福岡市発、世界5カ国13拠点に展開する、日本最大級のシェアオフィス&コワーキングスペース、「The Company(ザ・カンパニー)」。レンタルオフィス、会議室、イベントスペースなど、会員であれば使いたい放題。単なる自習室ではなく、集まった会員同士による新しいビジネスコミュニティの誕生を目指しているのだといいます。
今回は、ゼネラルマネージャーの瀬戸智弘さんにThe Companyの魅力を大いに語っていただきました。
*この記事は、2018年6月の取材に基づいた記事を編集したものです。
異業種のプロ同士がつながりあう新しい形のコミュニティ
「ザ・カンパニー」は、2016年12月に株式会社Zero-Ten が立ち上げたシェアオフィス&コワーキングスペースです。2018年7月に分社化し、現在はZero-TenParkが運営しています。世の中には多くのシェアオフィスが存在しますが、ザ・カンパニーはそれらとは一線を画すユニークなコンセプトで立ち上がりました。
単なるオフィス空間を提供するのではなく、「さまざまな業種の人が集まって、クリエイティブなことをすれば、1つの会社になるのでは?」という発想からスタート。
コミュニケーションの場として展開し、仲間が増え、新しいビジネスが生まれるという、これまでになかった、新しいあり方を目指してきました。
コワーキングスペースのほか、会議室、イベントルームなどがあり、コピー機もシェアして使え、来客があればコーヒーサービスも自由。受付もあるので、荷物も届く。こうしたスタイルの貸しオフィスは、今でこそ見かけるようになりましたが、まさに先駆け的な存在だったのではないでしょうか。
また、The Companyの会員は、レンタルオフィス、会議室、イベントスペースなど、会員は使いたい放題。ドロップイン(1日だけ、1時間だけなど)のプランもあります。アメリカやフィリピン、タイなどの東南アジアにも店舗を展開し、会員のグローバル展開もサポートまで手掛け、フリーデスクプランであれば、月会費22,330円(2022年11月現在/キャナルシティ博多店)で、セブの店舗も使えます。
実は、Zero-Ten は、映像サービスや照明演出、Web制作やテナントプロデュースなどを手掛ける会社。和太鼓エンターテイメント集団の映像演出や、新国立劇場での舞台空間の映像演出、市内の大濠公園の常設ライトアップなども手がけてきましたが、外注に頼ることが多く、仕事が発生するたびに探し始める苦労が多かったのだそう。
「信用できる会社に集まってもらい、プロフェッショナル同士のコミュニティを作ったら?という発想がこの事業の出発点になりました。」
あえて動線や廊下などはできるだけ作らず、人が通れる設計で、会員同士のコミュニケーションがより取りやすくなっているのも特徴的。
「人と人をつなぐ意味で、受付は重要な役割を担います。ICカードがシステムと紐付いていて、どういう業種のどこの会社の誰がいるかがわかるようにしました。デザイナーを探している人が受付に相談すると、すぐに探してもらえる仕組みです。受付はメンバーの資料を見て、つながりそうな人を厳選します。」
「フリーランスでも企業でも、自由にチームを作ることができ、新しいプロジェクトに挑戦してほしいと考えていて、このことは入会時に必ず伝えています。」
福岡で実績をつくり、東京へ
もともと「The Company」の目的は家賃収入ではなく、「ワークリンク」と「マルチロケーション」をキーワードに、新しい仕事を生み出すことでした。
そのため、初めは人材派遣会社、システム会社、エンジニアチーム、芸能事務所などカラーのある会社に声を掛けて入ってもらったのだといいます。
「それに、コミュニケーションを図るためには、それなりのスペースが必要です。いきなり東京へ行って始めようとしても、300坪のスペースを貸してもらえなかったと思います。まず、福岡で実績が生まれてから、東京に行くほうがやりやすいと思っていました。」
独自SNSでプロジェクトと人材をマッチング
ユニークなのは、独自SNSを利用したプロジェクトと人材のマッチング。SNSで会員のキャリアやプロジェクトを共有することができ、自由に書き込めるタイムライン機能で、仕事の受注発注も可能になっており、これまでいくつもの新しいプロジェクトが誕生してきました。
「1回コミュニケーションが始まると、どんどん広がり、あとは勝手にビジネスが生まれていく感じです。」
会員には弁護士や会計士などの専門家もいるので、フリーランスなどの会員が相談することも可能。スタートアップ企業のマッチングイベントも積極的に行われています。
「多種多様なプロフェッショナルが集まり、お互いがアイデアを出し合うことでより良い成果物が生まれると考えています。世の中にもっと面白いものを生み出す世界を創って行きたいですね。」