こんなはずじゃなかった！田舎移住で後悔した　教育編｜GMT - グローカルミッションタイムズ｜「地方で働く」を考えるビジネスパーソンのためのニュースサイト

こんなはずじゃなかった！田舎移住で後悔した　教育編

GLOCAL MISSION Times 編集部

2022/06/20 (月) - 18:00

自然の多い田舎は子育てに適した環境だと言われますが、教育の環境には不安が多いものです。たしかに塾や予備校といった補助的な教育施設が少なく、進学する学校の数にも限りがあります。一念発起して家族で地方移住したものの、子どもが成長するにつれて起きる教育の問題はどのように考えれば良いのでしょうか？今回は田舎の教育事情から子どもの教育を補助する方法、大学進学の問題までを解説します。

田舎の教育事情とは？

少子高齢化が進む地方では、子どもの数が少なくなることにより学校の統廃合が行われることも少なくありません。ただし通学が多少困難（通学時間が増えたり、自転車が必要になる場合もあります）にはなるものの、公立の小学校、中学校については問題なく通えることがほとんどです。ただし都会のように、私立の小学校や中学校、小中一貫校などはほとんどありません。もしあったとしても、車で片道1時間かけて送り迎えをするなど、親の全面的な協力が必要になります。地方に移住しながら、このような私立の小・中学校に子どもを通わせることは、とても困難なことだと言えるでしょう。

高校になると、田舎の教育環境は大きく変わります。公立校（ほとんどの場合は県立）は一般的に倍率が高く難関校となり、私立校は偏差値で大きく2つに分かれます。地方の国立大学や私立の難関大学を目指すのであれば、県立高校や偏差値の高い私立高校に進学しておくことが必要となります。

このように田舎の教育事情は、高校を境に大きく変化します。都会との一番の違いは、学校の数が少ないことにより、競争が激しくなってしまうことです。大事なことは中学後半から高校生にかけて、補助的な教育で学力の保持と向上を行うことでしょう。

補助的な教育はオンラインで

補助的な教育は、子どもの成長に合わせて大きく3つに分けられます。就学前や小・中学校時が主流となる「習い事」と、小学校高学年から高校まで必要となる「塾」、大学受験時に必要となる「予備校」です。

この中でピアノやサッカー、そろばん、習字といった習い事は情操教育に分類されるもので、あまり学力に結びつくものではありません。ただし「自分で考える力」や「人間力」、「忍耐力」を育てるためには必要なことであり、近所に習い事を教えている教室などがあれば積極的に通わせるべきでしょう。このような習い事は自宅で教室を開いている人も多いので、地方というハンデを感じることはあまり無いと思われます。

塾や予備校に関しては、通うことが難しいのであれば都会の塾や予備校が行っているオンライン授業を利用するのが効果的です。オンライン授業に関しては感染症の流行が影響し、多くの塾や予備校で導入が進みました。現在では授業のほとんどがオンラインで受けられるなど、地方での学習に適した環境が整っています。内容もアーカイブされた過去の授業や、ライブで行われる双方向での授業までバリエーションが豊富で、実際に通うのと遜色ない効果を上げることができるでしょう。

一番の問題は就職に影響する学歴のこと

田舎の教育環境で一番懸念されることが多いのは、地方と都会の学歴差です。地方でも国立大学や私立の有名大学に進学していれば問題ないのですが、都会と田舎ではそもそも大学の数が違います。競争率の高い田舎で、地元の有名大学に進学しようとするのが得策かどうかはよく考える必要があるでしょう。

地方での教育に関しては、子どもの年齢とその希望に応じて親が考えを変えていくべきではないでしょうか？極端なことを言えば、親の好みを押しつけられるのは中学校までで、子どもには子どもの人生があると理解すべきなのかもしれません。家族で移住したからといって無理に親の考え方を押しつけるのではなく、必要であれば子どもを都会で一人暮らしさせることも考えなくてはならないでしょう。

特に大学進学は、就職に多少なりとも影響することがあります。大事なことは家族の状況変化に合わせ、柔軟に考えを改めていくことです。