「地域の伸び代」を感じて移り住む人多数!意外と便利な島暮らし。
政策推進課 川上建司さん、江田島市役所企画振興課 内藤亜弓さん、一般社団法人フウド 後藤峻さん
GLOCAL MISSION Times 編集部
2024/09/25 (水) - 11:00

広島県西部、広島湾に浮かぶ江田島と能美島とその周辺の島々で構成される江田島市。島でありながら広島市、呉市へのアクセスが良好で利便性のある町です。江田島市の魅力や移住支援施策、実際に移住をして感じた声などについて、江田島市役所 企画振興課の内藤さん、政策推進課の川上さん、一般社団法人フウドの代表で江田島市への移住者でもある後藤さんにお話しいただきました。


―まず、江田島市の概要をお聞かせください。

江田島市は広島県の南西部、瀬戸内海に位置し、大小9つの島々で構成されています。平成16年に4町が合併し、今年で市制施行20周年記念を迎えます。人口は約21,000人で、面積は約100平方キロメートルと瀬戸内海で4番目に大きい島です。広島市と呉市に隣接し、7つの航路で結ばれています。(※うち、1航路については期間運航休止中)南には早瀬大橋が通って呉市とは陸路でつながり、アクセスが良好な点も特徴だと思います。

島でありながら、スーパーやコンビニエンスストア、商業施設が点在しているので、一般的な島のイメージより、不便に感じることはありませんよ。

JHR-850-0919_3.jpeg (282 KB)
早瀬大橋と天狗岩


―どのような方が江田島市の方に移住されていますか?

Uターン、Iターンはもちろんですが、最近は家族や友人づてに江田島のことを知り移住されるケースが多いですね。また、おじいちゃん、おばあちゃんが住んでいたなどのルーツターンも増えています。都市部に近い場所でありながら、自然も豊かであるため理想のスローライフをイメージされる方が多くいらっしゃる印象です。

江田島市では地域を元気にする、意欲的な活動をされる方が増えていて、そういった方を通して江田島に興味を持ち、移住に結び付くケースもあります。


―後藤さんは移住されて約8年とのことですが、江田島をどうして選ばれたのですか?

元々広島市出身で、一度東京で働いていたのですが、広島県の島に住みたいなと思っていました。家族もいるので、利便性のある島を探している中で、江田島がヒットしました。生活に必要な環境は他の島に比べて整っている一方で、地域の活性化という面ではまだまだ伸び代があると感じました。何かできそうだというポテンシャルを感じたのが理由のひとつですね。

私のように広島県出身者で一度首都圏などに出られた方が、海や島が好きで江田島を選んで戻って来ることもいらっしゃるようで、移住相談ベースでは、広島県内の方が四分の三、県外からの移住は四分の一ぐらいと聞いています。


―移住支援として何か手掛けていることはありますか?

移住支援に特化したものでいうと、移住ステップに合わせた補助金制度があります。例えば、視察に来られた際にかかる片道交通費・宿泊費の一部補助や、一旦は賃貸物件に住んでみたいという方に向けた子育て世帯向けの家賃補助金、さらには、定住に向けた新築の補助を設け、幅広く移住をサポートしています。

移住に関する情報を集約した、江田島市移住・定住ポータルサイト「hodohodo」を立ち上げてからは、空き家バンクには年間平均40~45件の新規登録があり、うち35件程度が成約しています。市内の空き家を流通させるために、空き家の購入や修繕など、空き家対策に関する各種補助制度もあります。空き家バンクに掲載されていない物件でも、市が空き家と認めているものであれば、補助対象となる場合もあるため、移住の際にご活用いただくことも多くあります。

また、昨年に引き続き、今年で2回目となる「えたじまぐらしイメージツアー」をフウドや地域の方々と共同で開催しました。ツアーには10名の方にご参加いただき、ホームページに未掲載の空き家や地域コミュニティ、学区の小学校、最寄りのスーパーなど、リアルな生活環境をご紹介しました。約半日を共に過ごしていく中で、参加者さん同士、あるいは地域の方との交流を深めながら、江田島市で暮らしていくイメージを肌で感じていただくことができました。
島というと小さなイメージがありますが、実際に足を運んでいただくことで、島内の広さを実感し、移動の所要時間や地理的な特性を掴めたという声もいただけました。今後も内容をブラッシュアップしながら、より良い形で取り組んでいきたいと考えています。

JHR-850-0919_1.jpg (213 KB)
市内で開催された地域マルシェの様子 


―移住について、江田島市の課題があれば教えてください。

首都圏で移住フェアなどに参加させていただくと、江田島市はまだまだ認知度が低いと感じます。江田島市はエリアによって「商業施設が充実している」「土地開発が進んでいる」「交通の利便性が高い」などさまざまな特徴があり、ある意味では島の中心と表現できる場所がないので、今後ブランディングして存続していく上で、何らかの強みとなるコンセプトは必要だと思います。
島内のみで人口減を抑止できるほどの雇用を生み出すには限度があるので、通勤・通学圏内の広島市や呉市郊外の住みよい場所としての魅力をアピールし、認知度を高めていきたいですね。


―江田島市の魅力はどこだと思いますか?

最近では、島ならではの特産物を活かしたオリーブファクトリーや、オイスターファクトリーなど、島の景色や海を眺めながら食事のできる素敵な雰囲気のお店もでき、楽しめる新スポットが続々と増えつつあります。オリーブファクトリーは島外の人にも人気のイタリアンレストランにショップ、加工場を併設していて、オリーブ栽培や収穫、加工から飲食、販売まで行っている、全国でも珍しいオリーブの6次化複合施設なので、ぜひ一度は訪れていただきたいです。

JHR-850-0919_4.jpeg (191 KB)オリーブファクトリーにあるイタリアンレストランを庭から見た外観 

島特有の流れる空気感が違うのも魅力です。都会の刺激もありながら、島暮らしを満喫できるところを感じていただけたらと思います。
江田島市から市外へ通勤・通学をする際に、船を利用される方がとても多いのですが、その光景から、船通勤が有名なサンフランシスコみたいだね、と言っていただけることもしばしばありますよ(笑)。

移住される方が起業支援を受けて、新規にお店を始められるというケースも比較的多く、メディアで注目を浴びる機会が増えるといった相乗効果もあります。江田島には人がつながり、誰かが誰かを応援するといった、いい循環がある気がするので、孤独にはならないと思いますね。

JHR-850-0919_1.jpeg (132 KB)
夕日を背に広島湾を運航するフェリー 朝晩は20分から30分の運航間隔で便利


―最後に、移住を考えている方へメッセージをお願いします。

江田島市はほどほど田舎で、ほどほど便利な暮らしができる場所だと思います。理想の暮らしをされている方や新しいことを始められている先輩方もたくさんいるので、今は知り合い等がいない方でも、コミュニティには全く困らないと思います。遠方の方はオンラインでも移住相談を承っておりますので、気になることがあれば何でもご相談ください。実際にお越しいただいたら、気に入っていただける自信がありますので、ぜひ一度、お気軽に遊びに来てください!

広島県企業の求人や、企業・暮らしに関する情報は、WEBサイト「kakeru広島」をご覧ください。
https://glocalmissionjobs.jp/lp/hiroshima

江田島市移住・定住ポータルサイト「hodohodo」
https://ijyu-etajima.jp/

Glocal Mission Jobsこの記事に関連する地方求人

同じカテゴリーの記事

同じエリアの記事

気になるエリアの記事を検索