想像していたことと現実が違った!ということはよくあるものです。地方移住に関しても、事前に想定していた生活と移住後の生活が違うことはよくあります。田舎暮らしの課題はいくつかありますが、地方ならではの交通事情もその一つ。覚悟はしていたけれど、これほどとは……と後悔する人も少なくありません。今回は、思った以上に不便だった田舎の交通事情とその解決法について解説していきます。
思った以上に不便だった田舎の交通事情とは?
おそらく地方移住を考えるほとんどの人は、田舎での「仕事」、「住居」、「交通事情」、「コミュニティー」、「教育事情」などについて、事前に調査されることと思います。ここに列挙した田舎での課題は、ほとんどの移住サイトで上位にランキングされる、顕著な田舎暮らしの課題だからです。ただし問題はその程度(深刻さ)です。
●思った以上に公共交通機関が使えない
鉄道やバスなどの公共交通機関は、朝夕はそれなりの本数がありますが昼間や夜間は1時間に1本ということも少なくありません。朝夕に便が多ければ通勤や通学には支障ありませんが、問題は緊急対応。急な用事ができたときや家族の体調不良時に、公共交通機関はまったくアテになりません。特に小さいお子さんがいれば、夜中に熱を出すことは本当によくあることです。徒歩、自転車、バイクなども考えられますが、荒天時や目的地が遠い場合には使えません。このような事情を考え合わせると、やはり田舎生活には車(自家用車)が必須となってくるのです。
意外とかかる車の経費
田舎の交通事情をあらかじめ考慮し、はじめから車を用意して地方移住をする人も、もちろんいます。ただし車をあらかじめ用意している人のほとんどは、田舎では車の経費はさほどかからないだろうと考えがちです。都会では駐車場が月に数万円するところも多いので、田舎の駐車場代(庭に駐めれば無料)を知っていれば、そう考えてしまうのも無理はないのです。
ところが意外にかかるのが、ガソリン代です。考えてみれば買い物に駅への送り迎え、通院に役所での手続きと、あらゆることに車を使うのでガソリンタンクはあっという間に空になります。加えて田舎のガソリン価格は、都会のガソリン価格に比べ総じて高めです。ガソリンスタンドとしては、競争相手が少ないのに無理に価格を安くする必要がないからです。
走行距離が伸びればメンテナンス費用もかかります。オイルやタイヤ、点検整備、車検に加え、自賠責や任意保険も田舎だからといって安いわけではありません。田舎で使う車は、駐車場以外の経費がバカにならないのです。
車の経費を抑える方法
そこで考えなければならないのが、車の経費を安く抑える方法です。これには2つの方法があります。まずは車の購入費用を安くする方法です。田舎に行って周りの家を見ればわかることですが、車は一家に1台ではなく一人に1台です。それと、軽自動車が圧倒的に多いことにも驚かれることでしょう。軽自動車は、車両代やランニングコストを考えたときには、ベストな選択なのです。燃費が良く、税金やタイヤなどの消耗品も安いことが大きな魅力だからです。
次に考えるのは新車か中古車か?ということですが、長く乗ることを考えているなら中古車ではなく新車をおすすめします。中古車は前のオーナーがどのような乗り方をしているのかわからないだけではなく、部品の経年劣化で故障の確率は確実に高くなります。子どもが小さい時だけ、というような短期使用の目的であれば、程度の良い中古を選ぶのが賢明でしょう。
2つ目は、ランニングコストを抑える方法です。先述のように子どもが小さい時だけ、というような短期での使用を考えているなら、カーリースかサブスクリプション(毎月定額料金を支払うことで、製品やサービスをその月内で利用することができる権利)がおすすめです。サービスの内容はどちらも提供企業によってさまざまですが、一般的には整備費用、車検費用などが込みの料金(任意保険が込みの場合もある)となっています。長く乗るのであれば自己所有が得になりますが、短期の使用であれば車両代とランニングコストを安く抑えることができるでしょう。
カーリースの場合はリースアップ時(リース契約が終了したとき)に残金を払って購入するか、再リースを行うか、もうカーリースをやめるかの選択をすることができます。サブスクリプションは、毎月定額を払って車を利用できますが、長く料金を支払ったとしても車は自分のものにはなりません。料金は安いですが、毎月レンタカーをしていると考えれば良いでしょう。
それぞれに特徴のある車の使用方法ですが、短期間車を使用するのであれば有効な使い方だと言えます。
まとめ
公共交通機関でなんとかなる!と思って移住しても、どうしても車が必要になってしまうことはあり得ます。一人で移住したならまだしも、家族も一緒に移住したのならば余計でしょう。もし地方移住を考えていて免許をお持ちでないのなら、ぜひ移住前に取得することをおすすめします。移住してからでは、教習所に通うのも一苦労なのです。
<参考>
《コラム》自家用車を持たない田舎暮らしを考えてみた
https://tajimalife.jp/event/3844.html
地方移住に自動車は必須。大きな出費だけど、必要な理由を考えてみた。
https://machi-log.net/?p=62321