田舎移住で教育事情はどう変わる!? そのメリット・デメリットをご紹介!
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/03/23 (水) - 18:00

認定NPO法人のふるさと回帰支援センターが2021年に発表した「2020年の移住相談の傾向、移住希望地ランキング公開 」によると、センター利用者(移住希望者)のうち、20代〜30代が50%を超えていることがわかりました。以降は40代(23.7%)、50代(16.5%)と続いていくのですが、移住希望者全体の半数以上が子育て世代とも言えそうです。こうなると気になるのは田舎の教育事情ですが、移住すると都会とはどのように変わるのでしょうか?今回は移住における教育事情の変化や、そのメリット・デメリットについて解説していきます。

子育て世代の田舎移住が増えている

冒頭で書いたように、ふるさと回帰支援センターを訪れる移住希望者の半数以上が20代〜30代なのですが、この調査では移住のタイミングについても調査しています。それによると「今すぐ(1年未満)」が33.2%でダントツに多く、20代〜30代で既婚者ならば、まさに子育て真っ最中の移住を希望している可能性があるのです。

地方移住のメリットをランキングすると、必ず上位にランクされるのが「住居費や食材が安く、生活費を抑えやすい」、「自然豊かな環境で生活できる」、「子どもをのびのびとした環境で育てられる」など、暮らしやすさのメリットです。特に物価という点では地方は都会に比べ総じて安く、移住すれば生活しやすいのは間違いないでしょう。そしてここで問題となってくるのがSESという考え方です。

SESが問題になっている

SES(Socioeconomic Status)とは、親の所得や学歴、職業など、経済的、文化的、社会的な要素を統合した概念で、家庭の社会経済的地位と呼ばれます。この地位(ステータス)が高ければ高いほど、子どもにとって有利な教育環境を用意できると言われており、中でも一番の問題となるのが親の所得(経済的なステータス)です。所得のうちどれだけの金額を教育投資に割けるかで、子どもの教育水準が決まってしまう可能性があるのです。このSESを解決する一つの答えが、田舎への移住に隠れています。

田舎の教育事情、そのメリット・デメリットは?

教育事情に関わる田舎移住でのメリット、デメリットを整理すると以下のようになります。

メリット

・土地・家賃、物価が安く教育に投資できる
都会で固定費として一番家計を圧迫するのは、住居費用でしょう。教育事情に関わる田舎移住での一番のメリットは、家計のうち子どもの教育に割ける投資金額を増やせることです。

・親が子どもに関われる時間が多くなる
家計に余裕が生まれれば、パートなどに出る必要が無くなり、子どもとふれあえる時間が増えます。これは子どもの情操教育(感受性や心、人間力を育てる教育)上も好ましいことです。

・自然が豊かな環境で子育てができる
田舎の豊かな自然は子どものストレスも減らし、何よりの情操教育となるでしょう。

・健康面の促進
外で遊べる機会が多くなることは、体力はもちろん健康面でのメリットも多いと言えます。また都会のように自動車(排気ガス)や工場(排煙)、ホコリなども多くないので、気管支系の弱い子どもにとっては良い環境です。

・子育て関連の支援制度が充実している
地方自治体に依りますが、少子高齢化が進む地方では子育て関連の支援制度が充実している場合があります。詳細は移住を希望する自治体のホームページを確認してみましょう。

・地域とのコミュニケーション
地域住民とのコミュニケーションが「濃い」ことはデメリットとも言われますが、子育て世代にとってはメリットの方が多いでしょう。地域の子ども達との交流が多いことはもちろん、いわゆる村社会は不審者の排除にも有効です。

・待機児童の心配が無い
少子高齢化が問題となっている地方では、保育園や幼稚園の待機児童がほとんど発生しません。もし両親が働く場合でも、安心して子どもを預けることができます。

デメリット

・教育格差が心配
都会と地方の教育格差は、ほとんどのランキングで一番のデメリットとして挙げられます。これには以下のような事柄が大きく関わっています。

・教育施設が限られる
都会に比べ私立の中学校や高等学校が少なく、学校の選択肢が少ないことはデメリットと言えるでしょう。また塾や予備校など、補助的な教育機関が少ないことも地方の特徴です。

・習い事が限られる
一般の教育だけでなく、ピアノや習字などの習い事が少ないことをデメリットと考える親御さんも多いようです。

・文化施設が少ない
都会に比べて美術館や博物館などの文化施設が少ないことも、デメリットといえます。これは子どもの情操教育にも関わってきます。

・登下校に時間がかかる
都会に比べて交通事情があまり良くないので、通学に時間がかかるのが一般的です。自転車で通学する場合は、交通安全への対策も十分に考える必要があります。

デメリットへの対処方法

上記のようなデメリットへの対処方法は、大きく2つです。実際には個々の事情に合わせてメリットとデメリットを比べて総合的に判断する事になりますが、ネットの利用と事前の調査で多くのデメリットを解消することができます。

●教育格差の多くはネットの利用で解消できる
新型感染症感染拡大の影響で、多くの教育機関(特に塾や予備校など)ではネットでの講習が受けられるようになっています。このようなシステムを利用すれば、都会と遜色ない高品質な教育を地方でも受けることができます。また習い事の多くも、オンライン授業に対応するようになってきています。公的な教育機関以外の補助的な教育は、もはや田舎移住のデメリットではないかもしれません。

●教育施設や文化施設の有無は、事前に調べられる
私立校が近隣にないことや文化施設の有無は、事前に調べることによってあらかじめわかることです。これらの施設が無いことがどうしても許容できないのであれば、移住自体を考え直す必要があるでしょう。移住の検討時には、調べられることは先に調べておく(インターネットの利用や地方自治体が用意した相談窓口など)ことが重要です。

まとめ

地方自治体は少子高齢化解消のため、子育て世代の移住には積極的に応じています。移住に際しては助成金をはじめ、多くの支援制度が用意されていることが多いので事前の調査や相談を念入りに行いましょう。

<参考>

【都会と田舎の格差】田舎の教育環境デメリットとメリット
https://www.chihouiju-de-inakakurashi.com/inaka_kyouiku_kakusa/

【リアル】田舎で子育てするメリット・デメリットとは?都会から移住した3人の子どもを持つ母がリアルを語る
https://weels-media.net/2021/07/26/raisingchildren-countryside/

子育て環境は田舎と都会はどちらがよい?違いやメリットとデメリットを解説!都会はかわいそう?田舎は教育格差がある?
https://bsc-int.co.jp/media/3163/

コロナ禍で関心が高まる地方移住、メリットとデメリットを考える
https://finance.recruit.co.jp/article/n026/

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