UターンでもIターンでもない、孫ターンとは？そのメリットとデメリットについて解説します！｜GMT - グローカルミッションタイムズ

UターンでもIターンでもない、孫ターンとは？そのメリットとデメリットについて解説します！

GLOCAL MISSION Times 編集部

2022/11/02 (水) - 18:00

都会から地方に戻る（もしくは移住する）形態としてUターンやIターン、またはJターンという言葉は聞いたことがおありでしょう。ですが近年では、地方へ戻る新しい形として孫ターンが話題となっています。孫ターンとは、どのような地方移住の形態なのでしょうか？今回は孫ターンの概要から、そのメリットとデメリットについて解説していきます。

UターンでもIターンでもない、孫ターンとは？

Uターンとは、生まれ育った故郷から都会での学生生活や就職を経た後に再び故郷に戻ること。Jターンとは故郷を出て、都会での生活後に故郷に近い地方に戻ることを指します。Iターンは少し意味合いが違い、故郷から進学や就職を機に故郷とは別の地域に移住することを言います。Iターンには都会で生まれた人が地方に移住することも含みますので、厳密な意味では「ターン」ではないのかも知れません。

さて、これらの意味からはまったく想像ができない孫ターンとは、どのような行動を指すのでしょうか？孫ターンは、別名「１世代飛び越し型Uターン」とも呼ばれます。つまり、生まれ故郷から進学、もしくは就職などの理由で都会に出て結婚をし、子どもが生まれてから、子ども（故郷の親からすれば孫）を連れて親の暮らす故郷に移住することを指すのです。

孫ターンが増えている理由

都会から孫を連れて、実家の近く（もしくは実家に）移住する孫ターン。近年はこんな移住方法が増えていますが、孫ターンはなぜ増えているのでしょうか？その理由の一つには、移住年齢の低下があります。以前の地方移住と言えば、定年後のセカンドライフを過ごす方法というイメージが強く、実際に移住をする年齢は50代以上が7割を占めていました（NPO法人ふるさと回帰支援センターの2008年調査による）。ところが2016年には20代から40代が7割を占めるようになり、この結果から移住の関心が若い世代にシフトしていることがわかります。地方移住はセカンドライフを過ごす方法ではなく、スローライフや都会では味わえない自然の多い生活を楽しむ方法になってきたのです。ところが地方移住には、いくつかの課題があると言われています。多くの地方移住サイトでその課題を集計すると、たいていランキングの上位に入っているのがこの3つ。「仕事（収入）」、「住居」、「人間関係」です。孫ターンは、この課題のうちいくつかを解決してくれる効果があるので近年増えていると思われます。

孫ターンのメリット・デメリット

一般的な地方移住のメリットには、ストレスの少ない環境で生活できることや自然の多い環境で子育てができる、生活費を低減できる、などがあります。これに加え孫ターンには、以下のようなメリットがあります。

孫ターンのメリット

・人間関係の悩みが少ない
地方移住の課題の一つに、人間関係を挙げる人は少なくありません。地域の人たちとの濃い関係性や自治会、消防団といったコミュニティーを嫌う人は多いのです。ただし孫ターンで生まれ育った地域に帰れば、このような濃い人間関係は子どものころから慣れていることもあり、あまり気にならないことが多いようです。またご両親（孫にとっての祖父、祖母）が健在であれば、周りの人たちと繋がっていることもあり、まったく知らない土地に移住するより人間関係の悩みは少なくて済むでしょう。

・子育てのサポートが受けられる
実家の近く、または実家に移住することで、ご両親からは子育てのサポートを受けることができます。都会では費用を負担できても待機児童などの問題があり、思うように子育てを手伝って貰うことがかなわない場合があります。孫ターンであれば、ある程度はご両親からのサポートを受けることができるでしょう。

・住居費を抑えられる
実家に住む、もしくは安い家賃の住居などを紹介して貰えれば住居費を抑えることができます。賃貸する場合でも、まったく知らない貸主から家を借りるより、知り合いから借りるほうが安心感があるというものです。