車がなくてもまったく問題なし?!クルマ必須と思われがちな地方移住での交通事情とは?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/02/14 (月) - 16:00

車がなくては生活できない、一人一台が必須などと言われる地方での交通事情ですが、地方移住の際に車は必ず必要なのでしょうか?もちろん持っていれば便利に使える車ですが、購入費用や維持費もかかり、その経費はバカになりません。地方移住に車はどうしても必要で、代わりの手段はないのでしょうか?また、どうしても必要ならば経費を抑える方法はないのでしょうか?今回は、移住に関わる地方での交通事情と代替手段などについて解説していきます。

地方移住の課題に必ず入っている車の問題

地方移住を検討している方々に「地方移住の課題と考えていることは?」と訊くと、答えに必ず入っているのが「仕事・収入」、「住居」、「人間関係」、「交通手段や車の経費」などです。中でも移住してから思っていた以上に経費がかかり、生活費を圧迫するのが車の維持費だと言われています。たしかに首都圏においても、購入費用、車検代、点検費(オイル、タイヤなどの消耗品交換)、修理費、駐車場代、ガソリン代、税金と、車を維持することはとても大変です。

事実、首都圏に比べて地方は公共交通機関が少なく、あっても不便なことが多いので地方での生活にクルマは必須だと考えるのは無理もありません。ですが、すべての地方がそんなに不便で解決策はないのでしょうか?車がなければ地方での生活は成り立たないのでしょうか?

事前の調査と工夫次第で不便の解消は可能

地方における公共交通機関の不便さは、急に始まったことではありません。もちろん企業の都合で廃止となる鉄道やバスもありますが、ほとんどの場合は事前の調査でその地域の不便さや公共交通機関改廃の情報は手に入れられるはずです。つまり公共交通機関は移住してから不便になったわけではなく、もし移住後に交通の不便を感じたのであれば、それは事前の調査が足りなかったのだとも言えます。移住を考え始めた時には仕事や住居のことを真っ先に考えてしまいますが、日々の生活に必要な公共交通機関などの情報収集も怠らないようにしましょう。

まずその不便さや車を持つことがどうしても許容できないのであれば、その地方への移住をあきらめるという判断が必要です。たとえば自分や家族に持病があり、緊急に病院に行く必要性などがあれば、このような究極的な判断をしなければならないでしょう。

あらかじめ調査の上、その地域の公共交通機関が不便であるとわかっていれば、車がないことを前提にした代替手段はいろいろと考えられるはずです。たとえば緊急性がなく普段の生活に関わる不便さだけを解消したいのであれば、電動自転車やスクーターで車の代用をすることも考えられます。また通勤や通学の問題であれば、朝夕はそれなりに利用できる本数を増やすなど、公共交通機関も地元住民の利便性を高めようとしているはずです。公共交通機関と自転車などを組み合わせれば、通勤・通学の問題や日々の生活に関わる問題は、ほとんど解決できるでしょう。

それでも小さい子どもがいて夜中に熱を出すことがある、もしくは雪の多い地方で日々の生活にはどうしても車が必要、という事情もあるでしょう。そのような場合にはどのように対処すれば良いのでしょうか?

若者の車離れ。要因は経済的理由

車が地方移住の課題となっている要因は、冒頭でも書いたように購入費用と維持費です。近年は若者の車離れも進んでいると報告されていますが、その理由はどのようなものでしょうか?

月額定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイル株式会社が、東京を除く全国の新成人に調査した結果によると、生活に車が必要だと答えた人は全体の62.2%となりました。このうち車を持っている人が67%で、持っていない人は33%。つまり車がないと不便だと思いながら、持っていない若者が3割ほどいるのです。同調査によると、その理由は以下のようなものでした。

・経済的・金銭的理由 52.1%
・免許がないから 26.3%
・学生だから 6.6%
・家族・知人の車があるから 4.8%
・その他 10.2%

引用:ナイル株式会社「【地方の新成人を調査】車が必要なのに持っていないのは33.0%」

本調査の結果から、地方在住の可処分所得(総収入のうち、自由に使える手取り収入)が多いと思われる若者であっても、車を持てない理由は「経済的・金銭的理由」であることがわかります。地方での生活に車を役立てるには、購入費用や維持費のハードルを下げることが有効な手段だと言えるでしょう。

車所有の経費を安くする方法は?

車に関わる経費を大別すると、購入費用とその後の維持費に分かれます。この2つの負担を大きく軽減できるのが、カーリースや近年利用者が増えている車のサブスクリプション(対象を一定期間利用できる権利に対して定額料金を支払うシステム)です。

この2つは毎月定額を支払って車を利用できるシステムですが、カーリースはリースアップ時(リース契約が終了したとき)に残金を払って購入するか、再リースを行うかを選択することができます。サブスクリプションは毎月定額を払って車を利用するレンタカーに近いシステムで、長く料金を払い続けたとしても車は自分の物にはなりません。

どちらも車を購入する必要はなく、税金や車検費用(カーリースはリース会社によって違いがある)なども一般的にはかかりません。このようなシステムを利用すれば車を所有することはできませんが、リース代金やサブスクリプションの費用に加え、ガソリン代と駐車場代、消耗品代程度で利用することが可能になります。

まとめ

家族に小さい子どもがいる期間などはカーリースやサブスクリプションを活用し、その後は代替手段と公共交通機関でその地域に合った生活を過ごしていく。このような柔軟な姿勢が地方移住をより安全に、そして快適にするコツと言えるでしょう。

<参考>

【地方の新成人を調査】車が必要なのに持っていないのは33.0%
https://prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000047.000055900.html

《コラム》自家用車を持たない田舎暮らしを考えてみた
https://tajimalife.jp/event/3844.html

地方移住に自動車は必須。大きな出費だけど、必要な理由を考えてみた。
https://machi-log.net/?p=62321

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