利用価値大の空き家バンク!そのメリット・デメリットとは?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/04/26 (火) - 19:00

地方移住を考えたときに、いきなり住居を購入する人はなかなかいないのではないでしょうか?まずはネットでの調査から始め、相談窓口で様子を聞き、移住体験などを通してその土地への理解を深めていく。こんな流れで、地方移住を行う人が実際には多いようです。それでも安くない買い物である住居の購入には、二の足を踏むことでしょう。そんな時に役立つのが、各地方自治体が移住者のために用意している空き家バンクです。まずは空き家バンクで住居を借り、地方移住を楽しみながらいずれは住居の購入へ、と考える人が現在は増えているようです。今回は空き家バンクの概要からそのメリット・デメリットを解説していきます。

空き家バンクとは?

「空き家バンク」とは、地方自治体や地方自治体から委託を受けたNPO(非営利団体)が、その地域の空き家情報を提供しているサービスのことです。空き家バンクとは通称で、実際には各地方自治体によって固有の名称が付けられていることがほとんどです。ただしサービス内容はほぼ同じで、地域で住居を貸し出したり売却したい持ち主が、空き家の情報を登録できる仕組みになっています。

もともと空き家バンクは、過疎化や少子化によって増えてきた空き家の再活用を目的に始まりました。人が住まない家は荒れ果ててしまうことが多く、このような空き家が犯罪の温床になったり、火災になったりすることを防ぐ目的がありました。近年の地方移住ブームによって別の目的が増え、活用も促進されていますが、空き家バンクは地域と貸し手、借り手がそれぞれウィンウィンの関係になれる、とても合理的なシステムなのです。

一方で、住居を貸し出したり売却したりする役目を持つ一般的な産業は不動産業です。不動産業と空き家バンクは、何が違うのでしょうか?一言で言ってしまえば、利益を優先した、いわゆる商売が不動産業、利便性を優先した行政サービスに近いものが空き家バンクです。

ただし「では圧倒的に空き家バンクが得ではないか」と考えるのは早計です。空き家バンクにもメリットとデメリットがあるのです。

空き家バンクのメリット・デメリット

空き家バンクには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

●メリット

賃貸の費用を抑えることができる

空き家バンクを利用した場合の一番のメリットは、賃貸に関わる費用を低減できることです。不動産業者を介した賃貸と違い、空き家バンクの利用では基本的に手数料が発生しません。また通常は、数年ごとの更新手数料なども発生しません。移住にかかる費用を少しでも節約したいのであれば、空き家バンクの利用がおすすめです。

補助や助成金が用意されている場合がある

空き家バンクを利用した賃貸や購入には、地方自治体が補助や助成金を用意している場合があります。この制度を利用できる基準や金額などは各自治体によって違うので、移住を希望している地域の地方自治体に確認してみましょう。

地方活性化に貢献

先述のように空き家バンク本来の目的は、地方に増えている空き家を活用してもらうことです。この制度を利用して空き家を活用することで、少子化や過疎化が進む地域の活性化に貢献することができます。

●デメリット

詳しい情報が載っていない場合がある

空き家バンクには、民間の不動産業者のように物件に関する詳細な情報が載っていないことがあります。これは物件へのいたずら防止の目的もあるようですが、基本的には現地に行って物件を見ることが一番確実な住居の確認方法です。

所有者との直接交渉が基本

空き家バンクというシステムは提供するものの、地方自治体は商談過程に介入しません。

不動産業者も商談過程に介入しないということは、賃貸や売買に関わる交渉や契約をすべて自分が所有者と行わねばならないということです。最終的に契約を結ぶ場合には専門家を交えて書面を作成すべきですが、基本的な交渉は自ら行うことになります。

トラブルは自分で解決する必要がある

住居を賃貸した場合に一番問題となることが多いのは、借りたときには判別できなかった瑕疵(住居の傷や不具合箇所)の修繕費用です。このようなトラブルを防ぐにはしっかりとした契約を結ぶことが大切ですが、いざ問題発覚となった場合には自分で交渉しなければならないことも覚えておきましょう。

空き家バンクに不動産業者が登録されている場合もある

空き家バンクという名前のシステムになっていても、実際には不動産業者の連絡先が記載されている事もあります。これは決して地方自治体が手を抜いているわけではなく、上記のような契約の面倒さや賃貸後のトラブル頻発が影響しているものと思われます。このような場合でも、空き家バンクの利用で補助や助成金が出る仕組みになっていることが多いので地方自治体に問い合わせてみましょう。

まとめ

空き家バンクのデメリットを解消してメリットを活かすポイントは、契約に注意することと現状の確認です。住居を借りる場合には必ず建物の現状を確認し、その時点でわかる修繕ポイントは必ず契約に明記しておくこと。また住居の根本的な機能に関わる隠れたる瑕疵は、貸主の責任において修繕すると条件付けをしておくことです。素人同士の契約でも、契約は契約。最終段階では専門家を入れるなど、あとから後悔しないように工夫をして空き家バンクをうまく活用しましょう。

<参考>

「空き家バンク」で地方移住がスムーズに。制度や利用時の注意点とは?
https://www.homes.co.jp/cont/town/town_00002/

自治体紹介による信頼”空き家バンク制度”の紹介
https://www.iju-join.jp/feature_cont/file/001/index.html

空き家バンクとは?メリット・デメリット、仕組みや問題点も解説!
https://o-uccino.com/front/articles/57638#%E7%A9%BA%E3%81%8D%E5%AE%B6%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%92%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%AF

Glocal Mission Jobsこの記事に関連する地方求人

同じカテゴリーの記事

同じエリアの記事

気になるエリアの記事を検索