これからは転職なき移住が主流に!?地方移住の問題を解決するその対策とは?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2023/01/19 (木) - 18:00

地方移住をしたいと考えたときに、真っ先に悩みの種となるのが仕事や移住後の収入のことでしょう。確かに地方は仕事が少なく、仮に同じ職業に就けたとしても都会より収入が下がってしまう可能性があります。もちろん移住すれば抑えられる経費もあるのですが、やはり慣れた仕事が継続でき、収入にあまり変化のないことが一番安心できます。このような移住希望者の事情を考慮し、近年は政府も地方自治体と共に「転職なき移住」ができるような施策を展開しています。今回は転職なき移住に向けた施策の概要と、そのメリットを紹介していきます。

地方移住の課題とは?

地方移住を検討したときに、その課題(問題)としてよく挙げられるのが「仕事(収入)」や「住居」、「地域とのコミュニケーション」です。住居の家賃は月々の固定費の中でも一番大きな比率を占める部分なので、どのような家を選ぶか、修繕が必要なのかという問題を含めてよく挙げられます。また地域とのコミュニケーションは平たく言えば人間関係のことで、地方独特の濃い人間関係が煩わしい、消防団や自治会でうまくやっていけるのか心配、などの問題があります。

このような課題の中でも地方移住最大の課題が、仕事と収入に関する悩みです。収入は日々の安定した生活に直接関わる問題であり、常に収入に不安を抱えた状態ではせっかくの地方移住を楽しむどころではなくなってしまいます。このような事情から、多くの人が地方移住を検討するものの、仕事と収入の問題を解決できずに移住をあきらめている現状があります。この状況に対処し移住する人たちを増やすため、政府が進めているのが地方創生テレワークによる「転職なき移住」です。

政府が主導する地方創生テレワーク

地方創生テレワークとは、政府(内閣府)が推進するテレワークを使った地方創生策のひとつです。新型感染症の感染拡大で本格的に普及したテレワークを活用して、地方移住や二拠点生活を推進するために展開されています。地方創生テレワーク一番の目的は、地方移住で一番の課題となっている仕事を変えずに、また収入を落とさずに移住して貰うこと。テレワークを活用することで働き手は「働く場所」や「従来の住む場所」から開放され、地方移住や二拠点生活を検討しやすくなるからです。この政策は働き手だけでなく、地方自治体はもちろん、企業にとっても良い影響があります。それはサテライトオフィスの開設です。

企業活動を効率化するサテライトオフィス

サテライトオフィスとは、企業の本社や支社から離れた場所に設置される小規模なオフィスのことです。このようなサテライトオフィスを地方都市に開設すれば、都会のオフィスを縮小して固定費(オフィスの賃貸料)や光熱費を抑えることができ、通勤費も削減できます。従業員は自由に移住して快適な環境で働くことができるので、一挙両得というわけです。

地方に移住したからと言って、インターネット環境が不十分な場合や家族がいて家では仕事ができないなど、テレワークならではの悩みもあります。そのような場合にサテライトオフィスは転職なき移住への有効な解決手段となるのです。政府は地方創生テレワークとサテライトオフィスの開設を、地方創生事業の重要施策としてこれからも推進するとしています。

転職なき移住のメリット

テレワークやサテライトオフィスの利用が可能にする転職なき移住にはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここで確認しておきましょう。

・仕事を探す必要がない
移住にあたって、現地で仕事を探す必要がありません。地方は仕事が少ないのでそれだけでも有利ですが、求職のための移動や面接などにかかる費用も節約できます。

・都会の年収基準をキープできる
地方は都会に比べて年収の基準が低いことが多いので、転職なき移住をすることで生活に余裕が生まれます。

・生活に計画を立てやすい
安定した収入を得ることで、生活の計画を立てやすくなります。地方で住宅ローンを組む場合でも、勤続年数が途切れることがないので社会的な信用度が保たれます。

転職なき移住に力を入れている地方自治体

上記のようなメリットを背景に、各地方自治体では移住者の誘致を始めています。たとえば石川県では6泊7日以上石川県に滞在し、そのうちの半分以上テレワークをする人に宿泊費や交通費、コワーキングスペース利用にかかる費用の半分(1人あたり最大10万円)を補助して移住体験を推奨しています。他にも都会へのアクセスが良く人気の高い群馬県や和歌山県などでも転職なき移住者への支援を開始しています。

まとめ

これまで移住したいと思っていても、仕事や収入のことを考えると前に進めなかった方が多いのではないでしょうか。政府や地方自治体は、移住者一番の悩みを解決すべく、さまざまな支援策を用意しています。もしあなたの会社でテレワークが推奨されているのであれば、転職なき移住を考えてみてはいかがでしょうか?

<参考>

「転職なき移住」による地方への人と知の流れの創出
https://www.chisou.go.jp/sousei/about/mirai/pdf/teleworkkouhukin_kaigimatome.pdf

テレワーク普及で地方移住者が増加中!支援金の内容や条件を解説
https://dxlog.biz/cat-web-meeting/article/137

テレワーク普及で「転職なき群馬への移住」が増加 都心へのアクセスよく、自然が豊富 
https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/165097

転職なき移住の応援はじめました!石川県でテレワーク!!
https://smout.jp/plans/8113

地方創生テレワーク
https://www.chisou.go.jp/chitele/jichitai/index.html

地方創生テレワークで得られるメリットとは
https://www.cosmosmore.co.jp/workplace/service/consulting/morenote/column69

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