こんなはずじゃなかった!田舎移住で後悔した子育て編
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/05/16 (月) - 18:00

以前は定年退職後のセカンドライフを過ごすためであった地方移住も、現在ではスローライフや自然豊かな地方での生活を楽しむ場へと変化しつつあります。このような移住生活は夫婦のみ、もしくは単身だけでなく家族全員で行われることも多いため、移住前には子どもの将来に不都合が生じないように考えておく必要もあります。今回は子育てに最適と思って地方移住した結果、思わぬところで後悔した事例などを紹介すると共に、失敗しない子育て移住について考えます。

子育て世代が地方移住をするメリット

未成年の子どもを持つ世代が地方移住を行う、「子育て世代の地方移住」にはどのようなメリットがあるのでしょうか?移住を検討中の人たちが持っている期待も含めて、そのメリットを整理しておきましょう。

・土地や家賃が安い

一般的に地方では土地が安い結果として家賃が安く、生活費を抑えることができます。都会では毎月発生する固定費の中で家賃の占める割合が大きく、他の生活費を圧迫してしまいます。家賃を少しでも安く抑えることができれば、余った分を教育費や食費に回すことができます。

・自然が豊か

これは子どもだけでなく両親にとっても言えることですが、地方の自然豊かな環境は移住の大きなメリットです。子どもに自然の中でのびのびと育って欲しい、というのは地方移住を考える子育て世代であれば、誰しも考えることでしょう。

・生活圏の安全性

車の少ない交通事情や濃い人間関係(部外者や不審者などがわかりやすい)、先生の目が届きやすい学校生活など、地方ならではの事情は子どもにとって安全な環境と言えます。

・遊び場が多い

公園に限らず、地方では子ども達の遊び場が多いのが特徴です。空き地や神社、河原やちょっとした山など、自然に触れながら遊べる場所には不自由しないでしょう。

・待機児童の心配がない

少子高齢化の影響を受け、地方でも子どもの数は減っています。都会のように、入園待ちの待機児童が発生してしまうことはほとんど無いと言えます。

・子育て支援の助成が多い

地方自治体では、子育て中の世代に家族で移住して貰って経済を活性化させ、地域全体で税収を増やしたいと考えています。このような理由から、子育て世代向けに多くの助成策を用意する地方自治体が増えています。

子育て移住で後悔したこと

メリットがあれば反対にデメリットもあります。ここでは子育て移住で後悔したこと(デメリット)について整理してみましょう。

・生活費が意外とかかる

家賃が安い代わりに、意外とかかるのが車の経費(ガソリン代)や食費や日用品などの生活費です。地方は公共交通機関が少なく、どこに行くのも車になるのでガソリン代が思った以上にかかります。また食料品や日用品も、店舗の競争相手が少ないので都会より高いことが往々にしてあります。加えて都会に比べて賃金が安いことも、家計を圧迫する原因になるでしょう。

・遊べるスポットが少ない

公園や自然の遊び場は多いのですが、遊園地や映画館は少ない傾向にあります。また遊べるスポットではありませんが、文化施設(美術館や劇場)も多くはありません。成長するにつれ、子ども自身が大人として遊べる場の少ないことに不満を持つかもしれません。

・危険な場所がある

自然が多い場所は、危険の多い場所とも言えます。たとえばイノシシや蛇などの危険動物、毒を持つ昆虫なども危険だと考えられるでしょう。

・医療機関が少ない

怪我や病気をした場合はもちろん、予防接種などを受ける際にも医療機関が遠く、数も少ないことを認識しておくべきです。またあまり考えたくない事態ですが、救急車を呼んだ場合にも地域によっては来るまでに時間がかかります。

・進学先や塾などが限られる

地方では子どもが少ないこともあり、教育機関(高校や大学)と補助的な教育機関(塾や予備校)も少なくなっています。子どもに対する教育の悩みは、地方移住の課題として必ず挙がるものでもあります。

子育て移住で後悔しないためには

子育て移住のデメリットはいくつかありますが、移住後、後悔しないために押さえておくべきポイントは大きく2つだと思われます。まずは医療の問題。これは大人や子どもという区分けなしに、命にも関わる大きな問題です。移住を検討する際には子どもの年齢や持病などを考慮に入れ、車で移動できる範囲に救急医療に対応した病院があることを確認しておくべきです。これは移住地域の決定前に確認できることなので、解消できるデメリットだと言えるでしょう。

次は教育の問題です。これは子どもの将来を左右する大きな問題だと言えますが、教育に関しては、子どもの年齢とその希望に応じて親が考えを変えていくべきです。就学前(保育園、幼稚園)、義務教育(小学校、中学校)、高校、大学と、子どもの人生のステージは大きく変わります。子どもの教育ステージが進むにつれ、場合によっては都会で一人暮らしさせなければならないことも考えられます。家族で移住したからといって無理に親の考え方を押しつけるのではなく、成長した子どもの希望を一番に尊重するべきでしょう。大事なことは家族の状況変化に合わせ、柔軟に考えを変えていくことです。

まとめ

子育て世代に限らず家族で地方移住を行う場合、全員が将来にわたって地方での生活に満足するとは限りません。子どもだけでなく、家族の誰かが都会に戻るオプションも考えておかねばならないのです。もともと地方で暮らしている地域の人たちも、この事情はきっと同じこと。子育てで悩んだら、地域の人たちに積極的に相談してみましょう。

<参考>

移住&子育て8年して後悔したこと
https://great-hyakusho.com/livingwithchildren

田舎暮らしで後悔をしないための方法!地方移住する子育て世代へ 
https://takudlc.com/inakagurashi-no-regrets-3035

田舎に移住して子育てするのはあり?後悔することってある?
http://childraising.site/category10/entry615.php

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