子育てしやすい環境を求めて引っ越しを決意
福岡市中央区の薬院で、ワイン酒場を12年間経営していた小林健志さんは、お子さんの誕生を機に、奥様の実家がある武雄市に移り1年半になります。「武雄市には新しいことにチャレンジするイメージがある」という小林さん。引っ越しを決めた理由や武雄市の暮らしの魅力などについて、お話をうかがいました。
現在のお仕事についてお聞かせください。
福岡市の薬院から武雄市に引っ越して、2022年4月にワイン食堂cobacini(コバチーニ)をオープンしました。私も妻もソムリエの資格を持っており、夫婦で一緒に働いています。長崎からのお客様が2.5割、福岡からのお客様が1~1.5割ほどで、平日の夜でも新幹線や電車を利用して、ワインを飲みに来てくださいます。
武雄市に引っ越してきたきっかけを教えてください。
子どもが大きくなった時に帰ってこられる“実家”を作りたいと思ったのがきっかけです。
薬院では賃貸マンションに暮らしていたのですが、私も妻も一軒家で育ってきたこともあり、“実家”のイメージは庭付きの一軒家。子どもには、温かい日はバーベキューをしたり、夏休みはプールを出して水遊びをしたりできる環境を整えたかったのです。
それに妻の子育てのサポートを考えると、私の実家(福岡県糟屋郡)よりも、武雄市にある妻の実家の近くのほうがよいと思いました。
また、薬院で12年間賃貸マンション暮らしをし、家賃を払い続けましたが、財産として残るものがなかったことも、武雄市に引っ越すことを決めた理由です。土地を購入し、支払いを財産に変えることが大切だと思いますし、子どもにもそういう財産を残したい気持ちがありました。
武雄市に引っ越してくるまでに、どのような準備をしましたか?
家や店舗を持つためには、融資などを含め、社会的信用と金銭が必要になります。売上をしっかりあげ、経営者として成績を残すことを心掛けていました。
武雄市では、住宅兼店舗を購入すると決めていたので、住宅としてだけではなく、お客様に来ていただける便利な土地を求めて、不動産屋さんに片っ端から当たりました。
良い物件に巡り合えたのは、相談してから1年3カ月後です。駅から徒歩5分以内、武雄市役所が目の前の土地。しかも、土日祝・平日夜間は、市役所の駐車場が無料で開放されています。予算オーバーでしたが即決して不動産屋さんと契約し、家を建てるのに1年、引っ越しまでにトータルで2年半かかりました。
武雄の暮らしで満足していることを教えてください。
引っ越しのタイミングで、新幹線の開業が決まっており、武雄には新しいことにチャレンジをするイメージがあり期待感がありました。市役所も明るい雰囲気で、そういうところが大事なんです。
新幹線開業で駅周辺の道路が整備され、お店の前に横断歩道ができるという、思わぬメリットがありました。横断歩道で人は立ち止まるのでお店が目に入りPRに役立っています。
武雄市の暮らしはとても便利です。自宅は駅や市役所から近く、銀行、飲食店街、スーパー、大型店舗のゆめタウンもあります。無いものは通販で買えばよいので、不便を感じません。福岡で暮らしていたときと比較しても、8割くらいの便利さがありますよ。
武雄の暮らしで少しイメージが違ったことを教えてください。
想像していたよりも、武雄の暮らしは便利でした。もっとスローライフを満喫できると思っていたのですが、お蔭様で仕事が忙しくて……。でも、若いうちはしっかりと働こうと思っています。子どもが大きくなって県外に出たり、住宅ローンの支払いの目途が立ったりしたら、将来的には畑仕事を始めて、育てた野菜をお客様に提供するといったことも考えていますが、もっと先でよいと思っています。
武雄に引っ越してこられてからの暮らしについて教えてください。
妻はとても忙しく働いています。妻がホールにいてこそのワイン食堂ですし、お客様が来てくださいます。
武雄市には義理の父と母、兄と姉がいます。良好な関係で、定期的にお食事会をしています。ごはんを食べた後に、自宅に寄ってもらい、コーヒーを飲みながら団らんできる時間が贅沢ですね。それに、義父母に自分たちが働いている姿を見せることができるのも、実家の近くに引っ越してきて良かった点です。
娘も同世代の従兄妹たちと一緒に遊んでもらえ、世界が広がったと思います。
最後に、武雄市への引っ越しを検討している方へのメッセージをお願いします。
武雄の人は移住者に対して、「よそ者が来た」と警戒することはなく、好意的でウェルカムです。それでいて適度な距離感を保ち、おせっかいな雰囲気はありません。武雄市は安心して暮らせる場所だと思うので、ぜひ、いらしてほしいと思います。