2018年にまとめ、その内容を経済産業省が発表したものです。

レポートでは、少子高齢化が進むことにより2025年には人口の年齢別比率が変化、超高齢化社会が到来し労働力が不足すると警告しています。これは予測などではなく確実な転換点で、影響は日本の経済界全体はもちろんIT業界にも深刻な影響を及ぼします。

労働力不足はIT 人材の不足を招き、既存 IT システムの複雑化、老朽化、ブラックボックス化が進むことになります。もし2025年までに企業としてのDX化が達成されない場合、セキュリティの課題や各種アプリなどのサポート終了による弊害が深刻化するとレポートでは予測されています。

少子高齢化による労働力不足や非DX化による効率の悪化が重なれば、日本の経済界では最大で年間12兆円の経済損失が生じると推定されており、これが「2025年の崖」と呼ばれているのです。これは何も企業の本社が集まる首都圏だけの問題ではなく、地方の企業でも事情は同じです。

DX化できなかった場合のデメリットばかりが注目されていますが、DX化は地方の企業にとってはこの上ないチャンスでもあります。DXは、地方と首都圏の差を無くすデジタルソリューションでもあるのです。

DX化へのステップ

DX化は推進しようと考えても、一足飛びに実現できるわけではありません。実はDX化には適切なステップがあります。それが「デジタイゼーション」、「デジタライゼーション」、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」というステップです。それぞれに確固たる定義があるわけではありませんが、それぞれの意味と目的は以下のようなものです。

・デジタイゼーション
アナログ情報をデジタル化して利便性を上げ、業務効率向上やコスト削減に寄与させることをデジタイゼーションといいます。このステップはアナログデータやアナログ的な作業をデジタル化し、データをシームレスに(継ぎ目なく)活用できるようにすることが主たる目的です。

・デジタライゼーション
デジタイゼーションと同様にデジタル化の意味で使われることもありますが、本来は単なるデジタル化ではなく、デジタル技術によって事業の付加価値を高めたり、新しい価値を生み出したりすることを目的としています。

・DX(デジタルトランスフォーメーション)
デジタイゼーション、デジタライゼーションの最終形としてDXは位置付けられています。

DXとは、業務プロセスや組織、企業文化などもデジタルで変革し、競争上の優位性を確立することを指します。また広い意味では、企業だけでなく社会常識まで変えるような変革も生み出します。良い例としては、スマートフォンがキャッシュレスアプリによって決済機能を持ち、通貨のデジタル化が普及したことなどが挙げられるでしょう。

このようにDXまでにはステップがあるのですが、多くの企業はデジタライゼーションの段階で足踏みしているのが現状です。このような状況から、経済産業省はレポートを発表し、警鐘を鳴らしています。

デジタライゼーションやDXはフリーランス人材や副業人材が活躍できる機会に

なかなか最終段階まで進めることが難しいDXですが、デジタライゼーションを進める段階では非常に多くの「仕事」を生み出すことが特徴です。デジタライゼーションやDXは、フリーランス人材や副業人材が活躍できる機会も多く生み出すといえるでしょう。それには以下のような理由があります。

・デジタルデータの情報処理案件が増える
アナログ的な作業を可視化しデジタル化が進むと、それを情報処理することが必要になります。このような作業は社内にエンジニアがいない企業では難しく、またエンジニアやプログラマーがいても、通常業務以外の仕事になるので対応が難しいのです。結果として外注やツールの力を借りることとなり、情報処理案件が増えることになります。

・デジタル化で仕事が切り出しやすくなる
上記と同様の内容ですが、業務をデジタル化することで、仕事として切り出しやすくなります。今までは属人化していてその人しかできなかった業務も、プロパーよりコストの安い外注(フリーランス人材や副業人材)に発注できる機会が増えます。

・DX推進の経験を持つ人材が求められている
デジタイゼーションやデジタライゼーションなど、DXを推進したことのある人材であればあらゆる企業で仕事の機会が増えています。前述のように社内にはなかなか人材がいないので、経験豊富な情報処理のできる人材が引っ張りだこになっているのです。

地方活性化にDXは必須(まとめ)

デジタイゼーションやデジタライゼーションなど、DXの推進による業務効率化は、地方の企業にとって大きなチャンスとなります。人材不足が深刻な地方では、業務の効率化、省人化、商品やサービスの価値向上を行うことによって、首都圏との格差を縮めることができるからです。DXは地方活性化の機会であると同時に、フリーランスや副業人材の活用が求められる良い機会でもあるといえるでしょう。

<参考URL>

「DX」と「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」は何が違う?デジタルトランスフォーメーションをわかりやすく解説
https://www.lanscope.jp/trend/19005/

DX推進企業で、副業人材の活用が進む
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000050142.html

デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(PDF)|経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf

デジタルトランスフォーメーションレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~(PDF)|厚生労働省
https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010-3.pdf

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